Trademark Appeal Case
欧文字称呼の認定
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−21458(T2009−21458/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「スマッチ」の片仮名文字を標準文字で表してなり、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成又は保守,電子計算機の貸与,電子計算機用プログラムの提供,オンラインによるコンピュータプログラムの提供,インターネットにおける検索エンジンの提供,インターネットの電子掲示板又はホームページの作成・更新,インターネットの電子掲示板又はホームページの作成に関する情報の提供,インターネットサーバーエリアの貸与,コンピュータデータベースへのアクセスタイムの賃貸,インターネットにおける電子掲示板へのアクセスタイムの賃貸,コンピュータネットワークにおけるウェブサイトの作成・設計・保守,インターネットにおける電子掲示板用のサーバの記憶領域の貸与,ブログのためのサーバの記憶領域の貸与」を指定役務として、平成20年7月31日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶の理由に引用した登録第4731284号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成15年6月3日に登録出願され、別掲2に示す第7類、第9類、第12類及び第42類に属する商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成15年12月5日に設定登録されたものであり、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本願商標は、前記1のとおり、「スマッチ」の文字を表してなるところ、その構成文字に相応して、「スマッチ」の称呼のみを生ずるものであり、観念については、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
他方、引用商標は、別掲1のとおり、その一部が重なった黒または青色のストライプ柄の大きさが異なる3つの長方形内に大小3つの「SMACH」の欧文字を白抜き、または黒色で書して、さらに、最下段に「Smart Technology」の文字を小さく書してなるところ、かかる構成にあっては、図形の中に表された「SMACH」の各文字部分と「Smart Technology」の文字部分とは、文字の書体及び大きさが異なるものであるから、視覚上分離して看取されるばかりでなく、これらが常に一体不可分のものとしてのみ、看取、把握されなければならない特段の事情は見出せないものであるから、それぞれが独立して自他商品又は役務の識別標識としての機能を果たし得るものというのが相当である。
そうすると、引用商標に接する取引者、需要者は、その構成文字中、太字で表わされた「SMACH」の文字部分を捉え、これより生ずる称呼をもって取引に当たる場合も決して少なくないものとみるのが相当である。
そして、「SMACH」の文字部分は、特定の意味合いを有しない一種の造語といえるものであるところ、欧文字の綴りから構成される読みが特定されていない商標の場合にあっては、我が国において最も親しまれているローマ字あるいは英語風読みに倣って称呼されるとみるのが自然であるから、例えば、英語の「smash」を「スマッシュ」、「smack」を「スマック」と発音する例に倣い、その構成中「SMA」の部分を「スマッ」と発音し、また、「attach」を「アタッチ」、「detach」を「デタッチ」と発音する例に倣い、その構成中「CH」の部分を「チ」と発音するものと認められる。
そうとすれば、引用商標は、「SMACH」の文字部分より「スマッチ」の称呼をも生ずるものであり、観念については、該文字は、特定の意味合いを有しない一種の造語として認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標とは、全体の外観において相違し、観念において比較できないとしても、「スマッチ」の称呼を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、本願商標の指定役務は、引用商標の指定役務と同一又は類似の役務を包含するものである。
したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)請求人の主張について
ア 請求人は、甲第1号証ないし4号証、甲第27号証ないし34号証を提出し、「本願商標は、請求人にかかるブログ及び掲示板を利用した住まいの情報提供・相談サービスを提供するサイトの名称として、周知・著名となっている。」旨主張している。
そこで、提出された証拠を徴するに、甲第1号証及び甲第27号証には、請求人にかかるブログ及び掲示板を利用した住まいの情報提供・相談サービスを提供するサイトに「スマッチ!」の文字のほか、文字に色彩を施し、ややデザイン化された「Smatch」の文字、「住まいの達人ブログ」の文字、「サーチ」の文字、図形と「住まいのコミュニティサイト」の文字等を併せて使用している例があり、常に、本願商標と同態様で使用されているものということはできない。
甲第2号証には、2005年10月から2009年3月までの請求人サイトへの訪問者数(月間推移)が、甲第29号証には、2009年4月から2009年10月までの請求人サイトへの訪問者数(月間推移)がそれぞれ示されているが、インターネット上に掲載されている情報は、閲覧者であるユーザーが限定されている場合が多いと考えられることから、一般需要者の多数が、本願商標の存在を知り、かつ、本願商標に接しているとはいい難いものである。
甲第3号証は、広告宣伝費のデータであるが、該データ中の「摘要1」の項目に「SMATCHマグカップ代」、「SMATCHTシャツ代」、「SMATCH!ブログバナー掲載費」、「『スマッチ!』プレブロリリース配信」、「スマッチ!mixiバナー費他」及び「スマッチイーウェル10日」の記載が認められるものの、該データは、いかなる役務の提供に関する広告宣伝であるか及びその費用も明確ではない。また、同種のサービスを提供している業界における広告宣伝費を比較、検討するための、他社の広告宣伝費等の客観的なデータ等の客観的な証拠は提出されていない。
甲第4号証、甲第28号証、甲第30号証ないし34号証は、請求人サイトが宣伝・紹介された雑誌、新聞及びテレビ等のメディアの一覧表及び新聞記事であるが、確かに、請求人サイトが雑誌、新聞等に2006年から2009年にかけて単発的に紹介されたことは認められるが、一般需要者が接する機会が多いと認められるテレビ等のマスメディア等における広告、宣伝を継続的に行っている事実は認められないから、本願商標が請求人にかかるブログ及び掲示板を利用した住まいの情報提供・相談サービスを提供するサイトの名称として、一般需要者の多数が、本願商標の存在を知り、かつ、本願商標に接しているとはいい難いものである。
以上の事実を勘案すると、請求人が本願商標をブログ及び掲示板を利用した住まいの情報提供・相談サービスを提供するサイトの名称について使用し
ていることは認め得るものの、前記請求人サイトの名称として、周知・著名となっているとまでは認めることはできず、かつ、本願商標をその指定役務について使用していることを裏付ける証拠の提出もない。
したがって、本願商標を継続して宣伝、広告してきた結果、本願商標の登録出願時において、取引者、需要者間において、請求人の取扱に係る本願指定役務の商標として広く認識されていたものと認めることもできないから、請求人の該主張を採用することはできない。
イ 請求人は、引用商標権者の子会社であるスマック株式会社のウェブサイト(甲第5号証)を提出し、「引用商標のすぐ横には、『スマック』の文字が併記されており、『SMACH』の文字は、スマック株式会社の英文名称の略称であるから、引用商標から生じる称呼は『スマック』である。」旨主張している。
しかしながら、引用商標には、「SMACH」の読みを特定する片仮名文字等の表示はなく、また、取引の場において引用商標に接する取引者、需要者が、「SMACH」の文字部分を捉え、常に、該会社の英文名称の略称と認識するとまではいい難いものである。
そして、たとえ、引用商標の権利者が、社名の表記と共に、その英語表記に「SMACH」の文字を使用しているとしても、その使用例をもって、引用商標の「SMACH」の文字部分が「スマック」とのみ称呼されるものということもできず、引用商標の「SMACH」の文字部分については、前記(1)のとおり「スマッチ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当であるから、請求人の該主張を採用することはできない。
ウ 請求人は、「ach」の文字を含む英単語を例に挙げ、「『ch』の部分は『チ』とは発音しない。」旨主張しているが、前記(1)のとおり、「a」に後続する「ch」の場合において、「ch」の部分を「チ」と発音するのが自然であるというべきであるから、請求人の該主張を採用することはできない。
エ 請求人は、過去の審判決例を挙げ、「本願商標も登録を認めるのが妥当である。」旨主張しているが、商標登録出願に係る商標が商標法第4条第1項第11号に該当するか否かの判断は、個々の事案に即して個別具体的に判断されるべきものであるから、上記審判決例をそのまま本件の類否判断に当てはめることは妥当でなく、上記審判決例の存在をもって、本件における類否判断が左右されるものではないから、請求人の該主張を採用することはできない。
(3)まとめ
以上のとおり、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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