Trademark Appeal Case
品質・効能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−21298(T2009−21298/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第3類「源泉成分を含む浴用せっけん,源泉成分を含むボディーソープ,源泉成分を含む化粧クリーム」を指定商品として、平成19年8月29日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『温泉の源泉に含まれる成分を含有し、肌をしっとりとさせる商品』であることを認識させる『お肌しっとり』『源泉』の文字を普通に用いられる域を脱しない方法で書してなるので、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、原材料、効能を表示するにすぎないものである。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、別掲のとおり、朱色で表した「源泉」の文字を左上部から中央下部に向けて斜めに書し、黒色で表した「お肌しっとり」の文字を右上部から中央下部に向けて斜めに書した構成よりなるものである。
しかして、近時、各種のレタリング文字が広く使用されている実情よりすれば、該構成文字は、「源泉」の文字と、「お肌しっとり」の文字を手書き風に表したものと容易に理解させる態様からなるものであって、当該各文字の配置や色彩についても、商品に標章等を付す際に様々なデザイン化が行われている現状にあっては、特殊な態様とはいい得ないものであるから、本願商標は、普通に用いられる方法の範囲で表してなるとみるのが相当である。
そして、構成中の「源泉」の文字は、その指定商品との関係において「温泉の源泉」を指し、原材料の一つを表すものであり、「お肌しっとり」の文字は、肌がしっとりとする様を認識、把握させるものである。
そうとすれば、「源泉」の文字と「お肌しっとり」の文字を組み合わせた本願商標の構成全体よりは、「(温泉の)源泉で肌がしっとりとする」程の意味合いを認識するものといわなければならない。
このことは、例えば下記の事実からも裏付けられる。
(1)2006年3月5日付け 読売新聞 東京朝刊 35頁には、「[ひと紀行]三国街道・伊香保 湯の街、若い力で活 アイデア次々=群馬」の見出しのもと、「ホタルツアーや源泉せっけん、アイデア次々(略)源泉を混ぜ込んだせっけんを考案し、飛ぶような売れ行き。」との記載がある。
(2)2001年8月8日付け 日刊工業新聞・流通サービス新聞 35頁には、「湯元榊原館、源泉を配合した化粧品を発売」の見出しのもと、「榊原温泉の源泉を配合した化粧品『まろみ=写真』を10日発売する。(略)泊まり客から『源泉で洗顔すると肌の状態が良くなる』との声が寄せられたため、化粧品として商品化することにしたもの。同温泉は単純アルカリ温泉で、肌がしっとり、なめらかになるという。」との記載がある。
(3)「三河屋旅館」のホームページにおいて、「オンラインショップ いいもの屋」の「オススメ商品」の項に、「三河屋源泉『透明』石けん 三河屋旅館の自家源泉・鳳來の湯をたっぷり配合したしっとりタイプの石けん。」との記載がある。
(http://mikawaya.open365.jp/)
してみれば、本願商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、該商品が「(温泉の)源泉成分で肌がしっとりとする商品」であること、すなわち、商品の品質、原材料、効能を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
請求人は、原査定で挙げる使用例は、個々の単語が普通に用いられていることが示されているにすぎず、本願商標は特殊な態様からなるものであって、通常の表示方法の域に止まるものとはいえないから、商標法第3条第1項第3号に該当するとは認定できない旨、主張している。
しかしながら、たとえ、「源泉」の文字を朱色で表し、各構成文字を斜めに傾けて配置しているとしても、標章などが各種商品の包装、ラベル等に付される場合、広く一般に、その標章の構成や文字等が様々に装飾され表示されている実情を踏まえると、一部の文字について色彩を変えたり、文字列の配置を変えたりといった表示方法は、普通に用いられる手法であって、手書き風の文字についても特殊な字体ともいい得ないものであるから、本願商標よりは、「源泉」と「お肌しっとり」の各文字により構成されているものとして認識される以上にかかる構成態様が強く印象されるほど特徴あるものということができない。
したがって、請求人の上記主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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