1 本願商標
本願商標は、「密着温熱力」を標準文字で表してなり、別掲のとおりの商品を指定商品として、平成20年9月12日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『密着温熱力』の文字を標準文字で表してなるところ、その構成中の『密着』の文字は、『ぴったりと付着すること』(広辞苑)の意味を有し、また、『温熱力』の文字は、『人体等を温める力』程の意味合いを理解させるものであり、商標全体としては『ぴったりと付着し、人体等を温める力(効力)』程の意味合いを容易に看取させるものであって、これを本願指定商品中『化学物質を充てんした患部用保温保冷具,化学物質を塗布した患部用保温保冷具,あんか,湯たんぽ,かいろ,化学物質の酸化作用を利用してなる保温具,化学物質を塗布してなる保温保冷具,化学物質を充てんした保温保冷具』に使用しても、これに接する取引者・需要者に『ぴったりと付着し、人体等を温める力(効力)のある商品』であることを認識させるにすぎず、単に商品の品質・効能を表示するものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「密着温熱力」の文字をまとまり良く一体的に書してなるところ、その構成中「密着」の語は「ぴったりと付着すること」(広辞苑)の意味、「温熱」の語は「あたたかく感じる熱。あたたかさ。」(同)の意味、及び「力」の語は「ちから」(同)の意味を有するものであるとしても、本願商標の構成文字全体から、原審説示の如き、「ぴったりと付着し、人体等を温める力(効力)のある商品」の意味合いを、直ちに理解、認識されるとはいい難く、全体として格別の意味を有さない造語というのが相当である。
また、当審において、職権を持って調査したところ、本願の指定商品との関係において、「密着温熱力」の文字がその商品の品質、効能を具体的に表すものとして、取引上普通に使用されている事実は発見することができなかった。
してみれば、本願商標は、その指定商品に使用しても、商品の品質、効能を表示するものとして認識されるとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものであり、かつ、商品の品質の誤認を生ずるおそれもないというのが相当である。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当でなく、取消を免れない。
その他、政令で定める期間内に本願についての拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。