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結論

敗訴(請求棄却)

第3条第1項第3号「ホスピタリティデザインの識別力」の商標審決・判断理由(審判番号:不服2009−22899(T2009−22899/J1)|請求不成立)

審判番号
不服2009−22899(T2009−22899/J1)
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標(図形等・本文参照)
争点(論点)
ホスピタリティデザインの識別力
適用条文
第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
本文参照
最終結論
請求不成立(敗訴(請求棄却))

この審決(審判不服2009−22899(T2009−22899/J1)・不服)は、本件商標について、商標法第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「ホスピタリティデザインの識別力」です。特許庁は「本件審判の請求は、成り立たない」と判断しました(請求不成立)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ホスピタリティデザイン」の片仮名を書してなり、第41類「知識の教授,社員教育に関するコンサルティング,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」及び第42類「建築物の設計,家具の設計」を指定役務として、平成20年4月28日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『ホスピタリティデザイン』の文字を普通に用いられる態様により書してなるところ、『ホスピタリティデザイン』の文字が、『都市、ホテル、住居、インテリア等の設計、デザインの場において、人がもてなしをうけているかのように居心地の良い空間をデザインする』程度の意味をもって、設計やデザインの方向性、目的、概念を表す語として使用され、教育機関の場でも『ホスピタリティデザイン専攻』『ホスピタリティデザインコース』と、授業の科目名としても使用されている事実が確認できるから、本願商標をその指定役務に使用しても、これに接した需要者は、役務の質を表示するものと認識するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記1のとおり、「ホスピタリティデザイン」の文字からなり、第41類「知識の教授,社員教育に関するコンサルティング,セミナーの企画・運営又は開催,書籍の制作」及び第42類「建築物の設計,家具の設計」を指定役務とするものである。

そして、本願指定役務を取り扱う業界において「ホスピタリティデザイン」の文字が使用されている事実は、原審において提示した証拠に加えて、例えば、次のインターネットのウェブサイト及び新聞記事情報でも認めることができる。

(1)「学校法人中村学園 中村学園大学 流通科学部流通科学科」のウェブページにおいて、「流通経営部門」の項に「■浅岡 由美 教授 テーマ:ホスピタリティデザインの研究 内容:ホスピタリティを意識した製品・商品やサービスのあり方(デザイン)について研究を進めます。」との記載がある。(http://www.nakamura-u.ac.jp/~bmdadm/university/teachers/t03.html)

(2)「神田外語学院」のウェブページにおいて、「学科紹介 昼間部2年制」の「●国際観光科」の項に、「カリキュラム」として「科目:専門科目ツアーコンダクター科目 ホスピタリティデザイン 内容:サービス業に従事する上でも不可欠である『おもてなしの心』を学びます。観光業界の特徴、職種などの基本構成を学び、将来へのキャリア形成に結びつけます。」との記載がある。(http://www.kandagaigo.ac.jp/kifl/course/tg.html)

(3)「株式会社オーエルシージャパン(一級建築士事務所)」のウェブページにおいて、「サービス内容」の見出しのもと、「業務内容」の項に、「個人邸から再開発事業まで手がける規模はさまざまですが、ホスピタリティデザイン(居心地の良いデザイン)を基本理念としております。」との記載がある。(http://www.olcjapan.com/html/survice.html)

(4)「株式会社イリア」のウェブページにおいて、「雑誌『ウェッジ』掲載記事特集」の見出しのもと、「WEDGE12月号掲載『ホテルインテリア』」の項に、「進化するホスピタリティデザイン:今、ホテルに留まらず、病院、福祉施設・・・ホテル的サービスが提供される他の分野でもホテル的デザインの必要性を説く機運が高まりつつある。このように『ゲストをもてなす』接遇空間という意味で、ホテルデザインはホスピタリティデザインと呼ぶにふさわしい段階へ進化している。」との記載がある。(http://www.ilya.co.jp/jp/publishing/wedge2005/wedge12/index.html)

(5)「建設通信新聞」(2005年9月20日)において、「ホスピタリティーデザイン分野に本格参入/メック」の見出しのもと、「インテリア設計などのメック・デザイン・インターナショナルは、・・・同社はこれをきっかけに、ホスピタリティー(歓待)デザイン分野に本格的に参入する。」との記載がある。

これらの事実からすれば、「ホスピタリティデザイン」の文字(語)は、「もてなしの心が感じられるデザイン」、「居心地の良いデザイン」といった意味合いを表すものとして、普通に使用されているものといえる。

そうとすると、「ホスピタリティデザイン」の文字からなる本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、該文字を「ホスピタリティデザインに関する役務」又は「ホスピタリティデザインに配慮した役務」であるといった役務の質、内容を表示したものと理解するに止まり、自他役務識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、これをその指定役務について使用するときは、商標法第3条第1項第3号に該当するものといわなければならない。

なお、請求人は、「ホスピタリティデザイン」の語は、造語であって普通に用いられる語ではないとして、また、過去の判決例及び登録例を挙げ、本願商標も登録されるべきである旨主張している。

しかしながら、「ホスピタリティデザイン」の文字(語)は、上述のとおり使用されている事実があり、また、該事実からすると、「ホスピタリティデザイン」の文字からなる本願商標は、特定人による独占使用を認めることは公益上適当としないものであって、自他役務識別標識として機能し得ないものといわなければならない。また、商標が自他役務識別標識としての機能を有するか否かの判断は、査定時又は審決時における取引の実情を勘案し、その指定役務の取引者、需要者の認識を基準に判断すべきものであって、上述の「ホスピタリティデザイン」の語の使用事実からすれば上述のとおり判断するのが相当であるから、請求人の主張は採用することができない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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