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Trademark Appeal Case

不使用取消と使用立証

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2009−301342(T2009−301342/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第4219658号商標(以下「本件商標」という。)は、「PORTFOLIO」の欧文字を標準文字で表してなり、平成9年10月22日に登録出願、第3類「せっけん類,化粧品」を指定商品として同10年12月11日に設定登録されたものであり、現に、有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成21年12月28日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、商標法第50条第1項の規定により、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証を提出した。

1 請求の理由

被請求人は、本件商標をその指定商品のいずれについても使用しておらず、また、本件商標について専用使用権者は存在せず、通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。

したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによっても、その指定商品につき使用されていないものである。

よって、請求の趣旨どおりの審決を求める。

2 答弁に対する弁駁

請求人は、後記第3の被請求人の答弁に対して何ら弁駁するところがない。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第5号証(枝番を含む。)を提出した。

被請求人は、日本国内において、本件商標をその指定商品中の「化粧品(ファンデーション)」について、本件審判の請求の登録前3年の間(以下「要証期間」という。)に使用している。

被請求人は、本件商標の使用に係る商品「ファンデーション」として二つのタイプの商品を販売している。第一のタイプは、固形おしろいすなわち固形パウダーとスポンジ及び鏡を組み合わせてケースに収容した形態の商品(以下「組み合わせ型ファンデーション」という。)であり、全体を一つの商品「ファンデーション」として販売している。第二のタイプは、固形パウダーのみをケースに収容した形態の商品(以下「単体型ファンデーション」という。)であり、そのまま使用することができるが、組み合わせ型ファンデーションに収容されるパウダーの詰め替え用としても使用できるようになっている。そのため、単体型ファンデーションと組み合わせ型ファンデーションとを区別するために、単体型ファンデーションには「レフィル」の語を付加して表示している。

1 乙第1号証について

乙第1号証は、被請求人が2009年8月21日から同9月16日までに納品した商品について、2009年9月20日付けで、商品の卸先である株式会社ワタナベ(以下「ワタナベ社」という。)に対して発行した請求明細書(控)である。

この「請求明細書(控)」には、商品「ファンデーション」について、本件商標が使用されている事実が明示されている。

2 乙第2号証及び乙第3号証について

乙第2号証は、組み合わせ型ファンデーションを撮影した写真(1ないし7)であり、乙第3号証は、単体型ファンデーションを撮影した写真(1ないし6)である。なお、乙第2号証の写真2に示される包装箱に発売元として表示されている「株式会社ピー・エス・インターナショナル」(以下「インターナショナル社」という。)は、被請求人が平成21年1月14日付けで本件商標に係る商標権を承継した前商標権者である。被請求人の販売する商品の包装箱にこの「株式会社ピー・エス・インターナショナル」が表示されているのは、商標権と共に同社が商標権の移転前に販売していた当該商品を被請求人が引き継いだためである。したがって、ここでの本件商標の使用は、被請求人による使用ということになる(乙第3号証及び乙第4号証において表示されている「株式会社ピー・エス・インターナショナル」についても同様である)。

3 乙第4号証について

乙第4号証は、要証期間から現在に至るまで頒布されているチラシであり、卸先及び小売店に頒布されて店頭に置かれるものである。なお、このチラシは、作成時期が古いため関係資料が散逸し又は廃棄されている状態にあり、現時点で印刷業者、印刷時期等についての詳細な情報を呈示することができない。そのため、かかるチラシに関して、本件商品の取引に携わった卸し先業者、小売業者による証明書を乙第4号証の2ないし4として提出する。

4 乙第5号証について

乙第5号証は、本件商標を付した二つのタイプの「ファンデーション」を現在も販売している小売店の一つであるローヤル化粧品店の店頭の写真であり、この証拠からも本件商標が現在も商品「ファンデーション」について使用されている事実が明らかである。

なお、前記乙第2号証、乙第3号証の写真は、平成22年3月9日に、乙第5号証の写真は、同月4日に撮影されたもので(撮影者:被請求人会社代表者長谷川秀孝)、いずれも要証期間の経過後であるが、それらの被写体である商品「ファンデーション」自体は、要証期間に販売されていた商品と同一のものである。

5 以上のとおり、本件商標は、日本国内において、その指定商品について要証期間に使用されていたものである。

第4 当審の判断

1 商品「ファンデーション」についての本件商標の使用について

(1)被請求人は、本件商標を取消請求に係る指定商品中の「化粧品(ファンデーション)」について使用しているところ、被請求人の提出に係る乙各号証によれば、以下の事実が認められる。

ア 乙第1号証は、被請求人が2009年8月21日から同年9月16日までに納品した商品について、同年9月20日付けで、被請求人がワタナベ社に宛てた請求明細書(控)の写しであり、同年9月2日及び同月3日の欄の商品名の欄には、「店ポートフォリオファンデーション レフィルCP−1 12g」、「店ポートフォリオファンデーション レフィルCN−2 12g」、「店ポートフォリオファンデーション レフィルCO−3 12g」の表示があり、同年9月16日の欄の商品名の欄にも「店ポートフォリオファンデーション レフィルCO−3 12g」の表示があり、それぞれの販売数量等が記載されている。

イ 乙第3号証は、単体型ファンデーションの6枚の写真からなるものである。写真1は、該商品の包装箱の表側の写真であり、上部には、別掲のとおり、やゝデザイン化して表された「Pf」の文字の「f」の下方先端部を挟むようにして「Port folio」の欧文字が表示(以下「使用商標1」という。)されており、下部には、「Crystal」と「Powder Foundation」の各文字が2段に横書きされている。写真2は、包装箱の裏側の写真であり、上部に「Portfolio」の欧文字(以下「使用商標2」という。)が表示されており、その下には、「ポートフォリオ」の片仮名(以下「使用商標3」という。)とともに、「CP ファンデーション」、「CO−3(クリスタル オーク)12g レフィル」等の表示があり、製造販売元として、「株式会社ピー・エス・インターナショナル」、発売元として「株式会社ピー・エス・プロダクツ」の表示があり、更にその下に成分表示が記載されている。写真3は、包装箱より取り出したファンデーションケースの表側の写真であり、そこには、使用商標1が表示されている。写真4及び5は、ファンデーションケースの裏側の写真及びその部分拡大写真であり、写真2の下部と同様に、使用商標3ほか、「CP ファンデーション」、「CO−3(クリスタル オーク)12g レフィル」等の表示が貼付されており、かかる「CO−3(クリスタル オーク)12g レフィル」等の表示は、乙第1号証の「ポートフォリオファンデーション レフィルCO−3 12g」の表示と符合するものである。

写真6は、該ファンデーションケースの蓋を開いた状態を撮影した写真であり、固形パウダーがケースに収められた状態が示されている。

ウ 乙第4号証は、上部に使用商標1が表示された「フェイスNUDY 裸肌のままに」と題するチラシであり、その下に「・・・ポートフォリオファンデーション。」の記載及び商品の写真とともに、「ポートフォリオ CP ファンデーション」、「レフィル 12g」等の紹介とともに、「スキンカラーチャート」として、「CP−1 クリスタルパール」、「CN−2 クリスタルヌード」、「CO−3 クリスタルオーク」について色彩の説明が写真とともに掲載されている。そして、最下段には、「株式会社ピー・エス・インターナショナル」の文字がその住所や電話番号等とともに表示されている。

そして、「ポートフォリオファンデーション」、「レフィル 12g」及び「CO−3」の表示は、乙第1号証の「ポートフォリオファンデーション レフィルCO−3 12g」と符合するものであり、「ポートフォリオ CPファンデーション レフィル 12g」の表示は、乙第3号証の写真4及び5の表示と符合するものである。

エ 乙第5号証は、被請求人の主張によれば、組み合わせ型ファンデーションや単体型ファンデーションが販売されている小売店の一つであるローヤル化粧品店の店頭の写真とのことであり、数多くの商品の中に、該ファンデーションも並べられており、「ポートフォリオ」の文字や「パウダーファンデーション」の文字を手書きした商品表示カードが該商品に近接させて配置されている様子を把握することができる。

オ 被請求人の主張によれば、乙第3号証及び乙第5号証の写真は、被請求人の代表者長谷川秀孝により撮影されたものであり、乙第3号証の写真は、平成22年3月9日に、乙第5号証の写真は、同月4日に撮影されたものとのことである。

(2)前記(1)において認定した事実によれば、乙第1号証の請求明細書(控)において、2009(平成21)年9月2日、同月3日及び同月16日の「商品名」の欄に記載された表示において、「ポートフォリオファンデーション レフィルCO−3 12g」の部分は、乙第3号証の写真4及び5における商品の表示や乙第4号証のチラシに記載されている商品の表示と符合しているものである。そして、乙第4号証に記載されたインターナショナル社は、被請求人が本件商標に係る商標権の移転を受ける前の商標権者(甲第1号証)であって、乙第3号証の写真4及び5において、製造発売元として表示されており、そこには、被請求人も発売元として併記されていることが認められる。

以上によれば、被請求人は、少なくとも使用商標1ないし3を表示した「単体型ファンデーション レフィル」(乙第3号証)なるファンデーションを、本件審判の請求の登録前3年以内に該当する2009(平成21)年9月2日、同月3日及び同月16日にワタナベ社に対して販売していたものと優に推認することができる。

(3)使用商標及び使用商品について

本件商標は、前記したとおり、「PORTFOLIO」の欧文字を標準文字で表してなるところ、これからは、「ポートフォリオ」の称呼及び「紙ばさみ、折りかばん」(「研究社 新英和大辞典 第6版」株式会社研究社発行)の観念を生ずるものである。

一方、乙第3号証の単体型ファンデーションの写真や乙第4号証のチラシには、使用商標1ないし使用商標3の商標が表示されている。

しかして、使用商標1は、別掲に示したとおり、やゝデザイン化して表された「Pf」の文字の「f」の縦線を下方へ長く伸ばし、その先端部分を挟むようにして「Port folio」の文字が表されているものであるところ、デザイン化された「Pf」の文字と「Port folio」の文字は、視覚上、表示態様が明らかに異なるものであり、これらを常に一体のものとしてみるべき特段の事情も見いだせないものであるから、「Port folio」の文字部分も独立して自他商品の識別標識としての機能を果たすとみるのが相当である。

そうすると、使用商標1は、その構成中の「Port folio」の文字が本件商標とはその表現手法に若干の差異を有するものであるとしても、つづりを同じくするものであり、「ポートフォリオ」の称呼及び「紙ばさみ、折りかばん」の観念を生ずるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認めて差し支えない。

使用商標2は、「Portfolio」の欧文字からなるものであり、これは、本件商標と大文字と小文字の表記において差異を有するにすぎず、同じつづりからなるものであるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

使用商標3は、「ポートフォリオ」の片仮名からなるものであり、これは、欧文字からなる本件商標を片仮名表記をもって表したものであって、「ポートフォリオ」の称呼及び「紙ばさみ、折りかばん」の観念を生ずるものといえるから、本件商標と社会通念上同一の商標と認められるものである。

そして、被請求人の販売に係る商品のうち、少なくとも、「単体型ファンデーション」は、固形パウダー(固形おしろい)のみをケースに納め、単体の商品として販売されているものであるから、取消請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうに属する商品と認められるものである。

(4)小括

以上の(2)及び(3)によれば、被請求人は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、取消請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうに含まれる「ファンデーション(固形パウダー)」について使用をしたということができる。

2 まとめ

以上のとおり、被請求人は、同人が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標と社会通念上同一と認められる商標を取消請求に係る指定商品中の「化粧品」の範ちゅうに属する「ファンデーション(固形パウダー)」について使用していたことを証明したものというべきである。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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