Trademark Appeal Case
ふくや称呼の類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−17189(T2009−17189/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成からなり、第29類、第30類、第35類及び第43類に属する願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成20年11月29日に登録出願され、その後、指定商品及び指定役務については、原審における平成21年6月15日付け及び当審における同年9月15日付けの手続補正書により、第29類「肉又は野菜を主材とする惣菜,卵を主材とする惣菜,油揚げを主材とする惣菜,豆腐を主材とする惣菜,こんにゃくを主材とする惣菜,レトルトパウチされたカレー・シチュー・パスタソース及びその他のカレー・シチュー又はスープのもと,レトルトパウチされた丼の具」及び第43類「弁当料理の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)ないし(8)のとおりである。
(1)登録第2529468号商標(以下「引用商標1」という。)は、「ふくや」、「明太子」及び「レッドキャビア」の文字を三段に表してなり、平成元年11月7日に登録出願され、第32類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年4月28日に設定登録され、その後、平成16年8月25日に指定商品を第29類「明太子」とする書換登録がされたものであり、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第3079593号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成4年7月29日に登録出願され、第42類「定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの),アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供,茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,衣服の貸与,建築物の設計」を指定役務として、平成7年10月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第3079594号商標(以下「引用商標3」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成4年7月29日に登録出願され、第42類「定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの),アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供,茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,衣服の貸与,建築物の設計」を指定役務として、平成7年10月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第3120830号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲4のとおりの構成からなり、平成4年7月29日に登録出願され、第42類「定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの),アルコ―ル飲料を主とする飲食物の提供,茶・コ―ヒ―・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供,衣服の貸与,建築物の設計」を指定役務として、平成8年2月29日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
(5)登録第4503069号商標(以下「引用商標5」という。)は、別掲5のとおりの構成からなり、平成12年10月3日に登録出願され、第29類「明太子」を指定商品として、平成13年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(6)登録第4503070号商標(以下「引用商標6」という。)は、別掲6のとおりの構成からなり、平成12年10月3日に登録出願され、第29類「明太子」を指定商品として、平成13年8月31日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(7)登録第4962379号商標(以下「引用商標7」という。)は、「福屋」の文字を標準文字で表してなり、平成17年10月14日に登録出願され、第30類「調味料,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,香辛料,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,コーヒー豆,穀物の加工品,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,即席菓子のもと,酒かす,米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン」を指定商品として、平成18年6月16日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(8)登録第5192754号商標(以下「引用商標8」という。)は、別掲7のとおりの構成からなり、平成19年5月9日に登録出願され、第35類「飲食料品(ただし「日本酒・ビール・洋酒・果実酒・中国酒・薬味酒・茶・コーヒー及びココア・清涼飲料・果実飲料・氷・甘酒・菓子及びパン・調味料・香辛料・乳幼児用粉乳・乳製品・アイスクリームのもと・シャーベットのもと・乳清飲料・コーヒー豆・明太子・肉製品・加工水産物(「かつお節・寒天・削り節・食用魚粉・とろろ昆布・干しのり・干しひじき・干しわかめ・焼きのり」を除く。)・穀物の加工品・梅の漬物・梅干し・加工野菜及び加工果実・アーモンドペースト・コプラ・飲料用野菜ジュース・イーストパウダー・こうじ・酵母・ベーキングパウダー・即席菓子のもと・酒かす・工業用粉類・豆・米・脱穀済みのえん麦・脱穀済みの大麦・食用粉類・あわ・きび・ごま・そば・とうもろこし・ひえ・麦・籾米・もろこし」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,薬剤及び医療補助品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,農耕用品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,電気機械器具類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,手動利器・手動工具及び金具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,台所用品・清掃用具及び洗濯用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品(ただし「布製身の回り品・ガーター・靴下止め・ズボンつり・バンド・ベルト・腕止め・金属製バックル・身飾り品(「カフスボタン」を除く。)・衣服用き章(貴金属製のものを除く。)・衣服用バッジ(貴金属製のものを除く。)・衣服用バックル・衣服用ブローチ・帯留・ボンネットピン(貴金属製のものを除く。)・ワッペン・腕章・頭飾品・カフスボタン・ボタン類・貴金属製コンパクト・つけづめ・つけまつ毛・ひげそり用具入れ・ペディキュアセット・まつ毛カール器・マニキュアセット・耳かき・携帯用化粧道具入れ・化粧用具(「電気式歯ブラシ」を除く。)・つけあごひげ・つけ口ひげ・ヘアカーラー(電気式のものを除く。)・傘・つえ用金属製石突き・ステッキ・つえ・つえ金具・つえの柄」を除く。)の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,印刷物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,たばこ及び喫煙用具の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成20年12月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。(以下、一括していうときは「引用商標」という。)
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲1のとおり、段違いに表した茶色又は朱色の正方形内に、左から「冨」、「久」、「や」の文字を、一文字づつ白抜き文字で表した構成からなるところ、その構成文字に相応して「トミヒサヤ」又は「フクヤ」の称呼を生ずるものである。
ところで、請求人のウェブサイト(http://www.fukuya-bentou.co.jp/management.html)によれば、「冨久や」の文字が「FUKUYA」の欧文字と共に使用されている事実が認められる。
してみれば、本願商標は、「冨久や」の文字に相応して「フクヤ」の称呼をもって取引に資する場合も少なくないというべきである。
また、本願商標の構成中「冨」の文字が「とみ。たくさんの財産。また、豊かさ。」、「久」の文字が「長く時がたっているさま。」(「漢字源」学習研究社発行)を意味する語であるとしても、その構成全体として特定の観念を直ちに想起させるものとはいい難いものであるから、一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
(2)引用商標について
ア 引用商標1は、「ふくや」の平仮名文字と「明太子」の文字と「レッドキャビア」の片仮名文字を三段に表してなるところ、かかる構成にあっては、各文字部分は、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものである。
そして、「明太子」及び「レッドキャビア」の文字部分は、指定商品との関係において、自他商品識別力がないか、極めて弱い部分であるといい得るものであるから、「ふくや」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
してみれば、引用商標1は、「ふくや」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
イ 引用商標2は、別掲2のとおり、「F」の文字部分にかかるように楕円形状の図形を配した「Fukuya」の欧文字からなるところ、「Fukuya」の文字部分に相応して、「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
ウ 引用商標3は、別掲3のとおり、中央に大きく書した「F」の文字にかかるように楕円形状の図形を配し、該文字の下に「Fukuya」の欧文字を横書きした構成からなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分とび各文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
してみれば、引用商標3は、「Fukuya」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
エ 引用商標4は、別掲4のとおり、図形とその右側に「福屋」の文字を配した構成からなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分と文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そして、引用商標4の構成中「福屋」の文字部分は、「福」の文字が「さいわい。しあわせ。幸運。」、「屋」の文字が「その職業の家またはその人を表す語。」(広辞苑 第六版)を意味する語であることから、全体として「幸せな店」程の観念を生ずるものである。
してみれば、引用商標4は、「福屋」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、「幸せな店」程の観念を生ずるものとみるのが相当である。
オ 引用商標5は、別掲5のとおり、「博多中州」の文字とその右側に緑色とオレンジ色で書された「f」と思しき文字を二つ重ねた図形及び、その右に「味の明太子」及び「ふくや」の文字を上下二段に配した構成からなるところ、かかる構成にあっては、該図形部分と各文字部分とは、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものである。
そして、「博多中州」の文字部分は地名であり、「味の明太子」の文字部分は、指定商品との関係において、自他商品識別力がないか、極めて弱い部分であるといい得るものであるから、「ふくや」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
してみれば、引用商標5は、顕著に書された「ふくや」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
カ 引用商標6は、別掲6のとおり、中心に大きく縦書きで「味の明太子」の文字とその右側に縦書きで「昭和二十四年一月十日扶桑創製」の文字、「味の明太子」の文字の左下に赤色で「博多中州ふくや謹製」の印章を表してなるところ、かかる構成にあっては、該印章及び各文字部分は、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものである。
そして、「昭和二十四年一月十日扶桑創製」の文字部分は年月日及び製造元を表すものであり、「味の明太子」の文字部分は、指定商品との関係において、自他商品識別力がないか、極めて弱い部分であるといい得るものである。
そうとすれば、印章部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そして、「博多中州ふくや謹製」の印章中、「博多中州」の文字部分は、前記したとおり地名であり、「謹製」の文字部分は「つつしんで製造すること。また、その製品。」(前掲「広辞苑 第六版」)を意味する語であることから、指定商品との関係においては、自他商品識別力がないか、極めて弱い部分であるといい得るものである。
そうとすれば、「ふくや」の文字部分が独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
してみれば、引用商標6は、「ふくや」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
キ 引用商標7は、「福屋」の文字を書してなるところ、「福」の文字が「さいわい。しあわせ。幸運。」、「屋」の文字が「その職業の家またはその人を表す語。」(前掲「広辞苑 第六版」)を意味する語であることから、全体として「幸せな店」程の観念を生ずるものである。
してみれば、引用商標7は、その構成文字に相応して、「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、「幸せな店」程の観念を生ずるものとみるのが相当である。
ク 引用商標8は、別掲8のとおり、図形と、その右横に、「ファミリースーパー」及び「フクヤ」の片仮名文字を上下二段に表してなるところ、かかる構成にあっては、該図形及び各文字部分は、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情も見出せないものである。
そして、「ファミリースーパー」の文字部分は、小売業の一業態を示す「スーパーマーケット」に類する語であると容易に理解されるものであるから、指定役務との関係においては、自他役務識別力がないか、極めて弱い部分であるといい得るものである。
そうとすれば、図形及び「フクヤ」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
してみれば、引用商標8は、顕著に書された「フクヤ」の文字部分に相応して「フクヤ」の称呼が生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
(3)本願商標と引用商標との類否について
本願商標と引用商標1ないし3、5、6、8は、それぞれの構成に照らし外観上判然と区別し得る差異を有し、観念については、両者が特定の意味合いを有しない一種の造語であることから比較することができないとしても、本願商標より生ずる「フクヤ」の称呼と引用商標1ないし3、5、6、8中「ふくや」、「Fukuya」及び「フクヤ」の各文字部分から生ずる「フクヤ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
また、本願商標と引用商標4及び7は、それぞれの構成に照らし外観上判然と区別し得る差異を有し、観念については、本願商標が特定の意味合いを有しない一種の造語であるのに対し、引用商標4及び7が「幸せな店」程の観念を生ずることから比較することができないとしても、本願商標より生ずる「フクヤ」の称呼と引用商標4及び7の「福屋」の文字から生ずる「フクヤ」の称呼を共通にする類似の商標といわなければならない。
以上よりすれば、本願商標と引用商標とは、それぞれの外観及び観念について考慮してもなお、「フクヤ」の称呼を共通にする類似の商標といわざるを得ず、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(4)請求人の主張について
請求人は、「本審判請求と同時に提出した手続補正書により、引用商標1ないし5及び7に基づく拒絶理由は解消した。」旨主張するが、本願の指定商品中、「肉又は野菜を主材とする惣菜」と、引用商標1、5及び6の指定商品「明太子」、引用商標7の指定商品中「アーモンドパウダー」とは、いまだ類似しているものであり、また、本願の指定役務「弁当料理の提供」と引用商標2、3及び4の指定役務中、「定食を主とする飲食物の提供(一般食堂が提供するもの、アルコール飲料を主とする飲食物の提供、茶、コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」とは、その提供に係る飲食物が相違するものであるとしても、共に「飲食物を提供する」ことを目的とした役務であり、その役務の手段、目的を同一にし、また、両役務の需要者等も一般大衆といえることから、需要者の範囲も一致するものである。
そして、業種も共に「飲食業」に該当するものであり、その業種も共通するものである。
してみれば、本願商標の指定商品及び役務と引用商標の指定商品及び指定役務は、類似の商品及び役務と判断できるものであるから、請求人の該主張を採用することはできない。
(5)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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