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Trademark Appeal Case

商標使用の定義と商品

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2010−300218(T2010−300218/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第5028219号商標の指定商品中、第16類「紙製包装用容器,紙類,文房具類,印刷物」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5028219号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲の構成よりなり、平成18年9月6日に登録出願、第16類「紙製包装用容器,紙類,文房具類,印刷物」及び第40類「紙の加工,製本,印章の彫刻,印刷」を指定商品及び指定役務として、平成19年2月23日に登録されたものである。

そして、平成22年3月16日に本件審判の請求の登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁の理由を要旨、次のように述べ、甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。

(1)請求の理由

被請求人は、正当な理由がないにもかかわらず、本件商標を、継続して3年以上、日本国内において、第16類「紙製包装用容器、紙類、文房具類、印刷物」について商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存しないから商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)弁駁の理由

ア 被請求人が「使用している」として提出した乙1号証と乙2号証は、その頒布の時期が不明である。また、被請求人は、「本件商標を出願時から...名刺及び会社案内に本件商標を使用していた。」と述べているが、これらは、いずれも被請求人が単に自称しているだけのもので、その裏づけとなる、客観的な証拠は提出されていない。

イ 被請求人は、「名刺に印刷された、図案化された『Tomoni』マーク」(乙1号証)や「自社の会社案内に印刷された、図案化された『Tomoni』マーク」(乙2号証)を「第16類における『紙製包装容器、紙類、文房具類、印刷物』のうち『紙類』『印刷物』における使用にあたる」と述べている。

しかしながら、この取消審判は、第40類の「印刷」等の指定役務を取消対象としているものではなく、第16類の指定商品「紙製包装用容器、紙類、文房具類、印刷物」を取消対象としているものであって、「商品」つまり「『有償で販売されている』紙製包装用容器、紙類、文房具類又は印刷物」にマークが使用されていなくてはならないから、「自社の代表取締役の名刺」とか「自社の会社案内」は、有償で販売されることはなく、自己紹介や会社紹介のために「無償で頒布される」物であり「商品」ではないので、その上に、図案化された「Tomoni」マークが記載されていても、「商標」つまり「商品の出所表示」にはならず、「商標の使用」にはあたらない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とするとの審決を求めると答弁し、その理由を要旨、次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第9号証を提出した。

(1)被請求人は、本件商標を出願時から、名刺、会社案内、メモ用紙、封筒類及び販売促進資料に使用していた。

ア 乙第1号証の名刺上部には、本件商標が使用されている。そして、被請求人代表取締役は、営業活動に必要の都度、広く一般に同名刺を頒布していた。

イ 乙第2号証の会社案内の表紙及び5頁目に本件商標が使用されている。そして、被請求人は、営業活動に必要の都度、広く一般に同会社案内を頒布していた。

ウ 上記ア及びイは、第16類の「紙類」及び「印刷物」における使用にあたる。

(2)被請求人は、平成21年8月27日に、横浜地方裁判所より破産手続開始決定を受けた(乙第3号証)。

(3)乙第4号証は、被請求人が販売していた電話伝言メモ「メモでんでん」(写し)であり、原本は写真撮影報告書(乙第5号証)のとおりである。

ア これは、電話メモ帳であり、第16類の「文房具類」に該当する。

イ 裏表紙には、本件商標が付されている。

ウ 販売時期は、平成19年2月23日以降である。

エ 販売方法は、主に「ネッシー」という、インターネットサイトを利用した通信販売である。

(4)乙第6号証は、「ネッシー」への入会申込書である。登録日は、平成20年7月18日である。被請求人は、登録後、同サイトにて「メモでんでん」を販売した。

(5)乙第7号証は、被請求人作成の納品書である。

ア 「メモでんでん御中」(吉川徹様)とあるように、「メモでんでん」を吉川 徹氏に納品する旨の納品書である。

イ 納品日は、2008年(平成20年)6月16日である。

ウ 「品名」に記載の「MDJ−G」は、緑色の「メモでんでん」の品番であり、これと「金額」に記載の「294」とは、乙第4号証の2枚目・右下と合致する。

エ 「品名」に記載の「MDJ−B」は、青色の「メモでんでん」の品番であり、これと「金額」に記載の「294」とは、乙第4号証の2枚目・右下から3番目と合致する。

(6)乙第8号証は、横浜貯金事務センターから被請求人宛送付された払込取扱票である。

ア 払込の依頼人は、吉川徹氏である。

イ 金額は、588円である(294円×2=588円)。

ウ 払込日は、平成20年6月18日である。

(7)乙第9号証は、横浜貯金事務センターから被請求人宛送付された郵便振替受払通知票である。

ア 同センターが、588円(294円×2=588円)を受け入れたことが「受け入れ」欄の「払込金」で確認できる。

イ 取扱日は、平成20年6月18日である。

(8)以上の(3)から(7)により、以下の事実が認められる。

ア 平成20年6月16日の数目前、被請求人は、吉川徹氏に対し、「メモでんでん」2冊(緑色・青色)を代金588円(294円×2=588円)にて販売した。

イ 平成20年6月16日、被請求人は、吉川徹氏に対し、上記アの商品を送付・納品した。

ウ 平成20年6月18日、納品を確認した吉川徹氏は、被請求人に対し、郵便局を通じて、代金588円を支払った。

(9)このように、被請求人は、平成19年3月16日以降、本件商標を付した文房具類を有償で販売していた。

4 当審の判断

(1)被請求人は、第16類に属する「名刺、会社案内、メモ用紙、封筒類及び販売促進資料」に、本件商標を使用していたと主張し、名刺(乙第1号証)及び会社案内(乙第2号証)を提出している。

しかしながら、これらの「名刺及び会社案内」は、被請求人自身を示す名刺及び、被請求人の会社を紹介する会社案内であり、被請求人が自らの営業活動のために使用されていたと推認されるものであるから、被請求人が、商取引(商品取引)に使用された「商品」とはいえないものである。

したがって、これらの証拠によっては、本件商標が「紙類、印刷物」に使用されたとは、認められない。

(2)被請求人は、第16類の「文房具類」に属する「電話メモ帳『電話伝言メモ「メモでんでん」』」に、本件商標を使用していたと主張し、乙第4号証ないし乙第9号証を提出している。

ア 被請求人提出の証拠によれば、以下の事実が認められる。

(ア)乙第4号証及び乙第5号証は、電話メモ帳であり、裏表紙には被請求人の会社名、住所及び電話番号と共に、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が記載され、また、商品広告のページには、色違いの商品が示され、「MDJ22−B 294円(税込み)」及び「MDJ22−G 294円(税込み)」等の記載が認められる。

(イ)乙第6号証は、被請求人が2008年(平成20年)7月18日に申込みをした「『ネッシー』サプライヤー販売プラン(売り手)入会申し込み書」であり、上部には「書類確認後、入会審査をさせていただきます。審査終了後、Eメールを送ります。」との記載が認められる。

(ウ)乙第7号証は、宛名が「メモでんでん御中(吉川 徹様)」とある納品日が2008年(平成20年)6月16日付けの被請求人の納品書であり、「品名」の欄には「自由入力 吉川 徹」、「MDJ−G」及び「MDJ−B」等の記載及び「金額」の欄には「294」の記載が認められる。

(エ)乙第8号証の左側の証左は「払込取扱票」であり、口座記号及び口座番号に「00240−2−40329」、金額の欄に「588」、加入者名に被請求人名、通信欄に「入金票」の押印、ご依頼人の欄に「郵便番号、住所、吉川徹及び電話番号」の記載があり、受付局日附印には、何も記載が無い。また、同号証の右側の証左は、口座番号に「00240−2−40329」、振込金額に「588円」、取扱年月日に「平成20年6月18日」、取扱店に「神戸西岡本(43551)横浜貯金事務センター」の記載が認められる。

(オ)乙第9号証は、「郵便振替受払通知票」であり、上段に「00240−2−40329、平成20年6月18日」、次の段に「横浜貯金事務センター」、次の表の「受入れ」、「通常」、「払込金(新帳票)」の行に「588」の記載が認められる。

イ 以上の認定事実によれば、被請求人は、インターネットサイトへ入会申込み(乙第6号証)を行おうとしたことは推認できるとしても、入会審査の結果に関するEメールや、実際に商品をインターネットサイト上に展示等がされた事実は確認できない。また、納品書(乙第7号証)は、「メモでんでん」宛に、「自由入力 吉川 徹」を納品したものと理解されるものであり、宛先欄に「(吉川 徹様)」と記載されてはいるが、他の記載事項は全て印字されたものであるにもかかわらず、宛先欄中の「(吉川 徹様)」のみが手書きされており、不自然であり、実際の取引に用いられたものかは、疑問がある。なお、被請求人は、品名欄にある「MDJ−G」及び「MDJ−B」の記載が、電話メモ帳(乙第4号証)の商品広告のページに記載の「MDJ22−B」及び「MDJ22−G」と合致し、金額も一致すると主張するが、金額が一致することは認められるとしても、商品記号中の欧文字部分のみが一致するから、同一の商品であるとする主張は、にわかには首肯し難い。

さらに、乙第8号証及び乙第9号証によれば、郵便振替により、口座番号「00240−2−40329」に「588円」が、「平成20年6月18日」払込まれたことは確認できるとしても、乙第8号証の左側の証左(払込取扱票)の「受付局日附印」欄には、受付日等、何らの記載も無く、この「払込取扱票」により、被請求人宛に入金されたと認めることはできないから、郵便振替により振り込まれた上記事実(加入者及び依頼人等)と符合する証左とすることはできない。

ウ 以上のことからすると、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が付された、第16類の「文房具類」に属する「電話メモ帳」の存在が認められるとしても、この商品を被請求人が、「業として商品を生産し、証明し、又は譲渡する」との商取引(商品取引)を行っていたとは認め難いといわざるを得ないものである。

なお、他に、本件商標の使用を示す証拠は見いだせず、また、不使用の正当理由に係る主張及び立証はない。

(3)まとめ

したがって、被請求人提出の証拠によっては、取消請求に係る指定商品について、要証期間内における本件商標の使用が明らかにされたと認めることができないから、本件商標は、取消請求に係る指定商品について、商標法第50条の規定により、その登録の取消しを免れないものである。

よって、結論のとおり審決する。

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