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Trademark Appeal Case

接尾語PLUSの識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年異議第91087号
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第4265932号商標の指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」についての登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4265932号商標(以下「本件商標」という。)は、別記(1)に示すとおりの構成よりなり、平成9年12月25日に登録出願され、第9類「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成11年4月23日に設定の登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

本件商標は、昭和55年10月15日に登録出願され、「PLUS」の文字を横書きしてなり、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)」を指定商品として、昭和58年10月27日に設定登録されている登録第1629255号商標(以下「引用商標」という。)と、称呼及び観念において類似する商標であって、引用商標に係る指定商品を同じくするものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

また、「CD−R」の文字を有する本件商標を「書込み可能な光ディスク」以外の商品に使用すると、商品の品質の誤認が生じるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 取消理由の通知

平成11年11月8日付けで、商標権者に要旨下記の取消理由を通知した。

登録異議申立人(以下「申立人」という。)の提出に係る甲各号証によれば、「CD−R」、「シーディーアール」の文字は、「書込み可能な光ディスク」を表すものとして広く一般に使用されているものであることを認めることができる。

してみれば、本件商標は、その指定商品中の電子応用機械器具との関係においては、「CD・R」、「シーディーアール」の文字部分は商品の品質を表すに過ぎないものであるから、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「Plus」、「プラス」の文字部分にあるものというべきであり、これより、単に「プラス」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標も「プラス」の称呼を生ずること明かであるから、本件商標と引用商標とは、「プラス」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標の指定商品に包含されているものである。

したがって、本件商標は、その指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」について、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

4 商標権者の意見

上記3の取消理由に対して、商標権者は、要旨つぎのように意見を述べ、証拠として乙第1号証ないし乙第53号証を提出している。

本件商標から単なる「プラス」の称呼が生じることはなく、一連の「シーディーアールプラス」の称呼のみしか生じることはない。

すなわち本件商標の指定商品「電子応用機械器具」の業界、特にコンピュータ関連の業界においては、「Plus」「プラス」の語は、商品名の語尾に付して「何らかの機能を加えた」「改良を施した」のような意味を表現するために用いられる接尾語としてのみ理解されている。

この事実を証するために、まず乙第1号証〜乙第9号証を挙げる。

まず乙第1号証はワープロソフトとして著名な「一太郎」のHPの写であり、「一太郎8バリューパックプラス」の案内の部分である。この製品の説明として「本製品は、従来製品『一太郎9バリューパック』にIBM製ソフトウェアを追加したものです」と記載されている。

乙第2号証はNTTのHPの写であり、「NTTカードC・プラス」の商品紹介である。その説明として「...『NTTカードC』に、通話先一ケ所をお客様が自由に登録(変更)できるオートダイヤル機能をプラスしました」と記載されている。

乙第3号証は同じくHP上での商品紹介で、「5月18日、定番間取り図ソフト、『一軒楽着』が生まれ変わり、『一軒楽着3D Ver,2.0 プラス』として発売になりました」とある。

乙第4号証以下の製品、すなわち「DATA EYEプラス」「パルディオおはなしプラス」「スタートパック・プラス」「ミニカル、プラス」「Tips99プラス」「テレカプラーIIプラス」の「プラス」部分も「機能を追加した」「改良を施した」のような意味をあらわすために製品の名称の語尾に付加している。

また過去の登録例を見るも、「プラス」「Plus」等が単なる接尾語として認識された結果、引用商標とは類似しないものと判断され、引用商標の存在にも拘らず登録された商標が多数存在する。乙第10号証〜乙第45号証は、「プラス」「Plus」等の文字を語尾に含み、電子応用機械器具を指定商品とする登録商標の書誌的事項の写である。これらの中には識別力が無いか、極めて弱いと認められる語に「プラス」「Plus」等が結合したものや、商標の構成上前半部分と後半の「プラス」「Plus」とが分離して認識できるものが多数含まれている。

これらの登録例は、「Plus」「プラス」の語が商品名の語尾に付して「何らかの機能を加えた」「改良を施した」のような意味を表現するために用いられる接尾語として認識され、従って各登録商標からは「プラス」のみの称呼は生じずに一連にのみ称呼され、よって引用商標とは称呼上非類似のものとして判断されたことの証左である。そうであるどすれば、審理における衡平という観点からしても、本件商標も一連にのみ「シーディーアールプラス」とのみ称呼され、引用商標とは称呼上非類似であると判断されるべきである。

また本件商標の前半部分「CD・R」「シーディーアール」の文字部分は、単に商品の品質を表わすに過ぎない、ということはできない。

まず過去の登録例を調査すると、多数の登録商標が「電子応用機械器具」を指定商品とし、「書込み可能な光ディスク」に指定商品を限定することなく登録されている(乙第46号証〜乙第53号証)。

これらの登録例と甲各号証とを比較してみると、例えば甲第6号証は1995(平7)年の発行であり、その前後には「CD−R」という「書込可能な光ディスク」が実用されていたものと一応は推測される。しかしながら同時期もしくはその後も「CDR」の文字を含んだ商標が「書込可能な光ディスク」に指定商品を限定することなく登録され続けている。

この事実よりすると、かりに取消理由にいうように「CD−R」が「書込可能な光ディスク」を指すものであるとしても、「D」と「R」との間にハイフンのない「CDR」は商品の品質を表わす文字とは認められていなかったものと考えられる。各甲号証に挙げられているものは、全てハイフンを有する「CD−R」であり、例外はない。

そこで本件商標の欧文宇部分を見ると、「D」と「R」とは「・」、すなわちナカグロにより結合されている。

ハイフンとナカグロとは、いずれも語と語とをつなぐための記号ではあるが、外見も異なるしその意味するところも異なる記号であり、到底同一視はできない関係にある。

しかも各甲号証によれば「CD−R」は一種の規格を表す語である。もしも一般需要者が「CD−R」を購入するときには、売り場において他の規格の光ディスクや磁気ディスク、例えば「CD」「CD−ROM」「ZIP」「FD」「PD」等とともに並べられている中から、「CD−R」と規格の表示のあるものを注意深く探し出すことだろう。もしもその中に「CD・R」と表示されたものがあったとしても、通常の注意力を有する需要者が、これを「CD−R」と同一の規格のものと認識して購入するであろうか。

加えて本件商標は、斜体で描かれ、ところどころ切れ目が設けられているなどデザイン化された欧文字で構成されている。一方、甲第3号証以下を参照すると「CD−R」の文字はほとんどデザイン化されていない。「CD−R」は特定の規格の製品であることを需要者・使用者に伝達するための表示であるから、標準的な字体で描くのは当然のことである。

これらの点を総合すると、本件商標の「CD・R」の部分は、「CD−R」であることを表わすと需要者をして認識させることはなく、それのみでも自他商品識別の機能を十分果し得るものと解するのが自然である。

畢竟、本件商標を前後に分離して認識し、称呼しなければならない特段の事情は見当たらず、従って「シーディーアールプラス」と一連にのみ称呼されるものであるから、引用商標と称呼において相類似するものではない。

以上のように、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当するものではないから、本件商標の登録を取消す理由がない。

5 当審の判断

申立人の提出に係る甲第3号証の申立人の発行する総合カタログ及び甲第4号証のオンキョー株式会社等の包装箱によれば、「CD−R」の表示が普通に使用されている事実を認めることができる。

また、甲第5号証の「オリジナルCDを作ろう!CD−Rやさしい使い方ガイド」(平成10年6月5日 株式会社技術評論社発行)及び甲第6号証の「イラストで読むマルチメディア入門」(1995年4月11日 株式会社インプレス発行)には、「CD−R」に関する事項が記載されている事実が認められる。

さらに、甲第7号証の「日経パソコン新語辞典 98年版」(1997年9月24日 日経BP社発行)及び甲第8号証の「精説 コンピュータ理工学辞典」(1997年7月25日 共立出版株式会社発行)には、「CD−R」の語について「データ書き込みが可能なCD」等である旨記載されている。

そうとすると、申立人の提出に係る証拠を総合勘案すれば、「CD−R」、「シーディーアール」の文字は、「書込み可能な光ディスク」を表すものとして広く一般に使用されているものであることを認めることができる。

してみれば、本件商標は、その指定商品中の電子応用機械器具との関係においては、「CD・R」、「シーディーアール」の文字部分は商品の品質を表すに過ぎないものであって、申立人の発行する総合カタログに「PLUS」と「CD−R」の各文字が同時に掲載されている実情を考慮すれば、自他商品の識別標識としての機能を果たす部分は「Plus」、「プラス」の文字部分にあるものというべきであり、これより、単に「プラス」の称呼をも生ずるものといわなければならない。

他方、引用商標も「プラス」の称呼を生ずること明かであるから、本件商標と引用商標とは、「プラス」の称呼を共通にする類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品中の「電子応用機械器具及びその部品」は、引用商標の指定商品に包含されているものである。

なお、本件商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとの理由により、その登録を取り消すべきものとした先の取消理由(上記3)は妥当なものであって、これについて述べる商標権者の意見は、以下の理由により、採用することができない。

(1)商標権者は、証拠として乙第1号証ないし乙第45号証を提出し、特にコンピュータ関連の業界においては、「Plus」「プラス」の語は、商品名の語尾に付して「何らかの機能を加えた」「改良を施した」のような意味を表現するために用いられる接尾語としてのみ理解されている。また過去の登録例を見るも、「プラス」「Plus」等が単なる接尾語として認識された結果、引用商標とは類似しないものと判断され、引用商標の存在にも拘らず登録された商標が多数存在する旨述べているが、本件については上記認定のとおりであって、商標権者の提出に係る使用例及び登録例は、本件とはいずれも事案を異にするものとみるのが相当である。

(2)商標権者は、同じく乙第46号証ないし乙第53号証を提出し、本件商標の「CD・R」の部分は、デザイン化された欧文字で構成されている等として「CD−R」であることを表わすと需要者をして認識させることはなく、それのみでも自他商品識別の機能を十分果し得るものと解するのが自然である旨述べているが、本件については上記認定のとおり、電子応用機械器具との関係においては、「CD・R」、「シーディーアール」の文字部分は商品の品質を表すに過ぎないものとみるのが相当である。

したがって、本件商標の指定商品中「電子応用機械器具及びその部品」についての登録は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものであり、本件登録異議申立てに係るその余の指定商品については、上記のとおり取り消すべき理由がないものであるから、同第4項の規定により登録を維持する。

よって、結論のとおり決定する。

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