Trademark Appeal Case
キャッチフレーズの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−8945(T2009−8945/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ありがとうを言うために」の文字を標準文字で表してなり、第45類に属する願書に記載のとおりの役務を指定役務として、平成19年9月7日に登録出願されたものである。その後、指定役務については、原審における同20年10月22日付け提出の手続補正書により、第45類「生前予約による葬儀の執行」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ありがとうを言うために』の文字を標準文字で表してなるものである。ところで、本願の指定役務についてみると、たとえば、法要や婚礼等は、故人や葬儀などの列席者等への感謝の気持ちを込めて執り行われるものであり、その気持ちを表すために、以下に示すように、『ありがとう。』、『ありがとうの気持ちを込めて』等の文字が使用されている。してみると、本願商標をその指定役務について使用するときは、全体として『ありがとうの気持ちを言うために。感謝の気持ちを伝えるために。』程度の意味合いの、役務の提供促進のためのキャッチフレーズの一種として理解されるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「ありがとうを言うために」の文字よりなるところ、該文字中、前半部分の「ありがとう」の文字は、「感謝の意を表す挨拶語」(広辞苑第6版(株)岩波書店)を意味する語であり、同後半部分の「をいうために」の文字とを一連に書した「ありがとうを言うために」の文字全体からは、「感謝の意を言うために」程の意味合いを看取させるものである。
ところで、葬儀業界においては、近年、従来の葬儀の様式と比べ簡素に行いたい、自分らしい葬儀を行いたい、あるいは、故人の遺志を尊重した葬儀を行いたい等、葬儀の内容について多種多様なものが求められ、その結果、例えば、故人が存命中に行う生前葬、家族のみで行う家族葬、宗教色を抜いた自由な形で行う葬儀、音楽葬等、需要者からの様々なニーズに応える内容の葬儀が行われるようになってきているのが実情である。
そして、前記のような様々な内容の葬儀があるとしても、その葬儀の目的としては、葬儀の参列者が故人を偲ぶため、故人とお別れするための儀式として行うもののほか、生前葬や故人が存命中に予め生前予約して行われる葬儀では、故人から参列者へ、生前にお世話になったことについて感謝を伝えるための儀式として行うことも重要なものの一つとなっていることは、例えば、別掲のインターネット情報からも十分裏付けられるものである。
そうとすると、感謝の気持ちを表す「ありがとう」の文字を含む本願商標をその補正後の指定役務「生前予約による葬儀の執行」に使用するときは、「ありがとうの気持ちを言うために。感謝の気持ちを伝えるために。」程の意味合いを認識させるものであって、葬儀を行う目的を端的に表し、役務の提供促進のためのキャッチフレーズの一種として理解されるにとどまり、需要者が何人かの業務に係る役務であることを認識することができないものと認める。
なお、請求人は、過去の既登録例をあげ、本願商標は、出所識別力を有する「ありがとう」の文字と「いうために」の文字を結合した造語であり、さらには、本願商標が、葬儀業界において特に常用されて、普通に用いられているキャッチフレーズであることは見出すことはできないと主張する。
しかしながら、商標の識別性の判断は、各商標につき、その商標を構成する一部に識別力を有する語を含んでいるか否か、あるいは、現に、一般に使用されているか否かのみ等によって、決せられるものではなく、それぞれの構成態様や取引の実情などを考慮し、個別具体的に判断されるべきものであり、本願商標については、前記認定のとおり、請求人の主張は採用することはできない。
したがって、本願商標が、商標法第3条第1項第6号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。