sokuhyo弁理士法人WATT 監修

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結論

勝訴(請求認容)

「区民葬」の識別力と公益性

審判番号
不服2009−23899(T2009−23899/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成20年7月7日に登録出願されたものである。そして、指定役務については、原審における平成21年5月7日付けの手続補正書により、「区民葬儀による葬儀の執行,区民葬儀による祭壇の貸与」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、以下の(1)及び(2)のとおり認定、判断し、本願を拒絶したものである。

(1)本願商標は、その構成中に東京都特別区(23区)で実施している葬儀の「区民葬儀」の略称である「区民葬」及びその欧文字表記の「kuminso」の文字を有してなるものであるから、これを本願指定役務中「区民葬儀による葬儀の執行,区民葬儀による祭壇の貸与」以外の「葬儀の執行,祭壇の貸与」に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当する。

(2)本願商標は、その構成中に東京都特別区(23区)で各区役所が窓口として実施している葬儀の「区民葬儀」の略称の「区民葬」及びその欧文字表記の「kuminso」の文字を包含しているものであるから、これは公益に関する事業であって営利を目的としないものを表示する標章であって著名なものと類似するものと認める。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第6号に該当する。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第16号について

本願商標の指定役務については、前記1のとおり補正された結果、本願商標をその指定役務に使用しても役務の質について誤認を生じさせるおそれはなくなった。

したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第16号に該当しない。

(2)商標法第4条第1項第6号について

本願商標は、別掲のとおり、緑色の色彩を用いて描いた2つの半円と思しき図形を中央で交差させ、その半円上の図形の上部左右に塗りつぶした丸を配した幾何学的図形(以下「図形部分」という。)、その図形部分の下に「区民葬儀」の略称を表した「区民葬」の文字、その下に「区民葬」の読みを表した「kuminso」の欧文字(以下「文字部分」という。)をやや小さめに書してなるものであるところ、図形部分と文字部分は、その構成態様からすれば、視覚的にも分離して把握されるものと見るのが自然であり、また、両者を常に不可分一体のものとして把握しなければならない特段の理由も見い出すことができないものである。

そして、「区民葬」及び「kuminso」の文字部分は、補正後の指定役務である「区民葬儀による葬儀の執行,区民葬儀による祭壇の貸与」との関係においては、役務の質を端的に表示するものであり、自他役務の識別機能を果たし得ないものであるから、本願商標の自他役務の識別標識の機能を果たし得る部分は、図形部分のみが有しているものというべきである。

してみれば、本願商標をその指定役務に使用しても、その構成中の文字部分については、前記のとおり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものであって、かつ、東京都特別区の事業に係る役務であるかの如く認識させるものでないから、本願商標を請求人が採択、使用しても、ただちに、東京都特別区の権威を損なうようなこともないというべきである。

(3)まとめ

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第6号に該当するとした原査定は妥当ではなく、取消を免れない。

その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見できない。

よって、結論のとおり審決する。

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