Trademark Appeal Case
称呼の不可分一体性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900069(T2010−900069/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5290835号商標(以下「本件商標」という。)は、「リュクスインテリジェンス」の片仮名と「LUXE INTELLIGENCE」の欧文字とを二段に横書きしてなり、平成21年3月30日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同年11月6日に登録査定、同年12月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり(以下、これらの商標をまとめて「引用商標」という。)、いずれも現に有効に存続しているものである。
(ア)登録第2128318号商標は、「LUX」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年12月15日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成元年4月28日に設定登録されたものであり、その後、指定商品については、同21年10月7日に第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品に指定商品の書換登録がなされている。
(イ)登録第4275540号商標は、「LUX」の欧文字と「ラックス」の片仮名とを二段に横書きしてなり、平成10年3月17日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年5月21日に設定登録されたものである。
(ウ)登録第4916534号商標は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成16年11月26日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同17年12月16日に設定登録されたものである。
(エ)登録第4964108号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、平成15年9月24日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同18年6月23日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、「贅沢な」という意味を有する「LUXE」と「知能、知性」という意味を有する「INTELLIGENCE」とを結合させたものであり、この両語は結合させても新たな観念を想起させるものではないから、全体から生ずる称呼以外に、語頭部の「LUXE」の部分から「ラックス」の称呼を生ずるものである。
一方、引用商標からも「ラックス」の称呼を生ずるから、本件商標と引用商標とは、称呼を共通にする類似の商標である。
そして、引用商標は「せっけん類」等に使用されて周知著名となっているものであるから、語頭部に「LUX」と同一の称呼が生じる「LUXE」を有する本件商標がその指定商品に使用された場合、引用商標が使用されている商品と出所の誤認混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(3)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人及びその関連会社は、1890年代の創業以来、引用商標をヨーロッパのみならず日本を含む世界各国において使用してきており、ラックス石けんは、誕生から100年以上の時を経た今日においてもその愛用者は世界中に広がっている。日本にラックス石けんが初めて登場したのは1972年のことであるが、その優しくエレガントな香りと確かな品質は日本人女性の心を深くとらえ、ギフト石けんとして高く評価された。
その後、シャンプー・コンディショナー、スタイリング製品、ボディソープも次々と発表され、ラックスは、いつの時代にも変わらない品質と時代に合わせた製品展開で美のニーズに応えてきたものである。
上述のところから、本件商標は、周知著名な引用商標と混同のおそれが生じるものであることは明らかであり、また、引用商標の顧客吸引力を利用し、又は顧客吸引力を稀釈化させる等の不正な目的をもって使用するものといわざるを得ない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標は、上記1のとおり、「リュクスインテリジェンス」と「LUXE INTELLIGENCE」の文字からなるものであり、その片仮名及び欧文字の各構成文字は、いずれも外観上まとまりよく一体的に表現されており、欧文字の読みを特定したものと無理なく理解される片仮名から生ずる「リュクスインテリジェンス」の称呼も格別冗長なものでもなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は、該構成文字に相応して「リュクスインテリジェンス」の称呼のみを生ずる不可分一体のものと判断するのが相当である。
また、本件商標は、その構成中「LUXE」の文字部分のみが独立して認識されるというべき特段の事情は見いだせない。
してみれば、本件商標は「LUXE」の文字部分が独立して認識され、「ラックス」の称呼を生ずるとして、本件商標と引用商標とが称呼において類似するものとする申立人の主張は採用できない。
さらに、本件商標と引用商標とは、外観においては、構成文字に明らかな差異があるから相紛れるおそれがなく、観念においては、本件商標が特定の観念を有しないものであるから、比較することができない。
以上のとおりであるから、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
その他、本件商標と引用商標とが類似するとすべき理由は見出せない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
申立人の提出に係る甲各号証によれば、引用商標が本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る「せっけん類」を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていたことは認められるとしても、本件商標と引用商標とは、上記したとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであり、他に混同を生ずるとすべき格別の事情も見いだせないから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者をして引用商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標と引用商標とは、上記のとおり、十分に区別し得る別異の商標というべきものであって、また、本件商標が不正の目的で使用するものと認め得る証拠も見いだせない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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