結論テキスト
本願商標は,登録すべきものとする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 不服2010−6289(T2010−6289/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本願商標は,「千秋楽」の漢字を標準文字で表してなり,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,平成20年11月19日に登録出願されたものである。
原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5177881号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成19年6月29日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品として,平成20年10月31日に設定登録されたものである。
(1)本願商標について
本願商標は,前記1のとおり,「千秋楽」の漢字3文字を標準文字により同じ間隔で一連に横書きした構成からなるところ,一般の国語辞書等によれば,「千秋楽」とは多義語であるものの,「センシュウラク」と読み,一般的には「演劇・相撲などの興行の最終の日」(広辞苑第6版)の意味でよく知られている語であると認められるものである。
そうすると,本願商標からは,「演劇・相撲などの興行の最終の日」の観念及び「センシュウラク」の称呼を生ずるものと認めるのが相当である。
(2)引用商標について
引用商標は,別掲のとおり,「千酒楽」の漢字3文字を縦書きでデザイン化し,その下に,「SENSYURAKU」の欧文字を横書きした構成からなるところ,「千酒楽」の漢字部分は,2文字目の「酒」の文字が肉太で大きく書されており,これに比べて,1文字目の「千」と3文字目の「楽」の各文字は,太さ,大きさで共に「酒」の文字よりやや小さく書されており,「酒」の文字の上部左寄りに「千」の文字が,同下部右寄りに「楽」の文字が,それぞれ,一部を接して配置されているものである。また,「SENSYURAKU」の欧文字全体は,ごく普通の書体で,縦書きされた「千酒楽」の横幅相当の長さに収められているものの,決して文字が目立たないという大きさでもなく,「センシュラク」と読めることから,上部にある「千酒楽」の漢字の読みを特定したものと理解されるものである。
引用商標を構成する「千酒楽」の漢字及び「SENSYURAKU」の欧文字は,いずれも既成の語ではないものの,「センシュラク」と読まれる「千酒楽」との漢字部分からは,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念を生ずるものということができる。
そうすると,引用商標からは,「センシュラク」との称呼のみが生じ,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念を生ずるものと認めるのが相当である。
(3)類否判断
ア 外観
本願商標は,「千秋楽」の漢字3文字を標準文字で表示してなるのに対し,引用商標は,デザイン化された「千酒楽」の漢字3文字と「SENSYURAKU」の欧文字とからなるものであるから,漢字部分において,「千」と「楽」の文字が共通するものの,両者の外観は大きく異なるものである。
イ 観念
本願商標からは,「演劇・相撲などの興行の最終の日」との観念が生じるのに対し,引用商標からは,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念が生じるものであるから,両者の観念は,相違するものである。
ウ 称呼
本願商標からは,「センシュウラク」との称呼が生じるのに対し,引用商標からは,「センシュラク」との称呼が生じるものである。両称呼の差異は,6音と5音との音構成にあって,中間における「ウ」の音の有無に差異を有するのみであるから,それぞれを一連に称呼した場合,両者の称呼が近似する面があることは否定できない。しかしながら,本願商標は,その称呼のみでも「演劇・相撲などの興行の最終の日」との明確な観念が生じるものといえるから,引用商標とは,称呼上においても両者を必ずしも聞き分けることができないとまではいうことができない。
エ 取引の実情
本願商標の指定商品は,前記1のとおり,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」であるから,引用商標の指定役務と抵触する部分は,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であると認められるところ,日本酒,洋酒等のアルコール飲料は,嗜好品の一種であって,商品の選択や注文の際は,ブランド(銘柄)名だけでなく,特定名称酒(清酒における純米酒,吟醸酒,大吟醸等),製造の時期(ワインやウィスキーの年代もの),アルコール度数なども吟味される傾向にあるといえる。一方,「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等のいわゆる小売等役務は,商品を販売するための付随的なサービスであって,その商標に接する機会は,通常,商品の品揃えをしている店舗に設置されたショッピングカートや買物かごに表示されたもの,接客する店員の制服や名札に表示されたもの,あるいは,通信販売のカタログ等に表示されたものなど,需要者が直接目にするものであることが多いというのが実情である。
オ 判断
以上の検討結果を踏まえて,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察するならば,本願商標と引用商標とは,たとえ,称呼において近似した面があるとしても,外観において大きく相違し,観念も相違するものであって,この観念上の相違により,称呼上においても両者を必ずしも聞き分けることができないとまではいえないものであるから,取引の実情も考慮すれば,本願商標を使用した商品が引用商標を使用した役務とその出所につき誤認混同を生ずるおそれは極めて少ないものといえる。
したがって,本願商標は,引用商標とは類似しないというべきである。
(4)まとめ
以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。
その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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