結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300505(T2009−300505/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2482340号商標(以下「本件商標」という。)は、「CASH AND CARRY」の欧文字を書してなり、平成2年2月20日に登録出願され、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成4年11月30日に設定登録されたものである。
その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については平成16年4月14日に、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」、第20類「クッション,座布団,まくら,マットレス」、第21類「家事用手袋」、第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」、第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」を指定商品とする書換登録がなされているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第3号証(なお、弁駁書と共に提出された「甲第1号証」は「甲第3号証」と読み替えた。)を提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中、第5類「失禁用おしめ」、第9類「事故防護用手袋,防じんマスク,防毒マスク,溶接マスク,防火被服」、第10類「医療用手袋」、第16類「紙製幼児用おしめ」、第17類「絶縁手袋」及び第22類「衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿」について継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者、通常使用権者のいずれもが使用した事実がないから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人は、答弁書において、請求に係る指定商品について使用している旨の主張をしているが、使用を証明したとはいえない。また、本件商標については商標権者である被請求人の使用を主張しているものと解する。
イ 被請求人は、以下の証拠により、昭和56年の創業以来、本件商標を指定商品に「使用」している旨を主張している。
(ア)乙第1号証には、「株式会社キャッシュアンドキャリー」が表示されているが、これは被請求人の商号を表示しているに過ぎない。したがって、商標の「使用」(商標法第2条第3項各号)には該当しない。
(イ)乙第2号証には、本件請求に係る指定商品中、第22類「全指定商品」に含有されるものと推察される商品に、本件商標が付されている。
しかしながら、乙第2号証の写真は、撮影対象物件名、撮影日時等を明記していないため、いったい何の商品を、いつ撮影したか全く不明である。特に、被請求人のウェブサイト(甲第3号証)をみると、現在、被請求人はほとんど営業実態がないものと推察され、被請求人が「Cash&Carry テキスタル」と呼んでいる乙第2号証に写っている商品が、被請求人の商品であるのかもわからない。したがって、この証拠からは、商標の「使用」とは認められない。のみならず、「3年以内」の証明があったものとも認められない。
ウ 以上のとおり、被請求人の答弁は、商標法第50条第2項の要件を満たすものではなく、本件請求の指定商品に係る商標登録は、取り消されるべきものである。
被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を以下のとおり述べ、平成21年9月3日付け手続補正書により、証拠方法として乙第1号及び第2号証を提出している。
(1)答弁の理由
当社(株式会社キャッシュアンドキャリー)は、昭和56年の創業以来、本日まで社名であるキャッシュアンドキャリー、CASH AND CARRYなどの名称を使用し、指定商品の卸売、小売をしている。また、TV、雑誌などメディアでの露出も多くあり、多くの業者、消費者に上記名に於いて広く認識されており、高い評価を得ている。
(2)審尋に対する回答
被請求人は、審尋に対する回答書に代わる上申書において、「平成22年6月8日付け審尋の回答書について、現在、資料を準備しているため、今暫く(提出の)時間を猶予願いたい」旨述べている。
被請求人は、本件商標を使用していることを証明する証拠として、乙第1号及び第2号証を提出しているが、いずれの取消請求に係る商品が、実際に取引されていたか判断することができない。
ついては、取消請求に係るいずれかの商品で、使用に係る商標が、明確に確認できる追加の証拠を提出されたい。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 乙第1号証は、港区西麻布在の「有限会社 カンチ」から「株式会社 キャッシュアンドキャリー」に宛てた「2007年11月15日」付け「納品書」とするところ、品名欄には手書き文字で「Cash&Carry テキスタル」、数量欄には「200m」、単価欄には「200」等の記載が認められる。
イ 乙第2号証は、上段に2葉、下段に1葉の計3葉の写真であるが、上段左側の写真には、上部に「〈1000〉Color Sample」の表題がある生地の色見本と思しきものであり、その右側の写真には、布の切れ端と思しきものの隅に、文字と思しきものが書された小片が貼付されているものである。
また、下段の写真には、布と思しきものに、上から下に読んで、「6点以上」、「全品正札より」、「90(0の中に「安いよ!!」の記載)」、「%OFF」の各表示が四段で併記され、また、その一部の隅を折り返した箇所には、文字と思しきものが書された小片が貼付されているものである。
なお、上記の写真には、撮影対象物件名、撮影日時等の表示はないから、いったい何の商品を、いつ撮影したか全く不明である。
(2)本件商標と使用商標との社会通念上の同一性について
前記(1)で認定した事実によれば、乙第1号証の「品名」欄には、手書き文字で「Cash&Carry テキスタル」と記載されているところ、その構成中前半部分の「Cash&Carry」の文字(以下「使用商標」という。)は、本件商標「CASH AND CARRY」と、その構成文字及び称呼が共通であって観念に異同はないから、使用商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
(3)「使用に係る商品」及び「本件商標の使用」について
ア 前記(1)のとおり、乙第1号証の「品名」欄には、手書き文字で「Cash&Carry テキスタル」と記載されているところ、その構成中後半部分の「テキスタル」の文字は、取消請求に係るいずれの商品を指すものであるかは不明というほかなく、かつ、乙第1号証と第2号証の各写真との間に、記号や符合等によって、両者の商品が同一の商品であることを示す証左も見出せない。
そして、仮に、前記「品名」欄の「テキスタル」の記載が「織物、布地」を表示したものであるとしても、「織物、布地」が、取消請求に係る商品の範疇に含まれる商品でないことは明白であるから、使用商標が本件商標と社会通念上同一の商標であるとしても、取消請求に係る商品について本件商標が使用されたとまでは認めることができない。
イ 乙第2号証の上段左側の写真の「生地の色見本」と思しきものには本件商標は表示されておらず、そもそも、前記「生地の色見本」は、取消請求に係る商品には含まれないものである。
ウ 同じく、上段右側の写真には、布の切れ端の隅に筆記体による文字と思しきものが書された小片が貼付されていることが認められるところ、そもそも、布の切れ端と思しきものがいかなる商品であって、それが、取消請求に係るいずれの商品を指すものであるかは不明というほかない。
エ 同じく、下段の写真には、一枚の布と思しきものに、「6点以上」、「全品正札より」、「90(0の中に「安いよ!!」の記載)」、「%OFF」の各表示が四段で併記され、また、折り返した布の切れ端の隅に、筆記体による文字と思しきものが書された小片が貼付されていることが認められるところ、仮に、これが商品であるとしても、いかなる種類の商品であって、それが、取消請求に係るいずれの商品を指すものであるかは不明というほかない。
オ そうすると、乙第2号証の各写真からは、特定の商品を確認することはできなかったというべきである。
そこで、上記4のとおり、被請求人に対し、使用に係る商品が不明である旨の審尋を行ったが、被請求人からは何らの回答もなかった。
以上の事実を総合すれば、乙第1号及び第2号証によっては、本件商標が取消請求に係る指定商品のいずれかに使用されていたものと認めることはできない。
(4)まとめ
以上のとおりであるから、被請求人の提出に係る証拠によっては、本件商標が、本件審判請求の請求登録前3年以内に、日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その取消請求に係る指定商品のいずれかについて、本件商標を使用していたことを証明したものと認めることはできない。
また、被請求人は、本件商標を使用していないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。
なお、被請求人は、当審における平成22年6月3日付け審尋に対し、回答書に代わる上申書において、現在、資料を準備しているため、今暫く時間を猶予願いたい旨述べているが、その後、相当の期間を経過するも、追加の資料の提出はなされていないから、これ以上本件の審理を遅滞させるべき事由はないものと判断した。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条第1項の規定により、その指定商品中「結論掲記の指定商品」について、取り消すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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