Trademark Appeal Case
称呼類似性:語頭音の識別
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900158(T2010−900158/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5308558号商標(以下「本件商標」という。)は、「キムガード」の片仮名を標準文字で表してなり、平成21年9月24日に登録出願、第10類「殺菌済外科用器具用殺菌ラップ,その他の医療用機械器具」を指定商品として、同22年3月12日に設定登録されたものである。
2 引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が引用する登録商標は、以下のとおりであり、その商標権は、いずれも現に有効に存続しているものである。
(1)登録第2604228号商標(以下「引用商標1」という。)は、「イムガード」の片仮名を横書きしてなり、平成3年6月28日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成5年11月30日に設定登録されたものである。
なお、指定商品については、平成16年9月29日に第10類「医療用機械器具」ほか、第1類、第5類、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
(2)登録第1654577号商標(以下「引用商標2」という。)は、「IMUGARD」の欧文字を横書きしてなり、昭和54年6月18日に登録出願、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、昭和59年1月26日に設定登録されたものである。
なお、指定商品については、平成15年11月12日に第10類「医療用機械器具」ほか、第1類、第5類、第9類及び第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品とする書換登録がされたものである。
(以下、まとめて「引用商標」という。)
3 登録異議の申立ての理由
本件商標は、その構成から「キムガード」の称呼を生じ、他方、引用商標からは、「イムガード」の称呼を生ずるといえるものであり、両商標は、第1音の母音を共通にする「キ」、「イ」のみが相違し、第2音ないし第5音の「ムガード」を共通にしている。
しかして、両者の音調をみるならば、第4音は共に長音であるため、その前音である第3音「ガ」は、最も強く聴覚される音であり、語尾音である「ド」は比較的強く聴覚される音である。
また、「ガード」の部分は、慣れ親しまれている言葉であって、該部分が強く聴覚され、かつ印象に残るといえるものであり、さらに、両商標はその「ガード」の前半部分に別の語、本件商標は「キム」、引用商標は「イム」を結合させたものあることから、両商標の音調並びに音節は共通しているといえる。
したがって、本件商標は、引用商標と称呼において類似する商標である。また、本件商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同ー又は類似の商品である。
以上のとおり、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものであるから、取り消されるべきである。
4 当審の判断
本件商標は、前記1のとおり「キムガード」の文字よりなるものであるから、文字通りに「キムガード」の称呼を生ずるものである。
これに対し、引用商標1は、前記2のとおり「イムガード」の文字よりなるものであるから、文字通りに「イムガード」の称呼を生ずるものであり、また、引用商標2は、同じく「IMUGARD」の文字よりなるものであるから、その構成文字に相応して「イムガード」又は「アイエムユウガード」の称呼を生ずるものということができる。
そこで、本件商標より生ずる「キムガード」の称呼と、引用商標より生ずる「イムガード」の称呼とを比較するに、両者は共に長音を含む5音構成からなり、称呼上での識別に重要な要素を占める語頭において「キ」と「イ」の音の差異を有するものである。しかして、該差異音の「キ」と「イ」は、前者が後舌面を軟口蓋に接し破裂させて発する無声子音〔k〕と母音〔i〕との結合した音節であるのに対し、後者は唇を平たく開き、舌先を下方に向け、前舌面を高めて硬口蓋に接近させ、声帯を震動させて発する母音のみからなる音であって、両音はその音質を異にするばかりでなく、これに続く第2音の「ム」が鼻子音〔m〕と母音〔u〕との結合した音節からなり、かかる音構成において「ム」の音は、他の音に比して聴取し難い弱音となるため、該差異音「キ」と「イ」がより一層強調され、明確に聴取できるものといえる。
加えて、両称呼が比較的短い音構成よりなることも考慮すれば、該差異音が両称呼の識別に及ぼす影響は、決して小さいものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するも、互いに聞き誤るおそれはないというのが相当である。
次に、本件商標より生ずる「キムガード」の称呼と、引用商標2から生じる「アイエムユウガード」の称呼とは、その構成音や音数の差異から、互いに聞き誤るおそれはないといえるものである。
そして、本件商標と引用商標とは、いずれも特定の観念を有しない造語よりなるものと看取できるから、観念上は比較することができない。
さらに、本件商標と引用商標とは、その文字構成よりみて、外観上互いに区別できる差異を有するものである。
したがって、本件商標と引用商標とは、その称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録は維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。