結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2009−300910(T2009−300910/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2552280号商標(以下「本件商標」という。)は、「INQ」の文字を書してなり、昭和59年7月11日に登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、平成5年6月30日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成16年9月22日、第7類「起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,家庭用食器洗浄機,家庭用電気式ワックス磨き機,家庭用電気洗濯機,家庭用電気掃除機,電気ミキサー,電機ブラシ」、第9類「配電用又は制御用の機械器具,回転変流機,調相機,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品,磁心,抵抗線,電極」及び第11類「電球類及び照明用器具,家庭用電熱用品類」に書換登録がなされたものである。
請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を次のように述べた。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「電気通信機械器具,電子応用機械器具及びその部品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。
(2)弁駁の理由
被請求人の主張及び乙第1号証ないし乙第3号証は、本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用を証明するものではない。
まず、乙第1号証は、「ACOS−4/VX R6.1のリリースについて」と題する書面であるが、第1ページの右上に「NECグループ外秘」と表示されていること、また、同ページ下部中央に「本通知の内容は取扱注意事項であり、日本電気グループ外への開示を禁止する。」との表示があることからすると、内部使用目的の文書であり、顧客等の外部への提示・配布等がなされていない文書であることが明らかである。したがって、乙第1号証は、たとえ「INQ」の文字がそのどこかに表示されていたとしても、商品又は役務の販売・提供において外部に表示が行われることを前提とする、商標法第2条第3項に規定されている「使用」のいずれにも該当するものではない。
次に、乙第2号証は、「オーダーステータス」(「オーダステータス」の表記は、誤記と認める。以下同じ。)とされているが、これは明らかに被請求人が内部の事務処理の目的に使用しているデータベースのプリントアウトであり、顧客等に提供されるものではないし、「INQ」の表示が存在しない。
最後に、乙第3号証は、「ACOS−4/XVP PX R4.1のリリースについて」と題する書面であり、これをもって、乙第2号証の「品名」の欄に記載されている型名(「U4A174−01−G10」)が商品「INQ」であることを証するものであるとしているようであるが、係る説明は、商標法第2条第3項の「使用」を証明するものではない。
そして、乙第3号証は、第1ページの表示から明らかなとおり、平成9年のものであり、これ自体から本件審判の請求の登録前3年以内の本件商標の使用が証明され得るものではない。また、被請求人は、乙第2号証の品名に記載されている型名(「U4A174−01−G10」)が乙第3号証においてはプロダクト名「INQ」であるとされていることから本件商標の使用の事実を主張しているが、上記のとおり乙第2号証自体には「INQ」という記載は存在せず、また、当然、乙第3号証があるからといって、第2号証の型名の記載が「INQ」の表示と置き換えられ、又は同じものとみなされるものでもない。また、そもそも上記のとおり、乙第2号証は被請求人の内部文書であって取引資料でもない。乙第2号証及び第3号証はせいぜい、被請求人の内部で「INQ」と呼ばれていた製品を含む製品が2007年に受注されたことを示すだけであり、商標法第2条第3項に規定されている「使用」のいずれかに該当する行為が、本件商標について、乙第2号証に示された受注の時点(又は、その他、本件審判の請求の登録前3年以内)に行われた事実は、乙第1号証ないし同第3号証のいずれにおいても、証明されていない。
被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出した。
本件商標が使用される商品は、乙第1号証「製品通知」から明らかなように「データベース管理システム」であり、第9類の「電子応用機械器具及びその部品」に含まれている「電子計算機用プログラム」に該当する。本件商標が使用されている商品は、権利者である日本電気株式会社(以下「NEC」という。)が、市場に提供しているものである。そのことを証するものとして、2007年12月20日に受注したことが明記されている「オーダーステータス」(乙第2号証)を添付する。また、乙第2号証の品名に記載されている型名が商品「INQ」であることを証するものとして、「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」(型名の一覧表)(乙第3号証)を添付する。
乙第2号証記載の品名「U4A174−01−G10」が、乙第3号証の「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」の一覧表から明らかなように本件商標が使用されている該商品の型名として使用されていることを確認することができる。
また、乙第2号証より、この商品「INQ」がNEC内の営業ビジネスユニットに属する担当者が株式会社ココスジャパンより2007年12月20日付けで商品の受注を受けていることが明記されている。
以上に示した証拠から、本件商標は継続して3年以上日本国内にて「電子応用機械器具」に含まれる「電子計算機用プログラム」について使用していることは明白である。
被請求人は、本件商標を「電子計算機用プログラム」に使用していたと主張し、乙第2号証記載の品名「U4A174−01−G10」が、乙第3号証の「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」の一覧表から明らかなように本件商標が使用されている該商品の型名として使用されていることを確認することができる旨述べている。
しかしながら、乙第3号証は、乙第2号証より10年も前の資料であり、これをもって、直ちに、乙第2号証に記載の品名「U4A174−01−G10」が、プロダクト名「INQ」、日本語名称「データベース管理システムINQ」であると確認することはできない。
したがって、本件商標を上記指定商品に使用していたのであれば,その使用時期を明らかにする書面又は、本件商標の具体的な使用事実を立証する書面があるならば、提出されたい。
(1)被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。
ア 「製品通知」(乙第1号証)は、平成21年6月23日付け「NEC ITプラットフォーム販売推進部」に係る標題「ACOS−4/VX R6.1のリリースについて」のものであり、「このたびACOS−4/VX R6.1をリリースする運びとなりましたので通知致します。・・」とし、「資料のポイント」「関連通知」を記載している。そして、右上に「NECグループ外秘」、最下段に「本通知の内容は取扱注意事項であり、日本電気グループ外への開示を禁止する。」との記載がある。
また、「ACOS−4/VX プログラム・プロダクト概要」が添付されており、その「10.分類(B)のプログラム・プロダクト」の表には、「総称型名」欄に「U4D880−01ーGxx」、「プロダクト名」欄に「INQ」、「説明」欄に「データベース管理システムINQ」の記載がある。なお、その「時期」欄に「H16/12末」の記載があるが、「概要の見方」によると、当該プログラム・プロダクトの最初の出荷時期が記載されたものである。
イ 「オーダーステータス」(乙第2号証)には、注文主として「(株)ココスジャパン」が記載され、品名欄に「U4A174−01−G10」ほかの記載がある。そして、注文番号から始まる列の「更新」欄に「2007/12/20」との記載があることから、2007年12月20日に前記品名欄に記載の商品ほかの受注があったと推認される。
ウ 平成9年5月30日付けの標題を「ACOS−4/XVP PX R4.1のリリースについて」とする資料(乙第3号証)には、「このたびACOS−4/XVP PX R4.1をリリースする運びとなりましたので通知致します。・・」とし、「資料のポイント」「関連通知」を記載している。そして、「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」の一覧表が付いており、その中の一として、「総称型名」欄に「U4A174−01−Gxx」、「プロダクト名」欄に「INQ」、「日本語名称」欄に「データベース管理システムINQ」とする記載がある。
(2)以上の認定した事実よりすると、以下のことが認められる。
本件商標は、「INQ」の文字からなるものであるところ、上記(1)ア及びウにおける標章「INQ」は、これと同一の欧文字からなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認め得るものである。
ところで、商品「電子計算機用プログラム」について、本件審判請求の登録前3年以内(以下「本件期間内」という。)において受注を受けた事実を示すものとして提示された「オーダーステータス」(乙第2号証)には、本件商標に係る表示はみいだせない。そして、同証の品名欄に「U4A174−01−G10」の記載があることが認められるに止まるものである。
また、被請求人は、「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」の一覧表(乙第3号証)に記載の「U4A174−01−Gxx」と、上記「U4A174−01−G10」の記載をもって、本件商標が使用されている該商品の型名として使用されていることが明らかであると主張する。
しかしながら、そもそも、上記「分類(B)に分類されるプログラム・プロダクト」の一覧表を掲載した資料自体が、取引上どのような性格のものであるのか、そして、そこに記載された型式記号が需要者(取引者)とどのように関わりをもつものであるのかについて、当該資料の記載内容及び被請求人の主張からは判然としない。それのみならず、乙第3号証は、本件期間内よりも遙か以前の「平成9年5月30日」付けのものである。さらに、「製品通知」(乙第1号証)は被請求人の内部資料と推認されるものであり、上記乙第2号証の受注日よりも後日付けのものではあるが、本件期間内の「平成21年6月23日」付けの資料であるところ、その記載内において、プロダクト名「INQ」「データベース管理システムINQ」に対応する「総称型名」欄に、上記記号とは別異の「U4D880−01−Gxx」の記載があることが認められる。
以上を併せみると、受注を示す書類の品名欄にある「U4A174−01−G10」の記載が、本件期間内において、本件商標を使用した商品を直截的に指称する記号であることが明らかであるとはいい難いから、これをもって、本件商標が使用された商品「電子計算機用プログラム」が現に受注されたことを明らかにしたと認めることはできないといわざるを得ないものである。
なお、他に、本件商標の使用を示す証拠はみいだせず、また、不使用の正当理由に係る主張及び立証はない。
(3)被請求人は、前記4の審尋に対して、何らの応答がない。
(4)したがって、被請求人提出の証拠によっては、取消請求に係る指定商品について、本件期間内における本件商標の使用が明らかにされたと認めることができないから、本件商標は、取消請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録の取消しを免れないものである。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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