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Trademark Appeal Case

商標使用の立証要件

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−301350(T2009−301350/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4492176号商標の商標登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4492176号商標(以下「本件商標」という。)は、「PADS」のローマ字を標準文字で表してなり、平成12年7月3日に登録出願、第9類「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM・光ディスク・DVD・その他の記録媒体」を指定商品として、同13年7月19日に設定登録されたものである。

なお、本件審判の請求の登録は、同22年1月8日にされている。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。

1 請求の理由

本件商標は、請求人による調査の結果、審判請求前3年間に指定商品について使用された事実を発見できなかった。また、不使用について正当な理由があったとも認め難いものである。

2 弁駁

被請求人(商標権者)は、乙第1号証及び乙第2号証を提出して、本件商標を「コンピューターソフトウェア」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用していることを立証しようとしている。

しかしながら、乙第1号証は「PixelLive操作画面の一部」と称する印刷物であり、また、乙第2号証は「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」と称する印刷物であるところ、現今のようにパソコンやスキャナー及び複写機の使用により、カラー印刷を含め多種多様な印刷物が恣意的に自在に作成できる時代に、単に印刷物を提出して登録商標の使用の事実の証明となり得るのであれば、商標法第50条第2項が商標権者に要求する登録商標の使用の事実の証明は形式的なものとなりかねない。

(1)乙第1号証及び乙第2号証は、何れも先に指摘した類の印刷物であって、実際に商取引が行われた事実を証する発注書、受注書、請求書、納品書並びに領収書などの書面はなく、登録商標がその指定商品につき現実に使用された事実を被請求人は証明していない。

そもそも、乙第1号証及び乙第2号証として添付された印刷物は、被請求人により該当個所を強調するためと称して、「Celartem」、「Pads」、「PADS」、「at Tue Dec 18 17:13:292007」などの文字や数字が楕円で囲み印刷されており、また、「乙第1号証 1/5」ないし「乙第1号証 5/5」、「乙第2号証」の表示箇所も加入し印刷されているものであって、このように簡単に加工ができるものは客観的な証拠資料とは認められない。

(2)また、仮に、乙第1号証及び乙第2号証の印刷物が真正なものであるとしても、発注書、受注書、請求書、納品書並びに領収書などの書面が提出されていない以上、本件商標をその指定商品につき現実に使用したことの証明にはならない。例えば、製品として完成し、営業プレゼンテーション資料も用意したが、何らかの理由により結局、販売等には至らなかった場合には登録商標の使用とはならないからである。

(3)さらに、仮に、乙第1号証及び乙第2号証の印刷物が真正なものであって、かつ被請求人の主張するように本件商標を「コンピューターソフトウェア」に使用していると仮定しても、本件商標の指定商品は、商品区分第9類の「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM・光ディスク・DVD・その他の記録媒体」、すなわち、コンピュータプログラムを記憶させた「記録媒体」なのであって、コンピュータプログラムないしコンピューターソフトウェアそのものではないから、記録媒体における使用を立証していない乙第1号証及び乙第2号証の印刷物では、本件商標をその指定商品について使用していることの証明にはならない。

(4)しかも、被請求人の主張する「コンピューターソフトウェア」の商標は、被請求人が乙第1号証及び乙第2号証の印刷物について、それぞれ「PixelLive操作画面の一部」、「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」といっていることからも判かるように「PixelLive」なのであって、本件商標の「PADS」ではない。むしろ、「PADS」そのものを単独で販売等している証拠資料が提出されていないことから判かるのは、「PADS」は「PixelLive」と称して取り引きされるコンピューターソフトウェア全体の中での一機能を果たす或る部分を指し示しているにすぎず、それだけでは独立して商取引される商品であるとはいえないことから、本件商標を商品について使用しているということはできない。

(5)以上のとおり、被請求人は、本件商標をその指定商品である第9類「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM・光ディスク・DVD・その他の記録媒体」について、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において使用した事実を立証しておらず、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることの事実も明らかにしていない。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証及び乙第2号証を提出した。

〈答弁の理由〉

本件商標の商標権者である「株式会社セラーテムテクノロジー」は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内においてその請求に係る指定商品に包含される「コンピューターソフトウェア」について、本件商標を使用している。

1 本件商標の使用事実

(1)商標の使用者

乙第1号証「PixelLive操作画面の一部」の、プリントアウトの冒頭、太字のタイトルとして「Celartem::PFZInfoProvider Class Reference」が表示されている(該当箇所は、強調のための楕円により囲まれている。以下全ての証拠方法において同様である。)。

「Celartem」とは、商標権者の略称であり、商標権者により使用されていることが示される。

(2)使用に係る商品

乙第1号証「PixelLive操作画面の一部」、乙第2号証「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」が示すとおり、商標権者は「コンピューターソフトウェア」を販売している。

乙第1号証「PixelLive操作画面の一部」が示すとおり、本ソフトウェアには作業時のインターフェイスとして本件商標「PADS」が示されている。

(3)使用に係る商標

乙第1号証「PixelLive操作画面の一部」、乙第2号証「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」が示すとおり、多数の部分に本件商標「PADS」が示されている。なお、英小文字で表記されている箇所も、本件商標「PADS」とは社会通念上同一であると思慮する。

(4)使用時期

乙第1号証の末尾には、「at Tue Dec 18 17:13:29 2007」との記載があり、少なくとも2007年12月において商品の提供がなされていたことが表示されている。

したがって、本件審判請求の登録前3年以内の間において、商標法第2条第3項第8号の使用をしていた事実がある。

2 むすび

以上のとおり、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者により指定商品「コンピュータプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・CD−ROM・光ディスク・DVD・その他の記録媒体」に包含される「コンピューターソフトウェア」について使用していることが明らかである。

第4 当審の判断

乙第1号証は、「PixelLive操作画面の一部」とする全5頁からなる印刷物であり、コンピュータ言語が表示されており、これの冒頭部に「Celartem::PFZInfoProvider Class Reference」の表示のほか、コンピュータ言語中に、随所に楕円輪郭で囲まれた「Pads」や「PADS」の文字、及び5頁文末に「at Tue Dec 18 17:13:29 2007.」の表示などがされている事実は認められが、当該「PixelLive操作画面」がどのような場合に使用されるものであるかなどの具体的な説明はない。

また、乙第2号証は、「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」とするものであり、「システム構成例」の見出しの下、PixelLiveに係る構成図中に、楕円により囲まれた「Pads」の表示や右隅に「Celartem」が表示されているが、これの表紙や目次、奥付けなどは添付されておらず、これらがいつ頃作成されたものであるか、あるいはその頒布先や頒布状況などは一切不明である。

そうすると、乙第1号証及び乙第2号証によっては、本件商標の使用を立証し得ないものといわなければならない。念のため以下に、被請求人が主張する「1 本件商標の使用事実」における要証事項について検討する。

1 商標の使用者

被請求人は、乙第1号証の太字のタイトルとして記載されている「Celartem」の表示は商標権者の略称であると述べている。

確かに、商標権者の商号が「株式会社セラーテムテクノロジー」であることよりすれば、それに記載された「Celartem」及び乙第2号証の「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」のシステム構成例の欄外に記載された「celartem」の表示が、商号中の「セラーテム」の部分をローマ字表記したものと理解できる。

2 本件商標と使用商標の同一性について

「PixelLive操作画面の一部」(乙第1号証)のコンピュータ原語中及び「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」(乙第2号証)のシステム構成中には「Pads」や「PADS」の文字(以下これらをまとめて「使用商標」という。)が使用されている。

してみれば、本件商標「PADS」と使用商標とは社会通念上同一と認められる商標といえるものである。

3 使用に係る商品について

「PixelLive操作画面の一部」(乙第1号証)及び「PixelLive営業プレゼンテーション資料の一部」(乙第2号証)に掲載の使用商標の表示について、被請求人は「『PixelLive操作画面の一部』が示すとおり、本ソフトウェアには作業時のインターフェイスとして本件商標『PADS』が示されている。」旨述べている。

確かに、乙第1号証によれば、「PixelLive」の用途は明らかでないが、コンピュータ言語が表示されていること、また、乙第2号証によれば、「PixelSafe Server」「Pixellive Viewer」「SQL DB」「http sever」「変換APP/Pixellive/SDK」等で構成されるコンピュータシステム上で使用されるものであるから、当該「PixelLive」がコンピュータソフトウェアであることが認められる。

しかしながら、乙第1号証の使用商標の表示は、当該「PixelLive」に係る画像処理操作における一機能による一操作(作業時のインターフェイス(以下「使用商品」という。))を表示するコンピュータ言語中で使用されているものである。また、乙第2号証では「PixelSafe Server」を構成する一部のサーバー等の名称として使用されているものである。

加えて、該インターフェイスがマンマシンインターフェイスであるとしても、その使用目的、用途が明らかでなく、また、その販売方法、販売価格なども明らかでない。

してみれば、使用商品が「PixelLive」がコンピュータソフトウェアであるとしても、使用商標が表示された使用商品は、市場において独立して商取引の対象として流通に供されたとは認められない。

4 使用時期

被請求人は、「PixelLive操作画面の一部」(乙第1号証)の5頁文末においての「at Tue Dec 18 17:13:29 2007.」の記載をもって、少なくとも2007年12月において商品の提供がなされていたとし、本件審判請求の登録前3年以内の間に本件商標の使用をしていた事実があると述べている。

しかしながら、仮に乙1号証の「at Tue Dec 18 17:13:29 2007.」の記載が、「PixelLive」の操作のために使用される操作画面にアクセスした日時を示すものであるとしても、本件商標の使用について商標法第2条第3項に規定する行為を行ったものとはいえない。

してみれば、「PixelLive操作画面の一部」(乙第1号証)の該「at Tue Dec 18 17:13:29 2007.」の記載をもって、本件商標の使用をしていた時期は特定されないといわなければならない。

その他、被請求人提出に係る証拠からは、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標を使用していたことを確証付けるものは見出せない。

してみれば、本件審判請求の登録前3年以内に本件商標の使用をしていたとは認められない。

5 まとめ

以上のとおり、被請求人の提出した証拠からは、被請求人は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについての本件商標の使用をしていたことを証明し得たものとすることはできない。

また、被請求人は、本件商標の使用をしていないことについて、正当な理由があることを明らかにしていない。

したがって、本件商標は、商標法第50条の規定により、その登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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