Trademark Appeal Case
ドメイン名と商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2008−19906(T2008−19906/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「MIZUHO.NET」の文字を標準文字で表してなり、平成13年1月11日に登録出願された商願2001−6532号に係る商標法第10条第1項の規定による分割出願として、第35類及び第37類ないし第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定役務として、平成18年5月29日に登録出願され、その後、指定役務については、同18年12月26日付けの手続補正書をもって、第38類及び第39類に属する指定役務を変更し、最終的に別掲(1)に示すとおりの役務に補正されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定が本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして引用した登録商標は、以下の(1)ないし(8)に示すとおりであり、それぞれの商標権は、現に有効に存続しているものである。
なお、これら引用した登録商標を一括して、以下「引用各商標」という。
(1)登録第3000902号商標(特例商標)
商標の構成:「みずほ」
登録出願日:平成4年9月18日
設定登録日:平成6年7月29日
更新登録日:平成16年4月6日
指定役務 :第39類「旅客車による輸送」
(2)登録第4451446号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年2月9日
指定役務 :別掲(2)に示すとおりの役務
(3)登録第4457745号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年3月9日
指定役務 :別掲(3)に示すとおりの役務
(4)登録第4457746号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年3月9日
指定役務 :別掲(4)に示すとおりの役務
(5)登録第4474910号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年5月18日
指定役務 :別掲(5)に示すとおりの役務
(6)登録第4474911商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年5月18日
指定役務 :別掲(6)に示すとおりの役務
(7)登録第4474912号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年5月18日
指定役務 :別掲(7)に示すとおりの役務
(8)登録第4478383号商標
商標の構成:「MIZUHO」(標準文字)
登録出願日:平成11年12月16日
設定登録日:平成13年6月1日
指定役務 :別掲(8)に示すとおりの役務
3 当審の判断
(1)本願商標と引用各商標との類否について
本願商標は、「MIZUHO.NET」の文字を標準文字で表示してなるところ、その構成中の「MIZUHO」の文字と「NET」の文字との間には、「.」(ピリオド)が存在することから、両文字部分は視覚的に分離して看取されるものである。
そして、その構成中「MIZUHO」の文字部分は、「みずみずしい稲の穂」(株式会社岩波書店「広辞苑第六版」)の意味を有する漢字「瑞穂」の字音の欧文字表記と認められるものであり、また、「NET」の文字部分は、その小文字表記である「net」の文字が、「インターネット(the Internet)」の略称「net」(ネット)(「YAHOO!JAPAN辞書検索」による)であること、さらに、「.net」の表記が、分野別トップレベルドメイン(gTLD:generic TLD)の一つであって、ネットワーク用として世界の誰もが登録でき、使用されているものであること(http://www.nic.ad.jp/ja/dom/types.html、http://www.nic.ad.jp/ja/dom/system.html)が認められる。
そして、これに関しては、本願商標と共通の原出願に基づく分割出願として登録出願された、商願2005−109170号に関する不服の審判(不服2007−24967号事件)に係る「知財高裁、平成21年1月28日、平成20年(行ケ)第10258号判決」(以下「判決」という。)によれば、「本願商標の構成中『NET』の文字部分は、『インターネット』に通ずる英語『Internet』の略称『net』の大文字表記と認識され、さらに、本願商標の構成中の『.NET』の文字部分は、トップレベルドメイン名である『.net』の大文字表記と認識されるというべきであるから、本願商標の構成中の『NET』ないし『.NET』の文字部分は、取引者、需要者において、独立して役務の出所識別標識として認識されるものではないといえる」旨判示しているところである。
さらにまた、それぞれ上記意味を有する語とを結合した本願商標全体からは、特定の観念は生じないというべきである。
加えて、近年、インターネットの普及に伴い、自己のサービスを提供する手段及び需要者がサービスを受ける手段としてインターネットを利用するケースが増加していることが認められるところ、本願の指定役務は、大半が第35類及び第37類ないし第42類に属する「情報の提供」に関する役務であって、該役務についても同様に、インターネットを通じて「情報の提供」が広く一般に行われているところである。
そうとすると、本願商標の構成中の「NET」ないし「.NET」の文字部分は、その指定役務との関係においては、単に役務の質、提供の方法を表示するものであるから、独立して自他役務の出所識別標識としての機能を果たし得ないものと認められる。
してみれば、本願商標は、その構成中、独立して自他役務の出所識別標識としての機能を果たす前半部の「MIZUHO」の文字部分を分離・抽出し、該文字部分に相応して、「ミズホ」の称呼及び「みずみずしい稲の穂」の観念が生ずるものと言わざるを得ない。
他方、引用各商標は、「みずほ」の平仮名文字、あるいは「MIZUHO」の欧文字よりなるものであるから、これらからは、いずれも「ミズホ」の称呼及び「みずみずしい稲の穂」の観念が生ずるものである。
そこで、本願商標と引用各商標との類否を検討するに、本願商標と引用各商標(登録第3000902号商標を除く)とは、その構成中、自他役務の出所識別標識としての機能を果たす「MIZUHO」の文字を同じくするから、その外観、称呼及び観念のいずれの点からみても、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であり、また、本願商標と引用商標(登録第3000902号商標)とは、外観上の差異があるとしても、上記したとおり、その称呼及び観念を共通にする、互いに相紛れるおそれのある類似の商標であるといわざるを得ない。
また、本願商標の指定役務中には、引用各商標の指定役務と同一又は類似するものを包含するものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、「原出願の拒絶査定不服審判段階(不服2003−5821号)の審尋において、原出願に対する拒絶の理由(商標法4条1項15号違反)は、その指定役務から『第36類』に属する役務を全て削除した場合には解消する旨記載されている。ところで、本願の指定役務中には、『第36類』に属する役務は存在しない。したがって、本願商標は登録されてしかるべき」旨主張する。
しかしながら、原出願の拒絶査定不服審判段階での審査経緯は、本願についての審査・審判の手続ではないこと、別件審決において判断された原出願の拒絶理由(商標法4条1項15号違反)と本件審決において上記のとおり判断した本願の拒絶理由(商標法4条1項11号違反)とは別の理由であり、判断の基準時点も異なることからすれば、原出願の拒絶査定不服審判段階での審査経緯が本願の判断に何ら影響を与えるものではない。
そして、これについても、前記判決において同様に判示されているところである。
したがって、請求人の主張は採用することができない。
(3)結び
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとする原査定は、妥当であって、取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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