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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900091(T2010−900091/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5294247号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5294247号商標(以下「本件商標」という。)は、「クールボス」の片仮名文字を標準文字で表してなり、平成21年6月23日に登録出願、第25類「通気機能を備えた作業服,洋服,コート」を指定商品として、同年11月24日に登録査定、同22年1月15日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由(要点)

(1)登録異議申立人の引用する商標

登録異議申立人「フーゴ・ボス・トレード・マーク・マネージメント・ゲー・エム・ベー・ハー・ウント・コー・カー・ゲー」(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する商標は、次のとおりの商標であり、いずれも現に有効に存続しているものである(以下、これらの商標を一括して「引用各商標」という。)。

(ア)登録第695865号商標は、「BOSS」の欧文字を横書きしてなり、昭和39年3月28日に登録出願、第17類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同41年1月22日に設定登録されたものである。その後、4回にわたり商標権の存続期間の更新登録がなされ、指定商品については、平成18年4月5日に第24類「布製身の回り品,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布」及び第25類「洋服,コート,セーター類,ワイシャツ類,寝巻き類,下着,水泳着,水泳帽,和服,エプロン,えり巻き,靴下,ゲートル,毛皮製ストール,ショール,スカーフ,足袋,足袋カバー,手袋,布製幼児用おしめ,ネクタイ,ネッカチーフ,バンダナ,保温用サポーター,マフラー,耳覆い,ずきん,すげがさ,ナイトキャップ,ヘルメット,帽子」とする書換登録がされているものである。

(イ)国際登録第773035号商標は、「BOSS」の欧文字を横書きしてなり、2001年8月16日に国際商標登録出願、別掲(1)のとおり、第9類、第14類、第18類、第24類、第25類及び第28類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年2月28日に設定登録されたものである。

(ウ)国際登録第782587号商標は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2001年11月9日にドイツ国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2002年5月7日に国際商標登録出願、別掲(2)のとおり、第9類、第18類及び第25類に属する国際登録に基づく商標権に係る商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成15年8月1日に設定登録されたものである。

(2)商標法第4条第1項第8号について

本件商標は、申立人の著名な略称「BOSS(ボス)」を含むものであるにもかかわらず、本件商標を登録することについて申立人の承諾を得ていない。

(3)商標法第4条第1項第11号について

本件商標構成中の「クール」の語は「冷たい、素敵な、かっこいい」等という意味を表す語として当業者及び需要者に浸透した観念であることは顕著なところである。

したがって、本件商標は、「ボス」の部分が商標の要部と認識されるため、申立人の所有に係る引用各商標と類似するものであり、その商標に係る指定商品と同一若しくは類似の商品について使用するものである。

(4)商標法第4条第1項第15号について

本件商標は、著名な引用商標「BOSS」の片仮名表記である「ボス」を要部とするものであるから、取引者・需要者が本件商標を付したその指定商品に接した場合には、申立人あるいはヒューゴボスジャパンと経済的又は組織的に何らかの関係がある者の業務に係る商品であるかの如くその商品の出所について誤認混同させるおそれがある。

(5)商標法第4条第1項第19号について

商標権者が本件商標をその指定商品について使用した場合、「BOSS」商標に化体した信用、名声、顧客吸引力等を毀損させるおそれがあることは明らかである。

(6)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号に違反して登録されたものであるから取り消されるべきである。

3 当審の判断

(1)商標法第4条第1項第8号について

申立人は、「BOSS/ボス」の文字は、申立人の著名な略称である旨を主張しているものである。

しかしながら、申立人の提出に係る甲各号証によれば、「HUGO BOSS/ヒューゴボス(フーゴボス)」の文字が申立人の略称として使用されている事実は認められるとしても、「BOSS/ボス」の文字が申立人の略称として用いられ、著名になっているものとは認められない。

してみれば、本件商標は、申立人の著名な略称を含む商標ということはできない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号に違反してされたものとはいえない。

(2)商標法第4条第1項第11号について

本件商標は、前記のとおり「クールボス」の片仮名文字よりなるところ、該文字は、同書、同大、等間隔をもって一連に軽重の差なく表示されており、その称呼も冗長ではなくよどみなく一連に称呼し得るものである。

そして、たとえ、構成中の「クール」の語が「冷たい、素敵な、かっこいい」といった意味合いを表す場合があるとしても、かかる構成においては特定の商品の品質等を具体的に表示するものとして直ちに理解し得るものともいい難いところであるから、むしろ、その構成全体をもって一体不可分の造語として認識し把握されるとみるのが自然であり、他に構成中の「ボス」の文字部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事情は見出せない。

そうとすれば、本件商標は、その構成文字全体に相応して「クールボス」の一連の称呼のみを生ずるものといわなければならない。

これに対し、引用各商標は、前記あるいは別掲(2)に示したとおり、いずれも、「BOSS」の文字をその構成要素に有するものであるから、該構成文字に相応して「ボス」の称呼を生ずるものと認められる。

そうすると、本件商標より生ずる「クールボス」の称呼と引用各商標より生ずる「ボス」の称呼とは、音構成、構成音数において著しい差異が認められるものであるから、称呼上相紛れるおそれはないものといわなければならない。

また、本件商標と引用各商標とは、外観及び観念においても類似とすべき点は見当たらない。

してみれば、本件商標は、引用各商標と外観、称呼及び観念のいずれからみても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものとはいえない。

(3)商標法第4条第1項第15号について

申立人の提出に係る甲各号証によれば、本件商標の登録出願時において、「HUGO BOSS」の文字からなる商標あるいは「HUGO BOSS」の文字の上段に大きく表された「BOSS」の文字からなる商標が、申立人の業務に係る男性用被服等を表示する商標として、我が国における取引者、需要者の間においても広く認識されていたことは認められるとしても、片仮名表記された「ボス」の文字のみからなる商標が申立人の業務に係る商品の商標として、取引者、需要者の間において広く知られていたものとはいえない。

しかも、上記したとおり、本件商標と上記商標を含む引用各商標とは、十分に区別し得る別異の商標というべきものであるばかりでなく、「ボス」の語は、我が国においても「親分、実力者」等を意味する語として日常一般に極めて親しまれて用いられている成語である。

そうとすれば、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人あるいは同人と経済的若しくは組織的に何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号に違反してされたものとはいえない。

(4)商標法第4条第1項第19号について

引用各商標が申立人の業務に係る商品を表すものとして広く知られていたものであるとしても、本件商標が引用各商標に類似するものといえないことは前記(2)及び(3)に記載したとおりである。

そして、「BOSS/ボス」の語は、我が国においても「親分、実力者」等を意味する語として日常一般に極めて親しまれて用いられている成語であって、申立人の創作に係る造語でもなく、また、申立人提出の甲各号証によるも、本件商標が引用各商標に依拠し、不正の目的をもって使用するものであることを認めるに足る証拠も見出し得ない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第19号に違反してされたものとはいえない。

(5)まとめ

以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第8号、同第11、同第15号及び同第19号に違反してされたものでないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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