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商標「アボン」の称呼の類似性と音の差異(第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号|審判異議2000−90114(T2000−90114/J7))

審判番号
異議2000−90114(T2000−90114/J7)
審判種別
異議

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「アボン」
争点(論点)
称呼の類似性と音の差異
適用条文
第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号
指定商品・役務の区分
第5類
最終結論
登録維持(敗訴(請求棄却))

この審決(審判異議2000−90114(T2000−90114/J7)・異議)は、本件商標「アボン」について、商標法第4条第1項第11号・第4条第1項第10号・第4条第1項第19号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の類似性と音の差異」です。指定商品・役務は第5類に属します。特許庁は「登録第4324991号商標の登録を維持する」と判断しました(登録維持)。他人の周知・著名な商標と出所混同を生じるおそれがないか、出願前に使用状況まで含めて確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4324991号商標の登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4324991号商標(以下「本件商標」という。)は、平成10年9月30日に登録出願され、「アボン」の文字と「ABON」の文字とを併記してなり、第5類「薬剤,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,包帯,ばんそうこう」を指定商品として、平成11年10月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

昭和37年6月2日に登録出願され、「AVON」の文字を横書きしてなり、第4類「歯みがき、化粧品(薬剤に属するものを除く)香料類」を指定商品として昭和43年2月20日に設定登録されている登録第771203号商標(以下「引用商標(1)」という。)は、申立人の業務に係る「化粧品」を表示するものとして需要者の間に広く認識さえ、かつ著名になっているところ、本件商標は、引用商標(1)と類似し、その指定商品も類似するものであり、本件商標をその指定商品に使用した場合、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、商標法第4条第1項第10号及び同第15号に該当する。

さらに、本件商標をその指定商品に使用することは、著名な引用商標(1)の出所表示機能を希釈化させ、その名声が減ぜられるおそれがあり、不正の目的をもって使用するものであるから、同法第4条第1項第19号に該当する。

また、本件商標は、平成1年7月12日に登録出願され、横長楕円形内に「Kowa」の文字を表し、その下部に「アゴン」の文字と「AGON」の文字とを二段に横書きしてなり、第1類「化学品、薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成4年7月31日に設定登録されている登録第2432576号商標(以下「引用商標(2)」という。)と類似し、その指定商品も同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。

3 当審の判断

本件商標は、「アボン」と「ABON」の文字よりなるものであり、該構成文字に相応して「アボン」と称呼されるものであって、特定の語意を有しない一種の造語よりなるものと認められる。

異議申立人(以下「申立人」という。)が提出した証拠を徴するに、引用商標(1)は、「AVON」の文字よりなるものであり、化粧品について使用され、該構成文字は「エイボン」、「エーボン」と称呼され、取引者、需要者の間に広く認識され、著名になっていると認め得るものであるが、該構成文字は、「アボン」又は「アーボン」の称呼をもって取り引きされているものとは認められないものである。

そこで、本件商標より生ずる「アボン」の称呼と引用商標(1)より生ずる「エイボン」及び「エーボン」の称呼とを比較すると、いずれも簡潔な称呼であって、印象に強い先頭部分において、「ア」と「エイ」又は「ア」と「エー」の音の違いがあるため、その語調、語感が相違し、互いに紛れるおそれはないものと認められる。

そうすると、本件商標は、引用商標(1)と称呼が類似する商標とはいえないものである。

また、本件商標と引用商標(1)は、前記の構成のものであって、その外観及び観念において類似するものとも認められないから、非類似の商標といわなければならない。

そして、引用商標(1)が「化粧品」について使用され需要者の間に広く認識されているとしても、本件商標の指定商品は、「化粧品」とは、製造者、取引系統、販売場所などを異にしているから、本件商標をその指定商品ついて使用した場合、需要者において引用商標(1)を想起して、申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのごとく、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものと判断するのが相当である。

さらに、本件商標は、他人の業務に係る商標として需要者の間に広く認識されている商標と同一又は類似するものでなく、不正の目的(不正な利益を得る目的、他人に損害を加える目的その他不正の目的)をもって使用するものとは認められない。

また、引用商標(2)は、前記のとおりの構成よりなるものであり、その構成中の「アゴン」、「AGON」の文字部分は、独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし、この文字部分に相応して「アゴン」の称呼を生ずるものと認められる。

そして、本件商標の「アボン」の称呼と引用商標(2)の「アゴン」の称呼は、相違するしている第2音「ボ」と「ゴ」の音質、音感の差により、その語調、語感が異なって聴かれ、互いに紛れるおそれはないと認められる。

また、本件商標と引用商標(2)とは、前記した構成のものであって、他に称呼において紛らわしいとすべきところはなく、その外観及び観念においても類似するものでない。

そうすると、本件商標は、引用商標(2)と類似しない商標といわざるをえない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、商標法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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