Trademark Appeal Case
品質表示と商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−9744(T2009−9744/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、四角形内に「スピードハンドル」の片仮名を横書きしてなり、第8類「手動工具」を指定商品として、平成20年5月12日に登録出願されたものである。
第2 原査定の拒絶の理由の要旨
原査定は、「本願商標は、ありふれた四角の枠の中に『スピードハンドル』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、本願指定商品との関係において、『スピードハンドル』の文字は『早回しに適したハンドル』程度の意に通ずる語として認識され、商品名の一部等に広く使用されている語であることから、本願商標をその指定商品中の前記文字に照応する商品(例えば『早回しに適したソケットレンチ用ハンドル』)に使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が上記意味合いを表示したものと理解するにすぎず、本願商標は、単に商品の品質(内容、機能)を表わしたものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
第3 当審における証拠調べ通知
本願商標の「スピードハンドル」及びその構成中の「スピード」及び「ハンドル」の各語に関して、以下の事実が認められる。
1.辞書における記載
(1)「スピード」の語に関し、
「はやさ。速力。速度。また、はやいこと。『―を上げる』『―写真』」の記載、及び「スピード」の語を冠した熟語として、「スピード‐アップ【speed-up】」、「スピード‐ウェー【speedway】」、「スピード‐かん【スピード感】」、「スピード‐ガン【speed gun】」、「スピード‐スケート【speed skating】」、「スピード‐スプレーヤー【speed sprayer】」、「スピード‐ダウン」、「スピード‐ボール」、「スピード‐メーター【speedometer】」の記載(株式会社岩波書店発行「広辞苑」第六版)。
(2)「ハンドル」の語に関し、
「1.とって。把手。2.手で機械を操作するための握り。特に、自動車・自転車などの方向操縦用のもの。『―を握る』『―を切る』」との記載(前掲「広辞苑」)。
2.インターネットにおける記載
(1)水戸工機株式会社(MITOLOY)のサイト(http://www.mitotool.com/inpage.htm)内の「Products Infomation」には、「T型スピードハンドル!-便利な早廻パイプ付-先端にソケットを取付けて使用します。早廻しパイプ付なので効率UP!」」との記載があり、リンク先のページ(PDF)には「T型スピードハンドル」の特長として「早廻しパイプ付」及び「作業効率アップにつながります」との記載がある(別掲1)。
(2)メカトロネット(MekatoroNET)のサイト(http://www.mekatoro.net/)内の「アームハンドル|(株)小西製作所|価格・形式・仕様・資料請求|メカトロパーツ|自動省力化機器総合カタログ|メカトロネット」(http://www.mekatoro.net/mechatro_parts/vol3/pdf/P06-128.html)には、「SH型スピードハンドル」の記載がある(別掲2)。
(3)株式会社イマオコーポレーションのサイト(http://www.imao.co.jp/)内の「機工カタログPDF・CADデータ検索」では、「スピードハンドル」の商品の記載がある(別掲3)。
(4)株式会社山下工業研究所に係るのサイト(http://www.koken-tool.co.jp/imgs/panflets/KOKEN200906.pdf)には、「フレックススピーダー」の見出しと共に、「早廻し時にはストレート状態でスピードハンドルとして。」の記載がある(別掲4)。
(5)ウェビックツールズのサイト(http://tools.webike.net/bm/8000800936458929/?utm_source=t1top&utm_medium=banner&utm_content=logolink&utm_campaign=koken)には、「スピードハンドル」の商品の記載がある(別掲5)。
第4 請求人の意見の要旨
請求人は、前記第3の証拠調べ通知に対して、指定した期間内に何ら意見を述べていない。
第5 当審の判断
本願商標は、前記第1のとおり、ありふれた図形の一つと認められる四角形内に「スピードハンドル」の文字を書してなるものである。
そして、「スピードハンドル」及びその構成中の「スピード」及び「ハンドル」の各語に関しては、前記第3のとおり、平成22年6月15日付けの証拠調べ通知書により通知したとおりであるから、「スピードハンドル」の語は、手動工具の業界においては、「ボルト・ナットの締め付けが早く回せるように、手で機械を操作するための握り」、つまり、「早回しができる取っ手」程の意味合いの語として広く知られ、かつ、普通に使用されているといえるものである。
そうすると、ありふれた四角形内に何ら特徴のない態様で「スピードハンドル」の文字を普通に用いられる方法で表してなるにすぎない本願商標は、これをその指定商品中の「早回しができる手動工具」について使用しても、単に商品の品質、効能等を表示したものとして認識し理解されるに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
また、本願商標を上記商品以外の「手動工具」に使用するときは、該商品が恰も「早回しができる手動工具」であるかの如く、商品の品質の誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当し、登録することはできない。
なお、原査定は、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定しているが、同法第3条第1項は、自他商品・役務の識別力についての登録要件に関する条項であって、同項第6号は、同項各号の総括的規定と解されるものであるから、当審において、本願商標は、同法第3条第1項第6号に該当すると判断しても、請求人には、既に意見(自他商品の識別力の有無について)を述べる機会が与えられているので、あらためて拒絶の理由を通知することなく判断した。
よって、結論のとおり審決する。
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