sokuhyo

Trademark Appeal Case

略称の品質誤認と商標取消

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91043号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4261705号商標の指定商品中「農業用ポリオレフィンフィルム及び農業用ポリオレフィン系特殊フィルム以外の農業用プラスチックフィルム」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4261705号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年3月19日に登録出願され、別記のとおりの構成よりなり、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年4月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

本件商標は、その構成中の「農PO」の文字が「農業用ポリオレフィンフィルム」を意味する用語として容易に理解されるものである。さらに、「農PO」の用語は、すでに「農業用ポリオレフィンフィルム」の通称又は略称として農業用資材を取り扱う業界において広く一般的に使用されていることは顕著な事実である。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号に該当し、その登録は取り消されるべきものである。

3 本件商標に対する取消理由

本件商標は、別記に示すとおりの構成よりなり、第17類「農業用プラスチックフィルム」を指定商品とするものであるところ、登録異議申立人が提出した甲号各証によれば、農業用資材を取り扱う業界においては、「農」の文字は、農業用を意味する語として、また、「PO」の文字は、ポリオレフィンの略語として、いずれも広く知られており、これを結合した「農PO」の語も「農業用ポリオレフィンフィルム」の通称又は略称として広く一般的に使用されている事実を認めることができる。

してみれば、本件商標は、その構成中に「農PO」の文字を有してなるものであるから、これをその指定商品中の「農業用ポリオレフィンフィルム」以外の農業用プラスチックフィルムについて使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本件商標は、その指定商品中の表記商品について、商標法第4条第1項第16号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見の要旨

本件商標の指定商品である「農業用プラスチックフィルム」には、「農業用ポリオレフィンフィルム以外の農業用プラスチックフィルム」が含まれていることは認められる。ところで、本件商標構成中の「PO」の文字が表す「ポリオレフィン」は、代表的には、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられ、広義にはエチレン‐酢酸ビニル共重合体も含まれる。これら「ポリオレフィン」の中では、農業用樹脂フィルム用途として、ポリエチレンやエチレン‐酢酸ビニル共重合体がそれぞれ農業用ポリエチレン樹脂フィルム、農業用エチレン酢酸ビニル樹脂フィルムとして使用されているが、「ポリエチレン」を使用した農業用樹脂フィルムには、これら以外にも、エチレン‐酢酸ビニル共重合体を2層以上に積層したり、ポリエチレンとエチレン‐酢酸ビニル共重合体とを適宜積層すること等によって構成された積層体フィルムも存在し、使用されている。してみると、「農業用プラスチックフィルム」の中には、上記「農業用ポリオレフィンフィルム」以外にも、「ポリオレフィン」を使用した農業用樹脂フィルムとして「農業用ポリオレフィン系特殊フィルム」が含まれているから、本件商標はその指定商品中の「農業用ポリオレフィンフィルム」のみならず、「農業用ポリオレフィン系特殊フィルム」についても品質の誤認を生じさせるおそれはない。

5 当審の判断

本件商標を構成する「PO」の文字は、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテンなどの比較的かんたんなオレフィン類の単独重合体あるいは共重合体を総称しての「ポリオレフィン」の略号であり(甲第2号証 実用包装用語辞典 包装用語調査研究会編)、また、「農PO」の語が「農業用ポリオレフィン系フィルム」として本件指定商品を扱う取引者、需要者間で使用されていることが認められる。してみれば、本件商標をその指定商品中「農業用ポリオレフィンフィルム」、「農業用ポリオレフィンフィルム系特殊フィルム」以外の「農業用プラスチックフィルム」に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるものと認められる。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものであるから指定商品中「農業用ポリオレフィンフィルム及び農業用ポリオレフィンフィルム系特殊フィルム」以外の「農業用プラスチックフィルム」については、その登録を取り消すべきであり、その余の商品については登録を維持する。

よって、商標法第43条の3第2項および第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。