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Trademark Appeal Case

品質表示の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−15546(T2010−15546/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「うなぎせんべい」の文字を標準文字で表してなり、第30類に属する「せんべい」を指定商品として、平成21年4月17日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『うなぎせんべい』の文字を標準文字で書してなるところ、近年、『海老せんべい』、『小魚せんべい』、『タコせんべい』のごとく『えび、小魚、タコ』等のいろいろな食材をせんべいの原材料として使用した商品が製造、販売されている実情がある。そして、『うなぎせんべい』等と称する『うなぎを原材料に使用した商品』も製造、販売されている。そうとすれば、本願商標をその指定商品に使用しても、『うなぎを原材料として使用したせんべい』の意味合いを容易に理解、認識させるものであり、単に商品の品質、原材料を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、上記1のとおり、「うなぎせんべい」の文字を標準文字で表してなるところ、本願商標を構成する「うなぎ」の文字は、「ウナギ科の硬骨魚の総称、またはその1種。細い棒状。・・・また養殖も浜名湖など東海および四国・九州で盛ん。蒲焼として珍重、特に土用の丑の日に賞味する。」(広辞苑 第六版)を意味し、一般に広く親しまれた魚を表す語であり、「せんべい」の文字は、「塩煎餅のこと。干菓子の一種。・・・古来、大衆的な菓子として好まれ種類も多い。米菓。おせん。」(広辞苑 第六版)を意味し、一般に広く親しまれた和菓子を表す語である。

また、本願指定商品を取り扱う業界においては、原審説示のとおり、「えびせんべい」桂新堂株式会社(http://www.keishindo.co.jp/sakuhin/daihyou/ebihime/ebihime.html)、「たこせんべい」株式会社お茶村(http://ochamura.com/takosen)、「いかせんべい」大成堂製菓(http://www.taiseidou.jp/shopping/shina.html)、「小魚せんべい」ピジョン株式会社(http://pigeon.info/products/item/index-189.html)等のように水産物を原材料としたせんべいが、製造・販売されている実情がある。

なお、上記実情は、以下の記事からも伺うことができる。

(1)愛知県幡豆郡一色町のホームページ(http://www.town.isshiki.lg.jp/ebisenbei/)には、一色町とその周辺市町における、「えびせんべい」の生産状況などが紹介されている。

(2)神奈川県茅ヶ崎市のホームページ(http://www.city.chigasaki.kanagawa.jp/kankou/8135/003911.html)には、市の名産品として「タコせんべい」が紹介されている。

(3)岩手県宮古市のホームページ(http://www.city.miyako.iwate.jp/cb/hpc/Article-1722.html)には、市の特産品として「いかせんべい」が紹介されている。

(4)日本経済新聞(1993年11月27日付け夕刊3ページ)には、「うなぎせんべい発売(ふるさと産品ダイジェスト)」の見出しのもと「〈静岡〉喜楽堂本舗(浜松市)は、『うなぎ煎餅(せんべい)』=写真=の販売を始めた。鰻(うなぎ)産地、浜松では鰻パイなど鰻に関連した菓子がいくつか売られているが、せんべいにしたのは初めて。JR浜松駅のキヨスクなどで予想以上の売れ行きをみせている。箱詰めで16枚入りが1000円、24枚入りが1500円。1年前から浜松の新しい土産品にと商品化を進めていた。・・・」との記事が掲載されている。

以上からすれば、本願商標「うなぎせんべい」を指定商品「せんべい」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、構成中の「うなぎ」の文字は、せんべいの原材料名を表したものとして容易に理解させ、全体として「うなぎを原材料として使用したせんべい」であることを認識させるにとどまるものというのが相当である。

したがって、本願商標は、指定商品の品質・原材料を直接的に表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。また、これを上記に照応する商品以外の商品に使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるといわなければならない。

なお、請求人は本願商標を構成する「うなぎ」の文字は、自他商品の識別標識として機能するとして、原審説示の「たこせんべい」などとは異なる判断がされるべきであると主張し、甲第1号証ないし第6号証を提出する。

しかしながら、「うなぎ」の文字が菓子や菓子の小売といった商品・役務について、商標登録が認められているとしても、本願商標が、自他商品識別標識としての機能を果たすものであるか否かは、本願商標自体の具体的な構成とその指定商品との関係から、審決時において、指定商品の取引の実情等を考慮して個別具体的に判断されるべきものであって、請求人の商標登録のの存在によって、判断が左右されるものではないから、請求人の主張は採用することができない。

してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。

よって、結論のとおり審決する。

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