結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300992(T2009−300992/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4129957号商標(以下「本件商標」という。)は、「InfoTera」の欧文字を書してなり、平成8年6月5日に登録出願、第42類「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機及び電子計算機用プログラムに関する情報の提供,電子計算機及び電子計算機用のプログラムの設計・作成又は保守に関する助言, 電子計算機を使用する各種情報処理システムの設計・作成又は保守,電子計算機を使用する各種情報処理システムの設計・作成又は保守に関する助言」を指定役務として、平成10年3月27日に設定登録され、平成19年10月23日に商標権の存続期間の更新登録がなされたものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件商標は、継続して3年以上日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定役務について使用された事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により、その登録は取消されるべきものである。
(1)答弁の趣旨
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。
(2)答弁の理由
ア 本件商標の使用について
被請求人は、本件商標を、同人が企業又は個人向けに提供する「インターネット接続サービス」又はそのアプリケーションサービスに1996年10月以降使用してきている(但し、個人向け「インターネット接続サービス」は2007年1月31日をもってその提供が廃止された)。この「インターネット接続サービス」等は、顧客においてインターネットを利用してメールの送受信やホームページの情報発信を可能とするものであるが、このサービス提供の一環として、顧客のニーズに合わせてインターネットを利用したサービス(例えば、「合否照会サービス」)を提供するとともにそのためのシステムの設計・開発・構築からシステムの運用・監視・保守サービスまで総合的なインターネット関連サービスを提供してきている。このシステムの設計・開発・構築、システムの運用・監視・保守サービスは、本件商標の指定役務中「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守、電子計算機を用いて行う情報処理」に含まれることは明らかである。また、顧客がインターネットを利用して情報発信する際に情報保管するサーバ(「ラック」ともいう。)も貸与しており、これも指定役務中の「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」に含まれるものである。
イ 証拠方法について
(ア)1996年10月に本件商標にかかる役務の提供を開始した旨の記載がある「富士通アドバンストソリューションズ」の沿革紹介記事(乙第1号証)
(イ)被請求人のウェブサイトを通じて配信している「InfoTeraサービス」のカタログ(乙第2号証)
(ウ)「InfoTeraインターネットサービス」カタログ(乙第3号証)
(エ)顧客との商談に際し使用するプレゼンテーション資料「InfoTeraインターネットサービス」(乙第4号証)
(オ)顧客との商談に際しサービスの具体的内容・費用を示す「InfoTeraハウジングサービスメニュー(詳細)」資料(乙第5号証)
(カ)西武学園文理中学高等学校との平成20年11月4日付け「サービス契約書」写し(乙第6号証)
ウ 上記各証拠中乙第2号証及び乙第3号証には、本件商標の各文字に色彩を施したロゴが表示されているが、黒文字で表記された本件商標とは色は異なるも、色を施した「InfoTera」の文字構成は明確に判別でき、かつ、「インフォテラ」の称呼に変更あるものでもなく、本件商標と社会通念上同一のものである。
エ 乙第2号証は、2009年11月17日にウェブサイトから打ち出した資料ではあるが、他の上記乙第1号証他の証拠からすればこの日までに継続的に使用されてきたことは明らかであり、本件審判請求の予告前に被請求人のウェブサイトに掲載されていることも合理的に推認できるものである。また、かかる使用の態様は、商標法第2条第3項第8号にいう「役務に関する広告その他の取引書類を内容とする情報を電磁的方法により提供する行為」に該当し、乙第3号証以下の取引書類における使用とともに、標章についての「使用」に該当することは明らかである。
オ 被請求人が提供する役務の内容について補足すれば、乙第2号証及び乙第4号証には、サービス内容として、ラック(即ち、サーバー)の提供、システム構築、セキュリティ監視などが案内されており、これらは、それぞれ「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」、「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」、「電子計算機を用いて行う情報処理」に含まれるものである。
カ 乙第2号証ないし乙第5号証には本件商標の下で提供しうる「インターネット接続サービス」自体の役務の概要が紹介されているが、乙第6号証は、被請求人が実際に本件商標の下で「インターネット接続サービス」の一種の応用形態である「合否照会ASPサービス」(乙第4号証参照)を提供していることを示す、顧客たる西武学園文理中学高等学校との「サービス契約書」の写しである。この乙第6号証の契約書(写)には、契約の対象たるサービス名は「合否照会ASPサービス(高校対応)(平成20年度分)」と記載されているも、契約書に添付の「実施確認書」には、「InfoTeraデータセンタ」を通じて顧客学校の各受験者との「合否照会ASPサービス」が運用されることが記載(「実施確認書」最終ページ参照)されており、「InfoTera」なる商標の下当該サービスが提供されていることは明らかである。この顧客学校との当該サービスの具体的内容は、契約書添付の「実施確認書」に記載(「1.3 作業分担」の項参照)されているとおり「InfoTeraデータセンタ」を使用してのインターネットや携帯端末を通じた「合否照会」サービスの一環として、合否照会システムの監視・ファイアウォールの設定・メンテナンス等も提供されており、これらが本件商標の指定役務である「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク.磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」、「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」又は「電子計算機を用いて行う情報処理」に含まれることは疑いない。
(3)むすび
以上のとおり、本件商標が、本件審判の取消請求に係る役務中「電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与」、「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守」又は「電子計算機を用いて行う情報処理」について審判請求の予告登録前3年以内に被請求人たる商標権者によって使用されていた。
よって、答弁の趣旨どおりの審決を求める。
(1)乙各号証によれば、本件商標の使用に関して、以下の事実が認められる。
乙第1号証は、平成21年11月13日にプリントアウトした日付のある被請求人(商標権者)の沿革を紹介する同人のウェブサイトであり、「1996年10月/FSSインターネット接続サービス(InfoTera)を開始」の記載がある。
乙第2号証は、平成21年11月17日にプリントアウトした日付のある被請求人の業務を紹介する同人のウェブサイトであり、「InfoTeraサービス/(インターネット接続サービス)」の見出しのもと、サービス提供の概念図中に、「InfoTera」の文字が使用され、「InfoTeraは、インターネット各種サービスのアウトソーシング業務を行っています。サーバの提供から、回線・セキュリティ・保守・監視・サポート・ラック提供まで、様々なサービスを用意しています。」の記載がある。
乙第3号証は、被請求人が2001年に作成した「InfoTera/(インフォテラ)/インターネットサービス」と題するカタログであり、「Server Rental Service」の項目では、「InfoTeraではお手軽なバーチャルドメインサービスから本格的な専用サーバまで、様々な情報発信方法をご用意しています。」として、「専用サーバレンタルサービス(情報発信)」について「InfoTera内にお客様専用のwwwサーバを設置します。お客様のご要望に合ったシステムを構築することができます。システム設定から構築、運用、メンテナンスまで弊社におまかせ下さい。」の記載がある。
乙第4号証は、被請求人による2006(平成18)年6月の「InfoTera インターネットサービス/第1.0版」と題するプレゼンテーション資料とされるものである。「InfoTera インターネットサービス」の項目には、「InfoTeraでは、インターネット各種サービスのアウトソーシング業務を行っています。万全なセキュリティ対策を施し、設計・開発・構築から監視・運用・保守サービスまでを提供します。」の記載がある。また、「サービス詳細」の項目には、「1.IDCサービス」及び「2.合否照会ASPサービス」についての記載がある。
乙第5号証は、「2008/4/1現在」と記載のある「InfoTeraハウジングサービスメニュー(詳細)」の一覧表であり、「サービス名」として、スペースリソース(ラック提供型)、・・・システムリソース(システム構築)などについての記載がある。
乙第6号証は、契約日を平成20年11月4日とする被請求人と西武学園文理中学高等学校による「サービス契約書」(写)である。「契約の要綱」の「1 サービス名」には、「合否照会ASPサービス(高校対応)(平成20年度分)」の記載がある。同契約の「実施確認書」は、サービス期間を平成20年12月15日から同21年3月31日としており、業務処理メニューとして、「1 合否照会アプリケーション」「2 合否情報登録アプリケーション」及び「3 携帯電話コンテンツ提供サービス」が記載されている。さらに、作業分担として、基本運用の運用管理、システム運用、利用者管理などの作業区分があり、ほぼ全て被請求人が主担当とされている。そして、「1.5その他のサービスにおいて特に定める事項」において、「・InfoTera(データセンタ)の信頼性について」などの記載がある。
以上の事実によれば、被請求人は、1996(平成8)年10月ころから「インターネット接続サービース」に本件商標の使用を開始し、インターネットを利用した各種サービスのアウトソーシング業務を行っているといえるものである。
被請求人による「InfoTera インターネットサービース」は、特徴として、サーバーの提供から、回線・セキュリティ・保守・監視・サポート・ラック・ASPサービスを提供しており、その設計・開発・構築から運用メンテまで、トータルでサービスを提供している。また、合否照会ASPサービスを提供しており、システム運用は、被請求人のデータセンタ内で代行している。(乙第1号証ないし乙第4号証)
そして、合否照会ASPサービスについては、平成20年12月15日から平成21年3月31日まで西武学園文理中学高等学校に提供されており、その「実施確認書」において、「InfoTera」の文字が認められるものである(乙第6号証)。
してみれば、前記した被請求人の提供するサービスは、本件取消請求に係る指定役務「電子計算機用プログラムの設計・作成又は保守,電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む。)の貸与,電子計算機を用いて行う情報処理,電子計算機を使用する各種情報処理システムの設計・作成又は保守」に包含される役務である。
また、被請求人による本件商標の前記使用は、本件審判請求の登録日である平成21(2009)年9月16日前3年以内に我が国においてなされているものである。
一方、請求人は、前記3の被請求人の答弁に対し、何ら弁駁するところがない。
したがって、被請求人は、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者がその請求に係る上記指定役務の範ちゅうに属する役務について、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることができる。
(2)結論
以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すべきではない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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