sokuhyo弁理士法人WATT 監修

A判定なら印紙代込み全額返金

結論

勝訴(請求認容)

第4条第1項第11号「称呼の近似と観念の識別」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2010−6289(T2010−6289/J1)|拒絶査定取消・登録)

審判番号
不服2010−6289(T2010−6289/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
称呼の近似と観念の識別
適用条文
第4条第1項第11号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
拒絶査定取消・登録(勝訴(請求認容))

この審決(審判不服2010−6289(T2010−6289/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第4条第1項第11号への該当性が争われた事例です。主な争点は「称呼の近似と観念の識別」です。特許庁は「原査定を取り消す」と判断しました(拒絶査定取消・登録)。類似する商標を出願する際は、本件の判断枠組みを踏まえて称呼・外観・観念や指定商品の重なりを事前に確認することが重要です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は,登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は,「千秋楽」の漢字を標準文字で表してなり,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」を指定商品として,平成20年11月19日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願の拒絶の理由に引用した登録第5177881号商標(以下「引用商標」という。)は,別掲のとおりの構成からなり,平成19年6月29日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食肉の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,食用水産物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,野菜及び果実の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,菓子及びパンの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,米穀類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,牛乳の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,清涼飲料及び果実飲料の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,茶・コーヒー及びココアの小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,加工食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品として,平成20年10月31日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標について

本願商標は,前記1のとおり,「千秋楽」の漢字3文字を標準文字により同じ間隔で一連に横書きした構成からなるところ,一般の国語辞書等によれば,「千秋楽」とは多義語であるものの,「センシュウラク」と読み,一般的には「演劇・相撲などの興行の最終の日」(広辞苑第6版)の意味でよく知られている語であると認められるものである。

そうすると,本願商標からは,「演劇・相撲などの興行の最終の日」の観念及び「センシュウラク」の称呼を生ずるものと認めるのが相当である。

(2)引用商標について

引用商標は,別掲のとおり,「千酒楽」の漢字3文字を縦書きでデザイン化し,その下に,「SENSYURAKU」の欧文字を横書きした構成からなるところ,「千酒楽」の漢字部分は,2文字目の「酒」の文字が肉太で大きく書されており,これに比べて,1文字目の「千」と3文字目の「楽」の各文字は,太さ,大きさで共に「酒」の文字よりやや小さく書されており,「酒」の文字の上部左寄りに「千」の文字が,同下部右寄りに「楽」の文字が,それぞれ,一部を接して配置されているものである。また,「SENSYURAKU」の欧文字全体は,ごく普通の書体で,縦書きされた「千酒楽」の横幅相当の長さに収められているものの,決して文字が目立たないという大きさでもなく,「センシュラク」と読めることから,上部にある「千酒楽」の漢字の読みを特定したものと理解されるものである。

引用商標を構成する「千酒楽」の漢字及び「SENSYURAKU」の欧文字は,いずれも既成の語ではないものの,「センシュラク」と読まれる「千酒楽」との漢字部分からは,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念を生ずるものということができる。

そうすると,引用商標からは,「センシュラク」との称呼のみが生じ,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念を生ずるものと認めるのが相当である。

(3)類否判断

ア 外観

本願商標は,「千秋楽」の漢字3文字を標準文字で表示してなるのに対し,引用商標は,デザイン化された「千酒楽」の漢字3文字と「SENSYURAKU」の欧文字とからなるものであるから,漢字部分において,「千」と「楽」の文字が共通するものの,両者の外観は大きく異なるものである。

イ 観念

本願商標からは,「演劇・相撲などの興行の最終の日」との観念が生じるのに対し,引用商標からは,「千の酒を楽しむ」といった程度の観念が生じるものであるから,両者の観念は,相違するものである。

ウ 称呼

本願商標からは,「センシュウラク」との称呼が生じるのに対し,引用商標からは,「センシュラク」との称呼が生じるものである。両称呼の差異は,6音と5音との音構成にあって,中間における「ウ」の音の有無に差異を有するのみであるから,それぞれを一連に称呼した場合,両者の称呼が近似する面があることは否定できない。しかしながら,本願商標は,その称呼のみでも「演劇・相撲などの興行の最終の日」との明確な観念が生じるものといえるから,引用商標とは,称呼上においても両者を必ずしも聞き分けることができないとまではいうことができない。

エ 取引の実情

本願商標の指定商品は,前記1のとおり,第33類「日本酒,洋酒,果実酒,中国酒,薬味酒」であるから,引用商標の指定役務と抵触する部分は,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」であると認められるところ,日本酒,洋酒等のアルコール飲料は,嗜好品の一種であって,商品の選択や注文の際は,ブランド(銘柄)名だけでなく,特定名称酒(清酒における純米酒,吟醸酒,大吟醸等),製造の時期(ワインやウィスキーの年代もの),アルコール度数なども吟味される傾向にあるといえる。一方,「酒類の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」等のいわゆる小売等役務は,商品を販売するための付随的なサービスであって,その商標に接する機会は,通常,商品の品揃えをしている店舗に設置されたショッピングカートや買物かごに表示されたもの,接客する店員の制服や名札に表示されたもの,あるいは,通信販売のカタログ等に表示されたものなど,需要者が直接目にするものであることが多いというのが実情である。

オ 判断

以上の検討結果を踏まえて,取引者,需要者に与える印象,記憶,連想等を総合して全体的に考察するならば,本願商標と引用商標とは,たとえ,称呼において近似した面があるとしても,外観において大きく相違し,観念も相違するものであって,この観念上の相違により,称呼上においても両者を必ずしも聞き分けることができないとまではいえないものであるから,取引の実情も考慮すれば,本願商標を使用した商品が引用商標を使用した役務とその出所につき誤認混同を生ずるおそれは極めて少ないものといえる。

したがって,本願商標は,引用商標とは類似しないというべきである。

(4)まとめ

以上のとおりであるから,本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は,妥当でなく,取消しを免れない。

その他,政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。

よって,結論のとおり審決する。

A判定なら印紙代込み全額返金

過去の審決を調べたあと、登録可能性を無料で確認しませんか?

Sokuhyoなら約1分でAI判定(A〜C)。A判定なら印紙代込みの全額返金保証が付きます。

無料でAI商標調査を試す(約1分)

第4条第1項第11号が問題となった他の審決です。

第4条第1項第11号の審決をもっと見る

Next Action

関連する調査・サービス

類似審決の追加調査や区分・類似群の確認、中間応答の相談へ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。