Trademark Appeal Case
商標称呼類似と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900097(T2010−900097/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5294658号商標(以下「本件商標」という。)は、「ペプトラン」及び「PEPTORUN」の文字を上下二段に横書きしてなり、平成21年4月2日に登録出願、第29類「食用タンパク・アミノ酸を主成分とする錠剤状・タブレット状・粒状・カプセル状・顆粒状・粉末状・液状・ペースト状・ジェル状・ゼリー状の加工食品,食用タンパク」及び第32類「ミネラルウォーター,炭酸水,スポーツ用清涼飲料,エネルギー補給のための清涼飲料,その他の清涼飲料,シロップ,その他の飲料製造用の調製品,果実飲料,食用タンパク・アミノ酸入り清涼飲料・粉末清涼飲料・果実飲料,乳清飲料,飲料用野菜ジュース,その他のアルコールを含有しない飲料」を指定商品として、平成21年12月10日に登録査定、同22年1月15日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第818419号商標(以下「引用商標1」という。)は、「PEPTOPRO」の文字を横書きしてなり、2003年10月27日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)1月8日に国際商標登録出願、第29類「Protein for human consumption.」及び第32類「Mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」を指定商品として、平成17年4月8日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく国際登録第844882号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、2004年10月14日にBeneluxにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2004年(平成16年)12月17日に国際商標登録出願、第29類「Proteins for human consumption.」及び第32類「Mineral and aerated waters and other non-alcoholic drinks; fruit drinks and fruit juices; syrups and other preparations for making beverages.」を指定商品として、平成18年1月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第5088205号商標(以下「引用商標3」という。)は、「ペプトプロ」の文字を標準文字により表してなり、平成19年4月2日に登録出願、第1類「食品工業及び製薬工業用の化学剤及び生化学製剤,食品保存用化学剤及び生化学製剤,その他の化学品」、第29類「食用たんぱく,たんぱく質を主成分とする錠剤状・粒状・タブレット状・カプセル状・ソフトカプセル状・粉末状・顆粒状・液状・ペースト状・ジェル状・ゼリー状の加工食品」及び第32類「鉱泉水,炭酸水,スポーツ用の清涼飲料,エネルギー飲料,その他の清涼飲料,シロップ,その他の飲料製造用の調製品,果実飲料,その他のアルコールを含まない飲料」を指定商品として平成19年11月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
以下、引用商標1ないし3を総称するときは、単に「引用商標」という。
3 登録異議申立ての理由の要点
(1)本件商標と引用商標とは、欧文字の語頭部分「PEPTO」又は片仮名文字の語頭部分「ペプト」を共通にするものであるから、外観上及び称呼上類似するものであり、また、両者の指定商品も抵触するものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)引用商標は、我が国において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として取引者・需要者の間に広く認識されているものであり、引用商標と類似する本件商標が、申立人の業務に係る商品と密接な関係を有するその指定商品に使用された場合には、該商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがある。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(3)よって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録を取り消すべきものである。
4 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、それぞれの構成文字に相応して、本件商標は、「ペプトラン」の称呼を生じ、引用商標1及び3は、「ペプトプロ」の称呼を生ずるものといえる。また、引用商標2は、別掲のとおり、文字と図形の組合せからなるところ、該文字と該図形が常に不可分一体のものとしてのみ認識されるべき格別の理由は見出し難いところであるから、中央に顕著に表された読み易い「PeptoPro」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に資される場合が少なくないというべきであり、「ペプトプロ」の称呼を生ずるものといえる。
しかして、本件商標から生ずる「ペプトラン」の称呼と引用商標から生ずる「ペプトプロ」とは、5音中の後半2音の「ラン」と「プロ」とが異なり、しかも相違する2音はいずれも子音、母音、調音方法等を異にする異質の音であるため、これらの差異は、それ程冗長ではない全体構成に及ぼす影響は大きく、それぞれを一連に称呼するときは全体の音感・音調が明らかに異なり、明瞭に区別することができるものである。
また、本件商標は、片仮名文字と欧文字の二段書きからなるのに対し、引用商標1は欧文字、引用商標3は片仮名文字のみからなるものであり、引用商標2は欧文字と図形との組合せからなるものであるから、外観上明らかに相違するものであり、本件商標の片仮名文字部分又は欧文字部分のみをそれぞれ引用商標と対比してみても、綴り字の相違により外観上判然と区別することができるものである。
さらに、本件商標と引用商標とは、いずれも既成の親しまれた観念を有する成語又は図形を表したものとはいえないから、観念上両者を比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、称呼、外観及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
(ア)申立人は、引用商標が申立人の主力ブランドの一つとして、その指定商品について周知・著名となっている旨主張し、証拠(甲第8号証ないし甲第14号証)を提出しているので、該証拠について検討する。
甲第8号証は、申立人に関する新聞記事の写しとのことであるが、何の新聞であるのか不明であるばかりでなく、発行日も明らかでないし、その記事内容にしても、引用商標については一切記載されていない。
甲第9号証はオランダ大使館のウェブサイトの写しであり、甲第10号証は我が国外務省のウェブサイトの写しであり、甲第11号証は「海外の環境報告書」と題するウェブサイトの写しであることが認められるものの、いずれにも引用商標は一切記載されていない。
甲第12号証は、申立人と日本企業の関係に関する記事(ホームページの写し)とのことであるが、これは「DSM−日本企業の最高のパートナー」と題する一枚の書面であり、その発行者、発行日が明らかでないばかりでなく、その内容にしても、申立人の事業内容等を紹介するものであって、引用商標については一切記載されていない。
甲第13号証及び甲第14号証は、インターネットの検索サイト「Google」による検索結果の抜粋写しと認められるところ、確かに「PeptoPro」の語を含む記事が相当数ヒットすることが認められるものの、その多くは英文による記述であるばかりでなく、引用商標の使用態様、使用方法等具体的な使用状態は一切不明である。また、該記述中にも引用商標を使用した商品についての宣伝広告の期間・地域・規模・媒体等や販売の期間、売上高、市場占有率等を具体的に示すものはない。
(イ)そうすると、申立人の提出に係る上記証拠によっては、引用商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時に、我が国において申立人の業務に係る商品を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されるに至っていたものと認めることはできない。
その他、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者・需要者の間に広く認識されていることを認めるに足る証拠はない。
(ウ)そして、本件商標と引用商標とは、類似するところのない別異のものであることは上記(1)のとおりである。
(エ)かかる事情の下において、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者・需要者が引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはなく、該商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同するおそれはないものというべきである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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