結論テキスト
審判費用は、被請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2004−31463(T2004−31463/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
本件登録第2635064号商標(以下「本件商標」という。)は、平成3年4月26日に登録出願、「WHITE FLOWER」の欧文字を横書きしてなり、第1類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、平成6年3月31日に設定登録され、その後、商標権の存続期間の更新登録がなされ、平成16年10月27日には「薬剤」を含む第5類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とする書換登録がなされ、現に有効に存続しているものである。
請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、添付書類として登録第2635064号商標の登録原簿及び公報の写しを提出している。
(1)請求の理由
本件商標は、その指定商品中「薬剤」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても使用した事実が存しないから、商標法第50条第1項の規定により、取り消されるべきものである。
(2)答弁に対する弁駁
ア 被請求人は、「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は、香港やシンガポールの空港等で販売されているとか、日本人旅行者が現地で購入して持ち帰っているなどと述べるが、厚生労働省の薬事認可が出ていないことも明らかにしており、日本国内において、商標法第2条第3項所定の使用事実がないことを自認していると言える。
イ 日本からの注文に対して個人輸入の範囲で応じているとも述べるが、一般取引における流通を前提とせず、輸入者個人が費消するために搬入されるに止まるから、商標法第2条第3項各号の使用行為には該当しない。
ウ また、被請求人は、2003年(平成15年)9月29日に、日本のディストリビューターを通じて医薬品輸入承認申請書を厚生労働省に提出しているが、審査が遅延しているために、いまだ許可が下りていないと述べているが、本件商標は、平成6年3月31日に商標登録されており、前記輸入許可申請は、そのほぼ9年半後に至って初めてなされたものであって、認可が下りればすぐにでも正式使用を開始できるという被請求人の主張は、それ自体成り立たないものである。
被請求人は、「本件審判の請求は成り立たない。審判費用は請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を次のとおり述べ、証拠方法として乙第1号ないし第10号証(枝番を含む。)を提出している。
(1)本件商標の国際的規模での使用実績
ア 被請求人は、本件商標を「薬用油」に事実上使用しているが、これは審判請求にかかる指定商品「薬剤」の範疇に含まれるものである。
イ 被請求人による「白花油/WHITE FLOWER」印の「薬用油」は香港をはじめとするアジア地域の人々に愛用され、いまやアジア地域だけではなく、米国、カナダ、ヨーロッパ、オーストラリア、アフリカ、中東等、世界的規模で販売されている。
ウ 乙第2号証の1ないし15は、本件商標にかかる商品の香港をはじめ、オランダ、カナダ等販売各国におけるパッケージの写しであるが、本件商標にかかる商品を販売する際に使用しているものであり、いずれも「白花油」と「WHITE FLOWER」が並列的に使用されている。
エ また、被請求人は、当該「薬用油」を香港国際空港内の複数の免税店及びシンガポールの空港等で販売している(乙第4号証の1及び2)が、香港へ買い物に出かける日本人も多く、香港の免税店で被請求人にかかる商品に接する日本人の数は決して少ないとはいえない。
オ そして、インターネットで検索すると、「白花油/WHITE FLOWER」商品は、香港やフィリピンのおみやげとして、また、肩こりや頭痛に効く薬として、日本人により日本語で紹介されている(乙第4号証の9ないし15)。
カ 集英社発行の雑誌「BAILA」2005年4月号の付録にも「白花油/WHITEFLOWER」商品が掲載されている(乙第10号証)。
(2)「白花油/WHITE FLOWER」商品の個人輸入
ア 日本人旅行者による「白花油/WHITE FLOWER」商品の持ち帰りを機に、被請求人のもとへ当該商品を手に入れた日本人から、日本での販売の有無や香港から、日本への送付の可否を問い合わせる手紙が、永年にわたり相次いで届いている(乙第5号証の1ないし8)。
イ 被請求人は、日本からの注文に対しては、個人輸入の範囲に限り応じている(乙第6号証の1ないし10)。
ウ 乙第6号証の1は、本件審判請求の登録前3年以内である2004年2月25日に日本の個人消費者Kuwahara氏と被請求人との間で行われた個人輸入を示すものである。
(3)医薬品輸入承認申請書の提出について
ア 被請求人は、「白花油/WHITE FLOWER」を正式に日本で販売するため、2003年9月29日に「医薬品輸入承認申請書」を厚生労働省に日本のディストリビューターを通じて提出している(乙第7号証の1)。
イ 「WHITE FLOWER」が「白花油」の副次的商標であることは「WHITE FLOWER」が「白花」の直意訳であることから明らかであり、また香港をはじめとする諸外国でも「白花油」と「WHITE FLOWER」は並列的に使用されてきていることから、「WHITE FLOWER」は付加表示として問題ないと思われる。
ウ 現在、厚生労働省による審査が遅延しており、未だ輸入許可はおりていない。しかしながら、被請求人は、厚生労働省の許可が下りればすぐに本件商標を正式に使用開始できるよう、既に、日本におけるディストリビューターと2001年10月15日に契約を締結し、その後、輸入申請に必要な臨床試験を2年ほどかけて繰り返し、日本におけるパッケージデザインを決定(乙第8号証)し、日本に売り出せる環境を万全に整えて待機している最中である。
(4)まとめ
以上を総合すれば、本件商標が商標法上取り消されなければならないとする理由は見あたらない。
(1)商標法第50条による商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、被請求人において、その請求に係る指定商品について当該登録商標を使用していることを証明し、又は使用していないことについて正当な理由があることを明らかにしない限り、その指定商品に係る商標登録の取消しを免れないところである。
(2)被請求人は、日本からの注文に対して、個人輸入の範囲で応じている(乙第6号証の1ないし10)こと、及び本件審判請求の登録前3年以内である2004年2月25日に、日本の個人消費者Kuwahara氏と被請求人との間で行われた個人輸入取引(乙第6号証の1)をもって、本件商標が、請求に係る指定商品について使用されたと主張しているようである。
しかしながら、上記(1)のとおり、商標法第50条第2項では、商標の不使用による登録取消しの審判請求があったとき、被請求人は、日本国内における登録商標の使用を証明しなければならないことを規定しているところ、商標法第2条第3項第2号にいう「譲渡」が日本国内において行われたというためには、譲渡行為が日本国内で行われる必要があるというべきであって、日本国外に所在する者が、日本国外に所在する商品について、日本国内に所在する者との間で譲渡契約を締結し、当該商品を日本国外から日本国内に発送したとしても、それは日本国内に所在する者による「輸入」に該当しても、日本国外に所在する者による日本国内における譲渡に該当するものとはいえないものである(知財高裁 平成17年(行ケ)第10817号判決参照)。
(3)また、被請求人は、「白花油/WHITE FLOWER」を正式に日本で販売するため、2003年9月29日に「医薬品輸入承認申請書」を厚生労働省に日本のディストリビューターを通じて提出している(乙第7号証の1)が、現在、厚生労働省による審査が遅延しており、未だ輸入許可はおりていないことをもって、我が国において本格的な販売ができないことについて正当な理由があると主張しているようである。
確かに、平成15年(2003年)9月29日に、販売名を「白花油YY」とする商品について「医薬品輸入承認申請書」が、米田薬品株式会社(以下「米田薬品」という。)から厚生労働大臣宛に提出されたことが認められる(乙7号証の1及び2)。
しかしながら、米田薬品と被請求人との関係を認めるに足りる証拠はなく、この点を措くとしても、米田薬品が厚生労働大臣に対して上記申請書を提出したのは、平成15年9月29日であり、本件商標が設定登録(平成6年3月31日)されてから約9年6か月経過後であるところ、その間、被請求人において医薬品の輸入承認申請につき何らかの妨げが存在したことをうかがわせる事情は認められないから、上記申請書提出前に、このように長期間不使用の期間が継続していたことを併せ考慮すれば、本件商標を使用していないことについて正当な理由があったということはできない。
(4)以上のとおりであるから、被請求人が、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが、その請求に係る指定商品「薬剤」について、本件商標を使用していることを証明したものと認めることはできず、また、被請求人が、本件商標を請求に係る指定商品について、使用していないことについて正当な理由があることを証明したとも認められない。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「薬剤」について、商標法第50条の規定により、取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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