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Trademark Appeal Case

単数形と複数形の称呼・観念類似性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2008−32190(T2008−32190/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「PEANUT」の欧文字を標準文字で表してなり、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」及び第42類「無線通信機器の分野あるいは無線通信機器及びその附属品・周辺機器・センサーのための健康・薬・適合性の分野における商品リサーチ・商品開発・商品設計及び技術的助言,他人のためにする無線通信機器・健康・薬・適合性のためのコンピュータハードウェア及びコンピュータソフトウェアの開発」を指定商品及び指定役務とし、2007年6月6日アメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成19年12月4日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4772656号商標(以下「引用商標」という。)は、「PEANUTS」の欧文字を標準文字で表してなり、平成14年5月19日に登録出願された商願2002−37595に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として同年10月30日登録出願、第2類、第4類、第6類、第8類、第9類、第11類、第12類、第14類、第15類、第18類、第20類、第21類、第24類、第25類、第26類、第27類、第28類に属する別掲のとおりの商品を指定商品として、同16年5月21日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

本願商標は、「PEANUT」の欧文字からなり、「ピーナッツ、落花生」などの意味を有する英語として広く親しまれた語である。そして、「PEANUT」の文字から、「ピーナット」と称呼される場合があるとしても、「ピーナッツ」は、「[peanut(s)]落花生。」(「広辞苑 第6版」岩波書店 2008年1月11日発行)と、末尾に「s」の文字を有しても有さなくても「ピーナッツ」と表すものであることが記載されており、また、「coconut」、「nut」などの一般に知られている英語においても、複数形を表す「s」の文字がない単数形を「ココナッツ」、「ナッツ」と称呼される例に倣えば、本願商標「PEANUT」の欧文字からは、「ピーナッツ」の称呼及び「落花生」の観念を生ずるものというのが自然である。

一方、引用商標は、「PEANUTS」の欧文字からなるところ、前述のとおり「PEANUT」が「ピーナッツ、落花生」の意を有する英語であるから、その複数形として容易に理解されるというのが相当であり、該文字に相応して、「ピーナッツ」の称呼及び「落花生」の観念を生ずるというべきである。

そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、称呼については、前記のとおり、両者よりは「ピーナッツ」の称呼が生ずるものであるから、称呼を共通にするものである。そして、外観については、「PEANUT」の欧文字部分を共通にし、語尾に位置する「S」の欧文字の有無といった微差にすぎないから、外観上の差異は顕著とはいえず、近似したものである。また、観念については、単数形、複数形の違いはあるにせよ、極めて親しまれた英語であること、一般に「ピーナッツ、落花生」という共通の意味合いを看取させ、複数形であることにより単数形の場合と明確に異なる観念が生ずるものとはいえないこと等から、観念上も相紛らわしいものである。

さらに、本願商標と引用商標とは、出所の混同を生ずるおそれがないとみるべき格別の取引の実情を裏付ける証左もない。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観上においては近似するものであり、称呼及び観念において共通していることから、時と処を異にする取引の実際にあっては、これらを同一又は類似の商品に使用すれば、商品の出所につき誤認混同を生ずるおそれがある類似の商標といわなければならず、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品中「電気通信機械器具、電子応用機械器具及びその部品」と同一のものと認められる。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

なお、請求人(出願人)は、原審における意見書で、引用商標からは、作者、チャールズ・M・シュルツによる犬のSnoopyが登場する世界的に著名な漫画の題名、としての観念を生ずるから、本願商標とは観念において差異を有する旨述べているが、商標の類否判断要素としての観念とは、多くの取引者、需要者がその商標自体から直ちに一定の意義を想起させるものであることを要するものというべきである(平成5年3月30日言渡、平成2年(行ケ)第213号)ところ、引用商標から、直ちに、一般の多くの取引者、需要者がSnoopyの漫画の題名を理解するものともいい難く、その証左も見いだすことができない。

また、請求人は、審理終結通知後の平成21年9月25日付け審理再開申立書及び同年11月4日付け上申書において、「引用商標権者と権利の譲受けについて調印がされる見通しである。」旨述べて、審理の再開を求めていたところ、相当期間が経過した現在に至るも、引用商標の当該商標登録原簿を見ても権利移動に関する手続が行われている事実が発見できない。

したがって、これ以上本件の審理を遅滞させるべき理由はないものと認め、審理を再開し、進めることとした。

よって、結論のとおり審決する。

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