Trademark Appeal Case
称呼の類似性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−17658(T2009−17658/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第35類「菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成20年7月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4828291号商標(以下「引用商標」という。)は、「旭山」と標準文字で表してなり、平成16年5月13日に登録出願され、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、平成16年12月24日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、別掲のとおり、「アサヒヤマ」の文字をその構成中に有してなるところ、該文字に相応して「アサヒヤマ」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念は生じない。
なお、上段の文字は、下段に「アサヒヤマ」の文字があることから、「朝日山」を表したものと想起されるところ、1文字目の文字は、相当程度崩されており、直ちに「朝」の文字を看取することはできない。
(2)本願商標と引用商標の類否について
引用商標は、前記2のとおり、「旭山」の文字からなるところ、構成文字に相応して「アサヒヤマ」の称呼を生ずるものである。
そして、「旭山」の文字は、事典等によれば、「宮城県東部、石巻市西部の小丘」(コンサイス日本地名事典 第五版 三省堂)、「北海道旭川市東旭川町倉沼にある、標高295.2mの山」(ウィキペディアフリー百科事典)等を指す語と認められるところ、該文字から直ちにそれらを理解できるほどに親しまれているものとは言い難いことからすれば、特定の観念は生じないものというのが相当である。
そこで検討するに、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「アサヒヤマ」の称呼を共通にする類似の商標である。
また、本願商標の指定役務は、引用商標の指定商品と類似する役務と認められる。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 請求人の主張について
(1)請求人は、「商標は、外観・観念・称呼とが複合され、商標全体から需要者にイメージされ、認識されるものであり、決して、称呼から得られる聴覚の情報のみにより、認識されるものではないから、『本願の指定役務においては、対面販売の他、電話による隔地取引がなされる場合も否定できず、これらの対面取引や電話による口頭の取引では、称呼を似て商品を特定することになるので、称呼において同一である両商標は、商品の出所について誤認混同を生ずるおそれがある』という見解は妥当ではない」旨、主張する。
しかしながら、価格が比較的低廉な日常消費物資を指定商品とする商標の類否について、裁判所は、「その取引者,需要者には,広く一般消費者も含まれるのであり,これらの者が,例えば,陳列棚に貼付された表示札や多数の商品とともに掲載された宣伝広告チラシなどの記載によって商品の同一性を識別するに際して,商品の名称,すなわち称呼が極めて重要な要素となることは明らかである。そうすると,本願商標と引用商標の指定商品に係る商品の取引者,需要者による取引の実情を考慮すれば,本願商標と引用商標の類否を判断するに当たっては,外観及び観念に比して称呼を重視すべきことが明らかである」旨、判示している(知財高裁 平成20年(行ケ)第10412号、平成21年3月17日判決言渡)。
そこで、上記判決を踏まえて、本願についてみるに、本願商標の指定役務及び引用商標の指定商品は、前記1及び2のとおりであるところ、これらの需要者は、広く一般消費者といえるものであるから、称呼の果たす役割が非常に大きいというのが相当であり、たとえ外観が相違し、観念において比較することができないとしても、称呼が完全に一致することからすれば、本願商標と引用商標は類似するというべきであり、本願商標をその指定役務に使用した場合には、引用商標と、その出所について誤認混同が生じるおそれがあるといわざるを得ないから、この請求人の主張は採用することができない。
(2)請求人は、過去の登録例を挙げ、それらは、称呼を同一にするにもかかわらず、別々の権利者に対して併存して登録されているから、本願商標も登録されるべきである旨主張するが、商標の類否の判断においては、過去の審査例等の一部の判断に拘束されることなく、個別、具体的に検討されるべきところ、本願商標と引用商標とが出所の混同を生ずるおそれのあること、前記認定のとおりであるから、この請求人の主張も採用することができない。
その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
5 結論
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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