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Trademark Appeal Case

結合商標の要部と類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900110(T2010−900110/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5297008号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5297008号商標(以下「本件商標」という。)は、「CLEOPATRA’S DREAM」の欧文字と「クレオパトラの夢」の文字を二段に併記してなり、平成21年2月2日に登録出願され、同年9月10日に登録査定、第3類「石けん類,化粧品,香料類,歯磨き」を指定商品として、平成22年1月29日に設定登録されたものである。

2 引用商標

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録第446105号商標(以下「引用商標1」という。)は、「クレオパトラ」の片仮名文字を縦書きしてなり、昭和28年7月14日に登録出願、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和29年6月12日に設定登録され、その後、4回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については平成17年3月9日に、第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(2)同じく、登録第1795576号商標(以下「引用商標2」という。)は、「CLEOPATRA」の欧文字と「クレオパトラ」の片仮名文字を二段に併記してなり、昭和57年12月8日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、昭和60年7月29日に設定登録され、その後、2回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については平成17年3月16日に、第3類及び第30類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

(3)同じく、登録第613454号商標(以下「引用商標3」という。)は、「CLEOPATRA」の欧文字と「クレオパトラ」の片仮名文字を二段に併記してなり、昭和36年2月3日に登録出願、第4類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和38年5月20日に設定登録され、その後、4回に亘り商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については平成14年12月25日に、第3類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。

3 登録異議申立ての理由

申立人は、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当するものであるから、同法43条の2の規定により取り消されるべきであると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号ないし第6号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)本件商標の構成

本件商標は、「CLEOPATRA’S DREAM」の文字と「クレオパトラの夢」の文字とを上下二段に併記してなるものである。そして、上記「CLEOPATRA’S DREAM」の文字部分からはその下段の文字が意味する「クレオパトラの夢」の意味合いが看取されるものである。

ところが、本件商標の構成文字は、既成語ではなく、「クレオパトラの夢」の観念については、歴史上、これがどのような夢であったかなどは、全く知られていないものである。

つまり、本件商標の「CLEOPATRA’S DREAM」及び「クレオパトラの夢」の文字は、既成語ではなく、慣れ親しまれた語でもないから、字義どおりに単に「クレオパトラの夢」の意味合いが理解されるにすぎないとみるべきものであり、本件商標の観念上の一体性は、弱いものである。

(2)引用各商標の周知著名性

引用各商標は、永年の使用の結果、本件商標の出願時には、既に一般需要者、取引者に広く認識された周知著名商標に至っていたものである。

引用各商標が周知著名な商標である事実は、申立人が他者の商標登録に対して、引用商標1及び2を引用し、登録無効審判の請求をなした事件の審決においても認められているところである(甲第5号証)。

当審判事件は、平成19年に審決がなされたばかりのものであり、申立人が「化粧品、せっけん類」等を指定商品とする「クレオパトラ」の文字を合む他者の登録商標に対して登録無効の請求をし、その結果、当該登録商標は、商品の出所の混同が生ずるものとの認定がなされ、登録を全部無効とする審決がなされたのである。

上記登録無効審判事件の審決の内容は本件登録異議申立ての審理にも十分に参酌されるべきである。

なお、甲第6号証に示す申立人の最近の商品パンフレットをみても分かるとおり、申立人は、引用各商標を現在でも化粧品やせっけん類について継続して使用中であり、引用商標1及び2の「化粧品」についての使用期間は、昭和29年(1954年)以来、56年の長期にわたるものである。

上記諸事実を総合的に勘案するならば、引用各商標は、本件商標の出願時には、既に申立人の取扱に係る化粧品を表示するものとして需要者及び取引者の間に広く認識されるに至っており、周知著名な商標とみるべきである。

(3)本件商標の指定商品

本件商標の指定商品は、「石けん類、化粧品、香料類、歯磨き」であるところ、引用各商標の使用商品は、「石けん類、化粧品、香料類、歯磨き」のすべて又はいずれかを含んでいるものであるから、本件商標は、引用各商標の指定商品と抵触しているものである。

その上、前記無効審判事件の審決において「化粧品」と「石けん類、香料類、歯磨き」とは、「その生産者、販売者、取引系統を同一にすることの多い商品であるから、両者は、その需要者、取引者において共通性を有するものということできる。」と認定されているのである。

(4)結論

以上の事実より、申立人の周知著名商標を一部に有する本件商標は、申立人又は申立人と経済的又は組織的に何等かの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く商品の出所について混同を生ずるおそれがあるものとみるべきである。

(5)証人尋問

引用各商標の周知著名性に関して、本件通常使用権者の「明化産業株式会社」より代表取締役1名を証人として証人尋問を申し立てる。

4 当審の判断

(1)引用各商標の周知著名性について

ア 申立人は、引用各商標は申立人が永年、化粧品等に使用した結果、本件商標の出願時には既に周知著名になっていたものである旨主張し、証拠(甲第1号ないし第6号証)を提出しているので、以下、該証拠について検討する。

(ア)甲第1号証は、本件商標に関する公報の写しであり、引用各商標の周知性とは直接関係するものではない。

(イ)甲第2号証の1及び2は、引用商標1の商標登録原簿の写し及びその公報であり、甲第3号証の1及び2は、引用商標2の商標登録原簿の写し及びその公報であり、甲第4号証の1及び2は、引用商標3の商標登録原簿の写し及びその公報であって、いずれも引用各商標の周知性とは直接関係するものではない。

(ウ)甲第5号証は、無効2006−89158号の審決公報の写しであるところ、申立人は該審決に沿って引用商標1及び2が周知著名であることを主張しているが、引用各商標が商標法第4条第1項第15号に該当するというためには、引用各商標が本件商標の出願時及び査定時において、使用による周知・著名性を獲得していたことを証拠と共に証明しなければならないところ、該審決公報の写しの提出だけであり、それを裏付ける証拠の提出はない。

(エ)甲第6号証は、申立人の取り扱う化粧品「CLEOPATRA COSMETICS」に関するパンフレットであると認められ、裏表紙に「07−02−25」の記載があることからすると、印刷日ないし発行日は2007年(平成19年)2月25日であると認められる。

イ 上記甲各号証によれば、引用各商標が、化粧品、せっけん類について使用されていること自体は推認できるものの、該商品についての宣伝広告の期間・地域・規模・媒体等、販売の期間・数量・地域、売上高、市場占有率等、具体的な事実が一切不明であり、これらの証拠をもって、引用各商標が本件商標の登録出願時及び登録査定時(平成21年9月10日)において、我が国において取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは到底認めることができない。

ウ その他、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されていることを認める証拠はない。

(2)本件商標と引用各商標との類似性について

ア 本件商標は、前記1のとおり、「CLEOPATRA’S DREAM」及び「クレオパトラの夢」の文字よりなるところ、構成各文字は、それぞれ同じ書体、同じ大きさで表されていて、外観上纏まりよく一体的に看取し得るものであるから、各構成文字に相応して「クレオパトラズドリーム」及び「クレオパトラノユメ」の各称呼を生じるものであり、また、観念については、「クレオパトラの夢」程の意味合いを直観させる場合があるとしても、特定の読みをもって親しまれた既成語とは認められないから、むしろ、一種の造語と判断するのが相当である。

なお、申立人は、両語は既成語ではなく、慣れ親しまれた語でもないから、本件商標の観念上の一体性は弱い旨主張しているが、「クレオパトラズドリーム」及び「クレオパトラノユメ」の各称呼は、よどみなく一連に無理なく称呼し得るものであり、申立人の主張のみでは、本件商標から「クレオパトラ」の称呼をも生ずるものと認めることはできない。

イ 他方、引用商標1は、前記2(1)アのとおり、「クレオパトラ」の文字よりなるところ、これよりは、「クレオパトラ」の称呼を生じ、「クレオパトラ(エジプト最後の女王)」の観念を生ずるものというべきである。

また、引用商標2及び3は、前記2(1)イ及びウのとおり、「CLEOPATRA」及び「クレオパトラ」の文字よりなるものであるから、これよりは、「クレオパトラ」の称呼を生じ、「クレオパトラ(エジプト最後の女王)」の観念を生ずるものというべきである。

ウ そこで、本件商標と引用各商標とを比較するに、両商標は、外観上区別できる程度に相違し、称呼においては、本件商標の称呼が「クレオパトラズドリーム」及び「クレオパトラノユメ」であるのに対し、引用各商標の称呼は「クレオパトラ」であることから、両称呼は、語尾における「ズドリーム」ないし「ノユメ」の音の有無の差異により、両称呼を一連に称呼した場合であっても十分に聴別でき、また、観念においては、本件商標から格別の観念は生じないことから比較すべきところがない。

してみれば、本件商標と引用各商標とは、その外観、称呼及び観念のいずれよりみても、相紛れるおそれのない別異の商標であるというべきである。

エ そうすると、本件商標をその指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、引用各商標ないし申立人を連想、想起するようなことはなく、本件商標の商品が申立人又は申立人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれはないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。

(3)証人尋問について

なお、申立人は、明化産業株式会社の会社員「並河栄三」の証人尋問を申し立てているが、これが結論に影響を及ぼすものとは認められず、かつ、本件については上記のとおりに判断し得るものであるから、証人尋問の申立はは採用しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第15号の規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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