Trademark Appeal Case
称呼の類似性(促音)
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−15601(T2010−15601/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲1のとおりの構成よりなり、第25類「被服(「和服」を除く。)」を指定商品として、平成20年7月30日に登録出願された商願2008−62702に係る商標法第10条第1項の規定による商標登録出願として、同21年3月18日に登録出願されたものである。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第5168315号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲2のとおりの構成よりなり、平成19年5月2日に登録出願、第25類「ジャケット,コート,ティーシャツ,ベスト,ワイシャツ類及びシャツ,ジャンパー,セーター,ショーツ,ズボン及びパンツ,スカート,手袋,スカーフ,サロン,ベレー帽,その他の帽子,バイザー,バンダナ,靴下,レッグウォーマー,ソックプロテクター,その他の被服,短靴,長靴,サンダル靴,スリッパ,その他の履物,ベルト,ズボンつり,ガーター,靴下止め,バンド,ヘッドバンド,その他の運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、同20年9月26日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本願商標と引用商標との類否について
本願商標は、前記1のとおり、イヌ科のほ乳類の顔面(顔と右耳は赤色、左耳は黒色で表されている。)をデザインしたと思しき図形の下に「JACKALL」の欧文字を書してなるものである。
しかして、本願商標の構成にあっては、上段に配された図形部分と下段の文字部分とは、上部と下部に明確に分かれており、視覚上分離して看取されるものであり、観念上においても、図形部分と「JACKALL」の文字部分とを、常に一体不可分のものとして観察しなければならない特段の事情も見出せないものである。
そうとすれば、本願商標は、その構成中の図形部分と文字部分がそれぞれ独立して自他商品識別標識としての機能を果たすものであるから、下段の「JACKALL」の文字部分より生ずる「ジャッカル」の称呼をもって取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。したがって、本願商標は「ジャッカル」の称呼を生ずるものである。
他方、引用商標は、前記2のとおり、カンガルー科のほ乳類と思しき動物(例えば、カンガルー、ワラビー、ワラルー等)が跳躍している図形を表し、その胴体部分に重ねて「JACARU」の欧文字を書してなるところ、その文字部分と図形部分とを、常に一体不可分のものとして観察しなければならない特段の事情も見出せないものである。
そうとすれば、引用商標を、その指定商品に使用した場合、これに接する需要者は、構成中の「JACARU」の文字部分を自他商品識別標識として把握し、当該文字に相応して生ずる「ジャカル」の称呼をもって、取引にあたる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。したがって、引用商標は「ジャカル」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用商標との類否について検討するに、本願商標から生ずる「ジャッカル」の称呼と、引用商標から生ずる「ジャカル」の称呼とを比較すると、両者は語頭を含む「ジャ」、「カ」及び「ル」の音を共通にし、相違するところは、中間における促音「ッ」の有無にすぎない。
そして、当該差異音である促音は、それ自体が独立した1音として明確に発音されて、聴取されるものではなく、その前音である「ジャ」に吸収され、明確には聴取され難い微弱音となることから、促音の有無が、称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、両者をそれぞれ一連に称呼した場合には、全体としての語調、語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものといわなければならない。
次に、観念についてみるに、本願商標も引用商標も、各々の文字部分が特定の語義を有するものではなく、各々の図形部分も特定の動物を、直ちに把握、認識するものともいうことはできないから、観念において比較することはできないものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観において相違し、観念において比較できないとしても、称呼において互いに相紛らわしい類似の商標というべきである。
さらに、本願商標の指定商品と引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。
したがって、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、本願商標の図形部分は、イヌ科のほ乳類であるジャッカルの顔面をシンボライズしたもので、特異なジャッカルの印象を与えるものである旨主張するが、本願商標の図形部分は、前記(1)のとおり、動物の顔面をデザイン化したものとは言い得ても、直ちにジャッカルの顔面であると断定することはできない。
イ 請求人は、本願商標は、請求人のハウスマークとして、特にフィッシングの分野で世界的に注目されている著名な商標である旨主張するが、本願の指定商品は、「被服(和服を除く。)」であって、「釣り具」ではないことから、当該主張が本件の審理を左右するものではない。また、その著名性についてみても、その証拠は、請求人のインターネットウェブサイト(甲1)のみであるから、これらからは到底、本願商標が著名であると認めることはできない。
ウ 請求人は、引用商標は「ジャカルー」の称呼で取引されている旨主張するが、引用商標の称呼は、その指定商品との関係において取引者、需要者がどのように把握、認識するかとの観点から判断されるべきものであり、インターネットのウェブサイトにおける数例の使用例(甲2の1ないし3)があるとしても、それらに左右されるものではない。加えて、引用商標の称呼については、前記(1)のとおり判断されるものである。
エ 請求人は、引用商標はジャカルーという名前のカンガルーとの理解が相当で、「ジャカルーカンガルー」の称呼、「ジャカルーという名前のカンガルー」の観念を生じる旨主張するが、引用商標の図形がカンガルーか否か判然としない上に、引用商標の文字部分が動物の名前と直ちに看取されるものとも言い難い。
以上のとおり、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。
(3)まとめ
以上よりすれば、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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