Trademark Appeal Case
選択可能表示の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2010−17418(T2010−17418/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「えらべるパジャマ」の文字を書してなり、第25類に属する「パジャマ」を指定商品として、平成20年1月15日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『選択できる』等の意を認識させる『えらべる』の仮名文字と、指定商品を表す『パジャマ』の片仮名文字とで『えらべるパジャマ』と表示してなると看取されるところ、これに接する取引者・需要者は、例えば、『サイズ,デザイン,色彩,模様等が選択できる商品』程度の意味合いを容易に把握できるものといえることから、その指定商品に使用した場合は、自他商品の識別機能を発揮するとは言い難く、結局、本願商標は、単に商品の品質等を表すにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、「えらべるパジャマ」の文字を普通に用いられる方法で表してなるところ、本願商標を構成する「えらべる」の文字は、「選択できる」という程の意味合いを表し、「パジャマ」の文字は、本願指定商品を表すものである。
また、本願の指定商品及びその他の被服を取り扱う業界においては、商品のサイズ等を体型、好み等に合わせて、組み合わせが選択できるように、上下別売りのパジャマ等が販売されている実情がある。このような実情は、以下のインターネット情報及び新聞記事からも伺うことができる。
(1)ハーベストプラスのホームページ(http://www.harvest-plus.net/product-list/90)には、大人用パジャマとして、上下で販売されるパジャマのほかに、上下別売りとなっているパジャマが紹介されている。
(2)ひびのこづえタオルシリーズ(http://item.rakuten.co.jp/e-ricarica/10000197/)には、ひびのこづえデザインのパジャマが上下別売りで、紹介されている。
(3)GUNZE e Styleのホームページ(http://estyle.gunze.co.jp/products/detail_1230_TC3018.php)には、「有村実樹さんプロデュースによる『Tuche』シリーズホームウェア。フェミニンなデザインで部屋の過ごし方も華やかに。パジャマとしても着用できます。」との紹介があり、また同ホームページ(http://estyle.gunze.co.jp/products/detail_1230_TE4128.php)には、上記と同様の紹介がされている上、同じく「Tuche」シリーズでパジャマとしても活用できる長ズボン(http://estyle.gunze.co.jp/products/detail_1230_TE4068E.php)、半袖(http://estyle.gunze.co.jp/products/detail_1230_TC3038E.php)が、上下別売りで、紹介されている。
(4)カタログ通販のニッセンオンラインショップのホームページ(http://www.nissen.co.jp/sho_item/regular/1210/1210_06805.asp?book=1235&cat=keysch&bu=5239&thum=keysch)には、「タイトスカート(上下が選べるスーツ)(ストレッチ)(はっ水加工)」との商品紹介がされ、「セットアップできるジャケットはこちらです。」との表示のリンク先(http://www.nissen.co.jp/sho_item/regular/1210/1210_06801.asp?book=1210)には、「ジャケット(上下が選べるスーツ)(ストレッチ)(はっ水加工)」との商品紹介がされている。
(5)本格紳士服専門店KOKUBOのホームページ(http://www.rakuten.ne.jp/gold/kokubo/special/10ss-jktpnt.html)には、「洗練春の『ジャケパンスタイル』特集」の見出しのもと「ジャケパンスタイルとは、『ジャケット+パンツ』の組み合わせを自由にコーディネートするファッションスタイルのことです。」とされ、ジャケットとスラックスが別売りで紹介されている。
(6)日本経済新聞2003年9月23日付け朝刊27ページ
「イオン・ダイエー、紳士スーツ、上下別売り−サイズを選択。」との見出しのもと「大手スーパーが上下別々に選べる紳士スーツを相次ぎ発売する。イオンは二十六日、一万円で自分のサイズに合わせて上下を選べる紳士スーツを発売。ダイエーも二十五日に一万九千円でスラックスが選べるスーツを発売する。イトーヨーカ堂も七月から同様のスーツを販売中。上下セットの商品ではサイズが合わず購入をあきらめていた客の需要を見込む。・・・」との記事がある。
(7)読売新聞1993年11月12日付け東京朝刊9頁
「既製の背広、上下別売りの百貨店続々 サイズを選択自由に 前年実績4割増の店も」との見出しのもと「上着はA7サイズ、ズボンはA6といった具合に、つるしの背広を上下別売りする百貨店が増えている。上着はぴったりでも、ズボンが合わないという顧客の不満にこたえるためだ。・・・百貨店各社は、上下別売りスーツの導入を『百貨店らしいきめ細かなサービスの提供』と位置付け、今後も力を入れる方針だ。・・・」との記事がある。
以上からすれば、本願商標「えらべるパジャマ」を指定商品「パジャマ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者をして、構成中の「えらべる」の文字が、商品を選択できることを表したものとして容易に理解させ、全体として「サイズ、デザイン等が選択できるパジャマ」であることを認識させるにとどまるものというのが相当である。
したがって、本願商標は、指定商品の品質を直接的に表示するものであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものと判断するのが相当である。
なお、請求人は、本願商標は商品の品質等を具体的に表示するものではないと主張する。
しかしながら、上記のとおり、本願の指定商品の属する商品分野においては、商品のサイズ、デザインなどを体型に応じあるいは好みに応じて選択できるように、商品が販売されている実情がある上に、本願の指定商品「パジャマ」についても、上下セットで販売されるほか、上下別々に販売されている実情があることに照らせば、本願商標は、指定商品の品質を直接的に表示するものというのが相当である。
また、請求人は、商標登録の例等を挙げ、本願商標は登録されるべきである旨主張する。
しかしながら、本願商標が、商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについては、本願商標とその指定商品との関係から、個別具体的に判断されるべきものであって、商標の構成を異にする商標登録の存在等により、判断が左右されるものではない。
さらに、請求人は、本願商標は普通に使用されていない、本願商標を指定商品に使用しているのは請求人のみである、本願商標は、請求人のものとして独占適応性がある、識別性があるなどと、縷々主張する。
しかしながら、例えば、請求人の運営する無印良品ネットストアのホームページから、「えらべるパジャマ」を検索し、検索にヒットした商品写真をクリックすると、請求人の商品写真と、商品の値札が表示されるところ(http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718545650)、その値札には、「
えらべるパジャマ
(審決注:下線部は審決において付加したものである。以下同じ。)・ブロードショートパンツ 婦人・M・ギンガムチェック」と最上段に記載され、その下段に「お好みで上下の組み合わせを楽しめる、・・・」と記載され、その下段に値段、商品番号が記載がされ、最下段に商品番号、配送料の記載がされている。同じく、「
えらべるパジャマ
・七分袖スリーパー 婦人・L・チャコールグレー」(http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718523498)にも、「お好みで上下の組み合わせを楽しめる、・・・」と記載され、同じく「
えらべるパジャマ
天竺クルー長袖シャツ 紳士・S・杢グレー」(http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718546305)にも、「季節やお好みに合わせて、自由に上下の組み合わせを楽しめます。・・・」と記載され、同じく「
えらべるパジャマ
ツイルロングパンツ 紳士・L・チャコール」(http://www.muji.net/store/cmdty/detail/4548718546749)にも、「季節やお好みに合わせて、自由に上下の組み合わせを楽しめます。・・・」と記載されていることから、本願商標は、商標として使用されていると一概にいえるものではなく、請求人の商品の品質等を記述的に表示したものとしか認められないものである。そして、それらのインターネットページには、請求人の代表的な出所識別標識である「無印良品」の文字が表示されているものである。上記のような、請求人自身の「えらべるパジャマ」の表示及び「無印良品」の使用の態様からすれば、本願商標は、商品の品質を表示するものにすぎず、請求人の自他商品の識別標識としての機能を果たす態様で、使用されているとは認められない。
よって、請求人の主張は、いずれも採用することはできない。
してみれば、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべきでない。
よって、結論のとおり審決する。
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