Trademark Appeal Case
丸囲みBマークの類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900137(T2010−900137/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5302595号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、平成21年9月3日に登録出願され、第9類「デプスゲージ,タイヤ内の空気圧測定器」、第12類「自動車並びにその部品及び附属品,自動車用タイヤ,再生された自動車用タイヤ,自動車用チューブ,自動車用ホイール及びリム,自動車タイヤ再生用のトレッドラバー,タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片,二輪自動車・自転車並びにそれらの部品及び附属品,二輪自動車用タイヤ,二輪自動車用チューブ,二輪自動車用ホイール及びリム,自転車用タイヤ,自転車用チューブ,自転車用ホイール及びリム,二輪自動車タイヤ・自転車タイヤ再生用のトレッドラバー,航空機並びにその部品及び附属品,航空機用タイヤ及びチューブ,航空機タイヤ再生用のトレッドラバー,緩衝器」、第35類「自動車並びに自動車用タイヤその他の自動車用部品及び附属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供 」及び第37類「タイヤの再生,自動車部品の点検又は取付け整備,自動車の修理又は整備」を指定商品及び指定役務として、平成22年2月5日に登録査定、同年2月19日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する国際登録第835233号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2003年9月8日に国際商標登録出願され、第7類「Exhausts, essentially consisting of fan-bends, centerpieces and mufflers.」、第12類「Automobiles and their components; accessories for automobiles, namely, car tires and rims; springs; shock absorbers and spring struts for chassis of automobiles; gearshift levers and gearboxes for automobiles; steering wheels; seats and head restrains for motor vehicles; spoilers; side coverings for automobiles; tail aprons for automobiles.」及び第37類「Tuning of motor vehicles and carrying out modifications of the engine, body wheels and/or interior trim of mass-produced motor vehicles or parts thereof; painting of motor vehicles or parts thereof; installation of interior trim for motor vehicles, all said services only included in this class, such modifications not implying a change in their essential properties.」を指定商品及び指定役務として平成17年12月22日に設定登録されたものである。
3 登録異議申立ての理由の要点
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号に該当するものであるから、その登録は、同法第43条の2第1号により、取り消されるべきものであると申し立て、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし第8号証を提出した。
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標とは、やや横長の極太書体で表された特徴的な「B」の欧文字及びこれを丸状の輪郭枠で囲んだ全体構成という出所識別標識としての機能を果たす特長を共通にし、外観上の印象が極めて似通っている(なお、本件商標は色彩が付されているが、色彩は特徴的なものではない。また、引用商標は、実使用においては黒色を基調に使用されており、本件商標の文字と共通する)。また、両商標からは上記構成に相応して「マルビー」との共通の称呼が生じる。そして、両者はともに丸で囲まれた「B」マークといった程の観念が生じる。よって、本件商標と引用商標は、外観、称呼及び観念において類似し、かつ、本件商標の指定商品及び指定役務は、引用商標の指定商品及び指定役務と同一又は類似のものである。
(2)商標法第4条第1項第15号について
引用商標は、申立人の「自動車並びにその部品及び附属品」、特にチューニングカーに係る商標として我が国の自動車愛好者、高級車のユーザー層において極めて著名であり、一般の自動車需要者層にとってもあこがれのブランドとなっている。また、本件商標の指定商品及び指定役務中の第12類「タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」及び第35類「自動車並びに自動車用タイヤその他の自動車用部品及び附属品の小売り又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、チューニングカー及びそのパーツと極めて密接な関連性を有することから、本件商標をその指定商品及び指定役務中の上記商品及び役務に使用するときは、商品及び役務の出所の混同を生ずるおそれがある。
(3)商標法第4条第1項第19号について
本件商標の権利者は、引用商標が特にマニアや富裕層といった先進的なユーザー層に人気があることや、一般需要者が引用商標に対して抱いているあこがれにあやかろうとする意図が推認できるものであり、かかる意図は不正の目的をもって使用するものといえる。
4 当審の判断
(1)本件商標の商標法第4条第1項第11号該当性について
本件商標は、別掲(1)のとおり、赤色地の円の中に六角形をその各頂点が円周に接するように白抜きし、その六角形中に黒色で立体的に表された肉太の「B」の文字を配した構成からなるところ、該文字部分と比べ、赤色地の円と白抜きの六角形部分が看者の注意を強く惹き、かつ、印象に残るのに対し、引用商標は、別掲(2)のとおり、細線で描かれたありふれた円形の輪郭内に、右側及び下側の輪郭を二重に書してなるエジプシャン書体風の「B」の白抜き文字を配した構成からなるところ、円形の輪郭部分に格別顕著なところはないから、「B」の文字部分のみが看者の印象に残るものといえる。
そうすると、両商標は、これらの顕著な差異により、看者に別異の印象を与え、これを時と処を異にして観察しても容易に区別することができ、外観上、彼此相紛れるおそれはないものというべきである。
また、両商標とも、親しまれた既成の観念を有する事物、事象を表したものとはいえず、特定の称呼及び観念は生じないものというべきであるから、称呼及び観念上も比較すべくもない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点からみても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)本件商標の商標法第4条第1項第15号該当性について
申立人は、引用商標が申立人の「自動車並びにその部品及び附属品」、特にチューニングカーに係る商標として著名となっている旨主張し、証拠(甲第3ないし第7号証)を提出している。
しかしながら、申立人の提出に係る証拠は、本件商標の登録出願後である2010年8月13日にプリントアウトされたウェブサイトの写しと認められるばかりでなく、これらを精査してみても、引用商標は、「BRABUS」の文字と共に又は付記的に使用されているにすぎず、それ自体が独立して自他商品の識別標識として機能を果たすような態様で使用されている例は殆ど見当たらない。
しかも、引用商標を使用した商品についての、具体的な販売数量、販売地域、売上高、市場占有率、宣伝広告の期間・地域・規模・媒体等や引用商標の具体的な使用態様等は一切不明である。
そうすると、申立人の提出に係る証拠によっては、引用商標が、本件商標の登録出願時及び査定時において、申立人の業務に係る商品を表示する商標として、我が国の取引者、需要者の間に広く認識されていたものとは認められない。
他に、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として、取引者、需要者の間に広く認識されているものと認めるに足る証拠はない。
加えて、本件商標と引用商標とは、上記(1)のとおり相紛れるおそれのない非類似の商標であって、別異のものといえる。
かかる事情の下において、本件商標をその指定商品及び指定役務中の第12類「タイヤ又はチューブの修繕用ゴムはり付け片」及び第35類「自動車並びに自動車用タイヤその他の自動車用部品及び附属品の小売り又は卸売の
業務において行われる顧客に対する便益の提供」について使用しても、引用商標ないしは申立人を連想、想起するようなことはないというべきであり、該商品及び役務が申立人又は申立人と経済的、組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品及び役務であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれもないものと判断するのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第15号に該当するものではない。
(3)本件商標の商標法第4条第1項第19号該当性について
申立人は、引用商標が申立人の業務に係る商品を表示する商標として著名であること、本件商標の商標権者は独自のロゴマークを使用していること、本件商標は該ロゴマークと全く脈絡がないこと、引用商標がマニアや富裕層等を顧客とし、一般需要者があこがれを抱くこと、などから、本件商標は引用商標の著名性や一般需要者のあこがれにあやかろうとする不正の目的をもって使用するものである旨主張している。
しかしながら、前示のとおり、引用商標の周知著名性は認められないばかりでなく、本件商標と引用商標とは類似するものでもない。また、本件商標権者が独自のロゴマークを使用していることと、本件商標の採択とは、直接関係するものではないし、申立人のいうあこがれが如何なるものか具体的に示すところはなく、他に、例えば、申立人の我が国市場への参入を阻止したり、代理店契約を強制する等のために先取り的に本件商標を出願したというような具体的事実を示す証左も一切ない。
そうすると、本件商標は、不正の利益を得る目的、他人たる申立人に損害を加える目的その他の不正の目的をもって使用するものということはできない。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号に該当するものではない。
(4)むすび
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号及び同第19号のいずれの規定にも違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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