Trademark Appeal Case
地名の識別力と要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−4712(T2010−4712/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「東京エグゼクティブセンター」の文字を標準文字で書してなり、第35類「広告,商品の売買契約の媒介,経営の診断又は経営に関する助言,市場調査,移動体電話の販売に関する情報の提供,商品の販売に関する情報の提供,ホテルの事業の管理,電子計算機・タイプライター・テレックス又はこれらに準ずる事務用機器の操作,電話の応対事務の代行,電話の受付・取次・発信・応答の代行(派遣によるものを含む。),建築物における来訪者の受付及び案内,広告用具の貸与,携帯電話・小型携帯無線呼出し機・電話の加入契約の媒介・取次ぎ・代行,携帯電話及びその付属品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として、平成21年4月1日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第4630021号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1に示すとおりの構成よりなり、平成13年1月19日に登録出願、別掲2に示すとおりの役務を指定役務として、平成14年12月13日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、前記1のとおり、「東京エグゼクティブセンター」の文字よりなるところ、その構成中前半の「東京」の文字部分は、日本国の首都を表す語であるが、一般に地名は「役務の提供場所」を表す語として普通に採択、使用されているものであるから、「東京」の文字部分に自他役務の識別力はないというべきである。
そして、「東京」の文字部分が漢字で表されているのに対し、「エグゼクティブセンター」の文字部分が片仮名文字で表されているものであるから、本願商標は、漢字と片仮名という文字種の相違により、視覚上、「東京」と「エグゼクティブセンター」の二つの語に分離して看取されるものである。
また、その構成文字全体から生ずる「トウキョウエグゼクティブセンター」の称呼も、長音を含め14音と冗長なものであるから、よどみなく一連に称呼し得るものとはいい難いものというべきである。
その他、「東京」と「エグゼクティブセンター」の各文字を、常に一体不可分のものとして看取、把握しなければならない特段の事情も見いだし難いものである。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、本願商標の構成中、独立して自他役務の識別標識としての機能を果たし得る「エグゼクティブセンター」の文字部分を要部として認識し、その部分より生ずる称呼をもって取引に当たるものというべきである。
そうとすれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して「トウキョウエグゼクティブセンター」の称呼を生ずるほか、「エグゼクティブセンター」の文字部分に相応して、単に「エグゼクティブセンター」の称呼をも生ずるものとみるのが相当である。
また、該文字部分は、「企業の上級管理職」の意味を有する「エグゼクティブ」の語と、「中央。中心。その分野の中心となる機関・施設」等の意味を有する「センター」の語(いずれも「広辞苑第六版」)とを結合してなるものであるから、これよりは、「企業の上級管理職用の施設」程の観念を生ずるものといわなければならない。
他方、引用商標は、別掲1のとおり、「THE」の欧文字と「EXECUTIVE CENTRE」の欧文字とを左揃えで二段に併記し、その右側に幾何図形と思しき図形を配した構成からなるところ、当該文字と図形部分とは、視覚的に分離して看取されるものであるから、それぞれが独立して自他役務の識別標識としての機能を果たすものというべきである。
そして、上段の「THE」の文字部分を除き、下段の「EXECUTIVE CENTRE」の文字部分だけを強調するかの如き下線が引かれていることからしても、「EXECUTIVE CENTRE」の文字部分が、特に看者の注意をひく部分であるというべきである。
なお、上段の「THE」の文字部分は、英語の定冠詞であって、後に続く語を特定、強調するために使用されているものであるから、該「THE」の文字の有無によって、「EXECUTIVE CENTRE」の文字部分から異なる観念が生ずることはないというべきである。
そうすると、「EXECUTIVE CENTRE」の文字部分からは、本願商標と同一の「企業の上級管理職用の施設」程の観念が生ずるものと判断するのが相当である。
そうとすれば、引用商標は、構成文字全体から生ずる「ザエグゼクティブセンター」の称呼を生ずるほか、「EXECUTIVE CENTRE」の文字部分に相応して、単に「エグゼクティブセンター」の称呼をも生ずるものであり、また、「企業の上級管理職用の施設」程の観念を生ずるものと判断するのが相当である。
そこで、本願商標と引用商標とを比較するに、両者はその外観において相違するところがあるとしても、「エグゼクティブセンター」の称呼及び「企業の上級管理職用の施設」の観念を共通にするものであるから、両者は、互いに相紛れるおそれのある類似の商標というべきであって、かつ、引用商標の指定役務中には、本願商標の指定役務と同一又は類似の役務が含まれているものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張
なお、請求人は、地名を含む過去の登録・審決例、称呼が共通でも非類似と判断された審決例等を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨主張しているが、これらの登録・審決例等は、商標の構成及び指定商品・役務との関係において、本願商標とは事案を異にするものであり、その登録例、審決例等をもって、本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切とはいえないことから、請求人の主張は採用することができない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当なものであって、これを取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
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