Trademark Appeal Case
地名商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−7280(T2009−7280/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「CHAMBORD」の欧文字を書してなり、第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,アイマスク,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,帽子,防暑用ヘルメット,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成19年10月25日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、フランス中北部の古城で知られ1981年世界遺産にも登録された村であるシャンボール(Chambord)を指称する『CHAMBORD』の欧文字を書してなるから、本願商標をその指定商品に使用するときには、単にその商品の産地、販売地などを表示したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「CHAMBORD」の文字よりなるところ、該文字は、以下の(1)ないし(3)の辞書類によれば、フランス中北部にある古城で知られた村の名称であり、また、1981年には、「シャンボールの城と領地」(Chateau and Estate of Chambord)が世界遺産に登録され、その後、2000年には、指定範囲が拡大され、「シュリー=シュル=ロワールからシャロンヌまでのロワール渓谷」に組み込まれたものであり、観光地としてもヨーロッパを中心に広く知られ、認識されているところである。
そして、シャンボールにある城は、フランス・ロワール地方の観光の代表格であり、ロワール渓谷でも特に有名な城として屈指の観光地となっており、また、我が国においても観光ツアー等で、フランスを代表する古城として紹介されているところである。
このことは、例えば、以下の辞書、書籍、新聞記事及びインターネット情報により、その一端をうかがい知ることができる。
(1)「コンサイス外国地名事典 第3版」(株式会社三省堂発行)
「
シャンボール
Chambord
」について、「
フランス中北部,ロアール-エ-シェール県中部の古城で知られた村
。・・・ルネサンス様式の古城は1519〜'40フランソア1世の命により建設され,ルイ15世まで国王が居住。
1981ユネスコの世界文化遺産に登録
。」の記載がある。
(2)「ランダムハウス英和大辞典 特装版」(株式会社小学館発行)
「
Chambord
」について、「
シャンボール
:
フランスLoir-et-Cher県の村
;ルネサンス式の
古城で知られる
.」の記載がある。
(3)「クラウン仏和辞典 第2版」(株式会社三省堂発行)
「
Chambord
」について、「
シャンボール(古城で有名なロワール河畔の村
).」の記載がある。
(4)「地球の歩き方1 ヨーロッパ 2001〜2002年版」(株式会社ダイヤモンド・ビッグ社発行)
「
シャンボール城
CHAMBORD
豪華さと壮大さではほかを圧倒している城館。・・・内部では、天守の中央にある大階段Grand Escalierが有名。ふたつの階段が合体したらせん階段で、人がすれ違うことなく上り降りできる構造だ。階段を上った屋上からの眺望も抜群。部屋は全部で440もあり、そのなかのひとつでモリエールが『町人貴族』をルイ14世の前で初演したとか。」の記載がある。
(5)「地球の歩き方13 フランス 2001〜2002年版」(株式会社ダイヤモンド・ビッグ社発行)
「
シャンボール城
/
Chambord
/
城に向かう道筋にはみやげ物屋が並ぶ
/
ロワール地方の世界遺産
/●
シャンボール城 ロワール川流域には古城が数多く残っているが、そのなかで唯一、世界遺産に登録されているのがシャンボール城と敷地面積5,500haというその領地
。・・・レオナルド・ダ・ヴィンチが、設計に関わったといわれている螺旋階段も公開されている。(1981年登録)」の記載がある。
(6)「共同通信」(2005年7月29日)
「ロワール川の古城とワイン 世界遺産の魅力たっぷり」の見出しの下、「一番人気は、十六世紀建築の、川の上に三階建ての優雅な回廊を持つシュノンソー城。年間九十万人の観光客が訪れ、フランスではパリ郊外にある十七世紀建築のベルサイユ宮殿の同三百万人に次ぐ。イタリア・ルネサンスの大家レオナルド・ダビンチが晩年住んだ
シャンボール城が同七十万人。三十一キロの壁に囲まれた五千四百ヘクタールの広大な敷地に欧州最大の森林公園を抱え、四百の部屋と三百六十五の暖炉を持つロワール最大の豪勢な城だ
。」の記載がある。
(7)「毎日新聞」(2002年10月28日 大阪夕刊 4頁)
「今が旬、フランス・ロワール地方 古城めぐり、ワインで乾杯」の見出しの下、「
古城巡りはロワール観光の目玉。
レオナルド・ダ・ビンチが設計したと伝わる
シャンボール城はその代表格である。
」の記載がある。
(8)「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」のウェブサイトにおいて、「
シャンボール(Chambord)は、フランス中部のサントル地域圏のロワール=エ=シェール県に属するコミューンである。世界的にも最も知られている城のひとつであるシャンボール城によって、コミューンの名前は広く知られている。
城は中世フランス様式とイタリア・ルネサンス様式を混ぜた、フランス・ルネサンス様式の建築である。」の記載がある。
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB>
(9)「フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』」のウェブサイトにおいて、「
シャンボール城(Chateau de Chambord)はフランスロワール=エ=シェール県のシャンボールにある城。
ロワール渓谷に点在する城のうち、最大の広さを持つ。フランス王フランソワ1世のために建てられた。・・・現在
シャンボール城は現在、『フランスの庭』と呼ばれるほどロワール渓谷でも特に有名な城として屈指の観光地となっている。1981年、ユネスコの世界遺産に『シャンボールの城と領地(Chateau and Estate of Chambord)』として登録されていたが、2000年に指定範囲が拡大され、シュリー=シュル=ロワールからシャロンヌまでの約200キロがロワール渓谷(Val de Loire entre Sully-sur-Loire et Chalonnes)に組み込まれた
。」の記載がある。
<http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%83%AB%E5%9F%8E>
(10)「SARL IPSE.PROJECT(イプセ・プロジェクト)」のウェブサイトにおいて、「Chateau de
Chambord
41250
CHAMBORD
シャンボール城 ロワール渓谷地方最大のお城
ルネッサンス初期の、1519年から建設が開始され、ルイ14世統治時代の1685年に完成しました。・・・一般公開されている広大な公園 32kmの壁に囲まれたシャンボール城の敷地内には、1000ヘクタールの森があります。・・・城内、レストラン、園内において年間を通してたくさんのイベントやサービスが用意されています。」の記載がある。
<http://www.france-acces.com/chateau/chambord.html>
(11)「アラン株式会社」のウェブサイトにおいて、「ロワール地方3つの古城めぐりとクロ・リュセ1日
観光ツアー
・・・フランスで最も優美な城と言われるシュノンソー城や
ロワール最大のシャンボール城
などを見学します・・・
シャンボール城
(入場)
フランスルネッサンスの名作、と言われる左右対称を強調した中世の平城
。」の記載がある。
<http://www.alan1.net/jp/europe/france/sg/2044/ag/9890/>
(12)「近畿日本ツーリスト株式会社」のウェブサイトにおいて、「
海外ツアー シャンボール城(フランス)(東京発)
・・・
美しい森に囲まれ、ロワール川流域に点在する数百の古城の中で最大規模のシャンボール城。
フランソワ1世の命で建てられ、部屋数は440室、城を取り巻く塀の長さはフランス最長の31kmという壮大なスケールを誇ります。左右対象のルネサンス様式になっており、主要工事の終わるまで約20年、国庫のすべてをかけ1536年に完成しました。改築時の設計の素案はレオナルド・ダ・ヴィンチと言われ、屋上テラスに続く二重螺旋階段は、人と人がすれ違わずに昇降できる仕組みとなっています。」の記載がある。
<http://www.sekai-isan.net/c/3030200711/>
(13)「株式会社 阪急交通社」のウェブサイトにおいて、「旅に役立つ情報満載 阪急交通社が提供 フランス観光ガイド/ロワールの古城/・・・1
シャンボール城
16世紀初頭のルネサンス絶頂期に、フランソワ1世が築いた
ベルサイユ宮殿にも匹敵するロワール最大の城
。」の記載がある。
<http://www.hankyu-travel.com/guide/france/loire.php>
(14)「株式会社トランスオービット」のウェブサイトにおいて、「世界遺産ロワール渓谷 ロワール地方の城めぐり1日観光・・・
フランス最長のロワール川流域には数々の風光明媚な古城があります。その中で特に有名な3ヶ所で入場観光します。まずはロワール地方最大のシャンポール城
、次に川に浮かぶ姿が優美なシュノンソー城、そしてダ・ヴィンチ終焉の館クロ・リュセです。・・・ロワール渓谷最大で、元はフランソワ1世の狩猟用の別荘とされていたシャンボール城は、ドメニコ・ダ・コルトナによって設計されました。レオナルド・ダ・ヴィンチはフランソワ王の客人としてアンボワーズ城近くのクロ・リュセに住居を与えられ、シャンボール城の設計に携わったといわれています。」の記載がある。
<http://www.traveldonkey.jp/par/7407.cfm>
(15)「株式会社ベンチャーリパブリック」のウェブサイトにおいて、「美しきロワールの古城とモン・サン・ミッシェル、パリ8日間・・・
フランスが誇る
4つの
世界遺産
を観光 神秘の修道院モンサンミッシェル ロワールの優雅な城
シャンボール城
『シャルトルの青』が輝くノートルダム大聖堂 ルネッサンスの舞台フォンテーヌブロー城」の記載がある。
<http://www.travel.co.jp/db/user/search_tour.asp?A=EUROPE&C=FR&WORD=%83V%83%83%83%93%83%7B%81%5B%83%8B%8F%E9>
以上によれば、「シャンボールの城(Chateau of Chambord)」には、2005年に年間70万人の観光客が訪れ、ベルサイユ宮殿の300万人と比べても相当な観光客であるということができるから、ヨーロッパにおいて観光名所として広く知られているということができる。
そうとすれば、「シャンボール(CHAMBORD)」の地名は、「シャンボールの城」とあいまって、我が国においても著名な観光地として理解、認識されるものとみるのが相当である。
そして、一般に観光地においては、観光名所等の名称やその地理的な名称を付した土産物の商品が多数販売されている実情にあることはよく知られているところであり、本願の指定商品は、その土産物になり得る被服類などの商品を含むものである。
そうすると、本願商標は、これをその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「『CHAMBORD』の地において製造、販売されたもの」であること、すなわち、商品の産地、販売地を表示したものと理解、認識するにとどまるものであり、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというべきである。
したがって、本願商標は、その指定商品の産地、販売地を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標であり、商標法第3条第1項第3号に該当するものである。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も同様に登録されるべきである旨主張しているが、それらは本件と判断時期を異にする事案である上に、そもそも登録出願された商標が商標法第3条第1項第3号に該当するものであるかどうかの判断は、当該商標の構成態様と指定商品に基づいて、その時々の状況等をも踏まえて個別具体的に判断されるべきものであって、判断時期を異にする他の登録例の存在によって、上記判断が左右されるものではなく、本件については、上記のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。
以上のとおりであるから、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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