結論テキスト
本件登録異議の申立てに係るその余の指定役務についての登録を維持する。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 平成11年異議第91046号 |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4262148号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成9年9月11日に登録出願され、「カジュアル」の片仮名文字を横書きしてなり、第39類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成11年4月16日に設定登録されたものである。
(1)申立人の業務に係る役務の表示について
(イ)甲第1号証である平成8年11月25日発行の日本海事新聞(第4、 第5面)には、オーシャン東九フェリー株式会社が、東京一徳島一北九州間に2隻の新造船(おーしゃんさうす、おーしゃんのうす)を11月27日より毎日定期便として就航させるという記事が掲載されている。さらにこの新造船は、少数旅客定員、自動販売機による食事サービス、客室の等級の廃止等の点で従来のフェリーとは異なる新しいコンセプトに基づいたものであり、この概念を「カジュアルフェリー」として提唱していることが記載されている。
(ロ)甲第2号証は、平成7年8月23日発行の日本海事新聞(第4面;発行部数約5万5千部)であり、甲第3号証は、平成7年8月23日発行日の海事通信(第4面)である。これらの甲第2号証及び甲第3号証には、オーシャン東九フェリー株式会社が九州運輸局に、二隻の新造船計画にかかる事業計画変更申請を行ったという記事が掲載されている。また、この新造船は、コストを押さえるため旅客定員を縮小し、食事をセルフサービスとするなどしてコストの削減を図るもので、同社はこれを既存のフエリーとは異なる「カジュアルフェリー」と称して業界に新しい船型のあり方を提案していると記載されている。
(ハ)甲第4号証〜甲第9号証は、全て海上定期便の会から定期的に発行されている海上定期便ガイド(発行部数約1万部)であり、いずれもオーシャン東九フェリー株式会社により運航されている東京一徳島ー北九州のフェリーの航路の時刻表、及びサービス内容が掲載されているものである。平成8年1月25日発行の甲第4号証(96年版、第90〜91頁)には、平成8年秋より、ディリー運航開始の予定であること、また新造船の2隻が「カジュアルフェリー」と呼ばれることが掲載されている。また、平成8年8月20日発行の甲第5号証(96年版夏号、第85頁)には、「カジュアルフェリー」が就航、ディリー運航が開始される運びとなったことが記載されている。また、甲第6号証〜甲第8号証にも同様に、オーシャン東九フェリー株式会社により「カジュアルフェリー」が運航されていることが記載されている。
(ニ)甲第10号証は、平成8年12月1日に日本交通公社発行のJTB時刻表(発行部数 約80万部)に掲載されたオーシャン東九フェリー株式会社の広告(第10頁)、および同号に掲載された時刻表(第847頁)である。この広告には平成8年11月27日より北九州一徳島ー東京の航路が毎日運航が開始されていること、フェリーのタイプとして「カジュアルフェリ ー」があること等が記載されている。
(ホ)甲第11号証及び甲第12号証は、オーシャン東九フェリー株式会社が平成8年3月に発行、以降配布しているパンフレットであり、いずれにも「カジュアルフェリー」という語が記載されている。
(へ)オーシャン東九フェリー株式会社は、平成8年11月27日に東京ー 徳島ー北九州の航路に新造船を就航させ、同時にこの新造船による役務を 「カジュアルフェリー」と名付け(甲第1号証)、以後現在に至るまでこの 語を継続的に使用して業務を行っている(甲第6号証〜甲第9号証)。また、この就航時よりさらに、一年以上前から、同社により「カジュアルフェリー」という概念が業界に提案されていた(甲第2号証〜甲第5号証)。さらに、同社は平成8年以来、この業務の宣伝、広告活動を行っている(甲第10号証〜甲第12号証)。従って、「カジュアルフェリー」という語は、平成9年9月11日の時点で、船舶輸送業務の表示として既に充分な周知性を獲得していると考えられる。
(2) 第4条第1項第10号について
本件商標「カジュアル」は、その指定役務中「船舶輸送に関する情報の提 供」について使用した場合、申立人の業務である「船舶による輸送」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている「カジュアルフェリー」と類似する商標であり、また類似する役務について使用するものであるから、商標登録を受けることができないものである。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものであるから、商標法第43条の2第1号の規定により取り消されるべきである。
本件商標は、申立人である「東京都中央区銀座三丁目8番10号」所在の「オーシャン東九フェリー株式会社」が、役務の「船舶による輸送、船舶輸送に関する情報の提供」等について長年に亘って使用してきた結果、本件商標登録出願時には、取引者・需要者間に申立人の業務に係る役務を表彰するものとして広く知られている「カジュアルフェリー(Casual Ferry)」と類似する商標であって、その役務と同一又は類似の役務に使用するものである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものである。
よって判断するに、本件商標は、申立人である「東京都中央区銀座三丁目8番10号」所在の「オーシャン東九フェリー株式会社」が、自己の役務で ある「船舶による輸送、船舶輸送に関する情報の提供」等について長年に亘って使用してきた結果、本件商標登録出願時には、取引者・需要者の間に申立人の業務に係る役務を表彰するものとして広く知られていた「カジュアルフェリー(Casual Ferry)」と称呼・観念上類似する商標と認められ、かつ、その役務と同一又は類似の役務に使用するものである。
してみれば、商標権者が、申立人の上記商標と類似する本件商標を、その指定役務中「船舶による輸送、船舶輸送に関する情報の提供」に使用した場合には、当該役務が恰も申立人の業務に係る役務であるが如くその役務の出所について誤認・混同を生じさせるおそれがある。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号の規定に違反して登録されたものであるから、商標法第43条の3第2項の規定に基づき、その指定役務中「船舶輸送に関する情報の提供」についてはその登録を取り消すものとする。
また、本件登録異議の申立てに係るその余の役務については、これを取り消すべき理由がないから、商標法第43条の3第4項規定によりその登録を維持する。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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