Trademark Appeal Case
地名と称呼の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−18159(T2009−18159/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「京のつくね家」と標準文字で表してなり、第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成20年6月4日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由(要旨)
原査定において、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録第4694859号商標(以下「引用商標」という。)は、「つくね家」と標準文字で表してなり、平成14年11月25日に登録出願され、第35類「経営の診断又は経営に関する助言」及び第43類「飲食物の提供」を指定役務として、平成15年7月25日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標について
本願商標は、前記1のとおり、「京のつくね家」の文字からなるところ、その構成中「京」の文字部分は、「京都の特称」(広辞苑 第六版)を意味する語であって、商品の産地、販売地又は役務の提供場所を表示する著名な地理的名称であることからすれば、単に「京都における,京都にある」程の意味合いで、需要者に本願の指定役務の提供場所を表したものと容易に理解・認識されるものであって、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないというべきである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中後半の「つくね家」の文字部分が独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものと理解し、これより生ずる「ツクネヤ」の称呼をもって役務の提供に資される場合も決して少なくないとみるのが相当であるから、本願商標からは、単に「ツクネヤ」の称呼をも生ずるものと認められる。
また、該文字部分からは、特定の観念は生じないものである。
(2)本願商標と引用商標の類否について
引用商標は、「つくね家」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して「ツクネヤ」の称呼を生ずるものであり、また、特定の観念は生じないものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較することができないとしても、「ツクネヤ」の称呼を共通にする類似の商標と認められる。
また、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務に含まれるものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
4 請求人の主張について
請求人は、「本願商標『京のつくね家』は、京都における鶏料理店として広く知られており、地元の人のみならず、京都を訪れる観光客の間でも話題となっている有名店であり、本願の指定役務の分野において、一つの店の名称として需要者によく知られている。したがって、『京のつくね家』の文字は常に全体として一体のものであり、本願商標からは、『キョウノツクネヤ』の称呼しか生じないから、引用商標とは、称呼において十分に聴別できるものである。したがって、本願商標と引用商標は、非類似の商標である。」旨主張し、甲第1号証ないし甲第5号証を提出している。
そこで、請求人が提出した甲第1号証を見ると、確かに「京のつくね家」の文字は、京都市における鶏料理店において、使用されている事実が見受けられるものの、その店舗は、京都市における1店舗のみであり、また、本願商標に関する宣伝・広告についても、該料理店のウェブサイトにおいて、その事実が窺える程度であり、さらに、請求人が主張するテレビの紹介や、ガイドブックの掲載についても、グルメサイト「食べログ」における、ある投稿者の書き込み(甲第4号証)にすぎないものである。
また、甲第2号証及び甲第3号証は、「八起庵」なる店に関する資料であって、本願商標の使用の事実を証明するものではない。
そうとすると、本願商標が、京都市において使用され、その地域における需要者・取引者に知られているものであるとしても、その周知度は、自ずと限定されたものであるから、本願商標が、一体のものとして理解、把握される程度に需要者等に広く認識されているものとは認められない。
してみれば、本願商標と引用商標とは、前記3(2)で認定したとおり、「ツクネヤ」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本願商標の指定役務には、引用商標の指定役務と同一の役務が含まれることから、その出所について誤認混同を生ずるおそれがあるものである。
よって、この請求人の主張は採用することができない。
その他、請求人の主張をもってしても、原査定の拒絶の理由を覆すに足りない。
5 結論
したがって、本願商標が、商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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