Trademark Appeal Case
称呼類似と周知商標の混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900068(T2010−900068/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5290767号商標(以下「本件商標」という。)は、「SOLFX」の欧文字を標準文字で表してなり、2009年(平成21年)3月10日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年9月7日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年12月9日に登録査定、同月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のア及びイの商標(以下、これらをまとめていうときは「引用各商標」という。)であり、いずれも現に有効に存続しているものである。
ア 登録第4926820号商標(以下「引用商標1」という。)は、「SOLA」の欧文字を標準文字で表してなり、平成17年7月5日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年2月3日に設定登録されたものである。
イ 登録第4153768号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成6年12月16日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同10年6月5日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、その要部「SOL」から「ソル」又は「ソール」の称呼を生ずるのに対して、引用各商標からは「ソラ」又は「ソーラ」の称呼を生ずるものである。
したがって、本件商標と引用各商標とは、称呼において類似するものであり、指定商品も互いに抵触するものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものである。
(3)商標法第4条第1項第10号について
申立人の商標「SOLA」は、「SOLA ULTRA」シリーズ、「SOLA HD」シリーズなど、多くのシリーズが展開され人気を博しており、日本においても、申立人の業務に係る商品「眼鏡用レンズ、サングラス用レンズ」を示す商標として、需要者・取引者の間に広く知られているものである。
そして、本件商標は、申立人の周知商標「SOLA」と類似する商標であって、上述の商品と同一又は類似の商品について使用するものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものである。
(4)商標法第4条第1項第15号について
申立人の商標「SOLA」は、日本においても、申立人の業務に係る商品「眼鏡用レンズ、サングラス用レンズ」を示す商標として、需要者・取引者の間に広く知られているものである。
本件商標は、記号的な欧文字「FX」が含まれており、かつ、一体不可分に称呼し難く、分離して理解されやすい態様であることから、本件商標に接した需要者は、申立人の商標に係るブランド「SOLA」の姉妹ブランドであると誤認するおそれがある。
してみれば、本件商標がその指定商品に使用された場合、これに接する取引者・需要者が、申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係が者の業務に係る商品であると誤認し、その商品の出所について混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものである。
(5)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、申立人の周知商標「SOLA」を容易に連想させるものであって、商標権者が周知商標「SOLA」を知っていたといえるから、申立人の周知商標の持つ顧客吸引力へのただ乗りやその希釈化を招来するものであり、不正の目的をもって使用をするものである。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものである。
(6)よって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
(1)引用各商標等の周知性について
申立人が引用各商標及び「SOLA」の文字を含む申立人の使用に係る商標(以下「使用商標」という。)の周知性を裏付ける証拠として提出した甲第3号証ないし甲第32号証は、申立人及び申立人のグループ企業のウェブサイトや商品パンフレット、商品仕様書等であって、引用各商標などを使用している商品の生産、販売の量や広告宣伝の状況などを具体的に示す証拠はなく、さらに、それらは本件商標の登録査定の日後又は発行日が不明のものがほとんどであるから、それらの証拠をもってしては、引用各商標及び使用商標が、本件商標に係る優先権主張の日はもとより、本件商標の登録出願の時ないしは登録査定時において、申立人の業務に係る「眼鏡用レンズ、サングラス用レンズ」を表示するものとして、我が国又は外国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認めることはできない。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記1のとおり、「SOLFX」の文字からなるものである。そして、該文字は同書、同大、同間隔に一連に表され、外観において、その構成中のいずれかの箇所で分断し得るとする要素は見当たらず、また、称呼においては、該文字が特定の意味を表す成語でなく、直ちに一定の称呼が生じるとはいえないものの、その構成文字に照らしてみれば、「ソルフエックス」又は「ソルエフエックス」の称呼を生ずるものとみるのが相当であって、いずれの称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、その構成全体をもって不可分一体の構成からなる商標と判断するのが相当である。
してみれば、本件商標の要部は「SOL」の文字部分であるとして、これより「ソル」又は「ソール」の称呼をも生ずるとする申立人の主張は採用できない。
一方、引用商標1は「SOLA」の欧文字からなるものであり、また、引用商標2は別掲のとおり、図形と「SOLA」の欧文字からなるものであるから、引用各商標は、その欧文字部分から「ソラ」及び「ソーラ」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標から生ずる「ソルフエックス」又は「ソルエフエックス」の称呼と引用各商標から生ずる「ソラ」又は「ソーラ」の称呼とを比較すると、両者は、その構成音数及び音構成に顕著な差異を有するから、相紛れるおそれのないこと明らかである。
その他、本件商標と引用各商標とを類似するものとすべき特段の理由は、見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第10号について
引用各商標及び使用商標が、我が国において周知とは認められないこと上記(1)のとおりであり、また、本件商標と引用各商標及び使用商標とは、上記(2)と同様の理由により、互いに紛れるおそれのない非類似の商標と認められるものであるから、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号に違反してされたものとはいえない。
(4)商標法第4条第1項第15号について
引用各商標及び使用商標が、我が国において周知とは認められないこと上記(1)のとおりであり、また、本件商標と引用各商標及び使用商標とは、上記(2)のとおり明らかに非類似の商標であって、別異の商標というべきものである。
してみれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして、引用各商標又は使用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(5)商標法第4条第1項第19号について
引用各商標及び使用商標が、我が国又は外国の取引者・需要者の間に広く認識されていたものとは認められず、また、本件商標と引用各商標及び使用とは別異の商標というべきものであること上述のとおりであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第19号の要件を満たすものとはいえないばかりでなく、不正の目的をもって使用をするものであることを認めるに足る証拠も提出されていない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。
(6)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第10号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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