Trademark Appeal Case
称呼類似と観念の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−163(T2010−163/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第16類「印刷物」及び第35類「市場調査,商品の販売に関する情報の提供,飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年12月25日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下のとおりである。
(1)登録第331860号(以下「引用商標1」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、昭和14年12月27日に登録出願され、第44類「茶、コ−ヒ−、『ココア』及コ−ヒ−入角砂糖ノ類並其ノ模造品」を指定商品として、同年15年6月17日に設定登録され、その後、同35年9月30日、同55年10月24日、平成2年8月29日、同12年3月21日及び同22年3月30日に商標権の存続期間の更新登録がされ、指定商品については、同12年6月7日に第30類「コーヒー及びココア,茶,コーヒー入り角砂糖」及び第32類「紅茶シロップ,コーヒーシロップ」を指定商品とする書換登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4278129号(以下「引用商標2」という。)は、別掲3のとおりの構成からなり、平成9年12月19日に登録出願され、第29類「食用油脂」を指定商品として、同11年5月28日に設定登録され、同20年12月16日に商標権の存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
(3)登録第4624585号(以下「引用商標3」という。)は、「RAKUDA」の欧文字と「ラクダ」の片仮名文字を二段に横書きしてなり、平成14年3月27日に登録出願され、第30類「コーヒー及びココア」及び第32類「清涼飲料,果実飲料」を指定商品として、同14年11月22日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
(4)登録第4912756号(以下「引用商標4」という。)は、「駱駝」の漢字と「らくだ」の平仮名文字と「RAKUDA」の欧文字を三段に横書きしてなり、平成17年4月12日に登録出願され、第16類「新聞,雑誌」を指定商品として、同年12月2日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標3及び引用商標4との類否について
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、駱駝色に塗りつぶした人の顔と思しき縦長の楕円図形の中段に、「らくダ」の文字を書してなるものである。
そして、その構成中の文字部分についてみるに、「く」の文字は、顔の鼻と重複して表されているものの、「ら」「く」「ダ」の文字からなる該文字部分は、容易に「らくダ」の一連の文字として認識されるものであるから、簡易迅速を尊ぶ取引の実際においては、本願商標に接する取引者、需要者は、鼻と一体の特異な構成の文字として強く印象付けられる「らくダ」の文字部分に着目し、該文字部分をもって取引に資する場合も決して少なくないと判断するのが相当である。
そうすると、本願商標は、その構成中、「らくダ」の文字部分に相応して、「ラクダ」の称呼を生ずる。
また、該「らくダ」の語は、原審説示のように「ウシ目ラクダ科ラクダ属の哺乳類の総称。北アフリカからアラビアにいるヒトコブラクダと中央アジアからモンゴルにいるフタコブラクダの2種。」(広辞苑第六版:株式会社岩波書店)である「駱駝」という意味合いを看取させる場合があるとしても、本願商標は、顔の図形と文字が一体的に表された構成からなるものであって、これより特定の意味合いは直ちに想起できないものというべきであるから、該語は一種の造語を表したものとして認識されるとみるのが相当であって、特定の観念は生じないものというべきである。
他方、引用商標3は、「RAKUDA」及び「ラクダ」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「ラクダ」の称呼を生ずるものであり、観念については、「ラクダ」の観念を生ずるものである。
そして、引用商標4は、「駱駝」、「RAKUDA」及び「ラクダ」の文字よりなるところ、その構成文字に相応して、「ラクダ」の称呼を生ずるものであり、観念については、「駱駝」の観念を生ずるものである。
してみれば、本願商標と引用商標3及び4とは、外観において相違するものであり、また、観念において、本願商標からは特定の観念が生じないため、両者を比較することができないものであるとしても、称呼において、「ラクダ」の称呼を共通にする称呼上類似の商標といい得るものであり、かつ、本願商標の指定商品及び指定役務は、引用商標3及び4の指定商品と同一又は類似の商品と認められるものである。
(2)請求人の主張について
請求人は、「本願商標が、目、鼻、口を表示してなる肌色の縦長楕円形状の顔図形の左右に『ら』『ダ』により左右の耳を表した構成よりなるから、全体として、看者ににっこりした顔図形であると印象付けるものであって、その構成中に、耳、鼻を表現する『ら』『く』『ダ』の文字様部分があるとしても、全体をもって一体的に顔図形を表した構成態様よりなるものであり、耳、鼻を表現する文字様部分のみを分離抽出すると、本願商標の体をなさなくなり、さらに、本願商標は、構成全体が顔図形として視覚上まとまりのある一体的な印象を強く看者に与え、全体をもって認識し、把握されるものというのが相当である。」旨主張する。
しかしながら、文字と図形の結合商標に接する取引者、需要者は、図形と重複して表されている文字部分を読もうとするのが自然である。
本願商標の構成中、鼻を表す部分は、「ら」及び「ダ」の文字と同じ大きさ、太さ及び書体で、等間隔に表されているものであるから、「く」の文字を表したものというのが相当である。
してみれば、本願商標の構成中、中央に顕著に表された「らくダ」の文字部分から「ラクダ」の称呼が生ずるから、請求人の主張を採用することはできない。
また、請求人は、「本願商標と引用商標3及び4とは、外観上の顕著な差異が相俟って、称呼、観念においても相紛れるおそれのない互いに非類似の商標である。」旨主張しているが、上記のとおり、本願商標と引用商標3及び4は、「ラクダ」の称呼を共通にするものであるから、本願商標と引用商標3及び4の外観が異なることを前提とした請求人の主張を採用することはできない。
(3)むすび
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
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