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Trademark Appeal Case

称呼類似と語尾音の軽視

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2010−7396(T2010−7396/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「LAPAX」の欧文字を横書きしてなり、第18類「皮革製包装用容器,愛玩動物用被服類,かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ,傘,ステッキ,つえ,つえ金具,つえの柄」及び第35類「被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,履物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定商品及び指定役務として、平成20年8月28日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願の拒絶の理由に引用した登録商標は、以下の(1)及び(2)のとおりであり、それぞれ、現に有効に存続している。

(1)登録第1040208号商標(以下「引用商標1」という。)は、「RAPAK」の欧文字と「ラパック」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなり、昭和45年9月22日登録出願、第19類「台所用品、日用品」を指定商品として、同48年10月25日に設定登録され、その後、3回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成17年1月5日に指定商品を第16類「家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,型紙,裁縫用チャコ,紙製のぼり,紙製旗,観賞魚用水槽及びその附属品,衛生手ふき,紙製タオル,紙製テーブルナプキン,紙製手ふき,紙製ハンカチ,荷札,紙製国旗,金魚鉢」とする指定商品の書換登録がされたものである。

(2)登録第1522338号商標(以下「引用商標2」という。)は、別掲に表示するとおりの構成よりなり、昭和53年9月19日登録出願、第21類「かばん類、その他本類に属する商品」を指定商品として、同57年6月29日に設定登録され、その後、2回にわたり商標権の存続期間の更新登録がされ、さらに、平成14年11月6日に指定商品を第18類「かばん類,袋物,携帯用化粧道具入れ」とする指定商品の書換登録がされたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標と引用商標1及び2との類否について

本願商標は、前記1のとおり、「LAPAX」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「ラパックス」の称呼が生ずるものであり、また、これよりは特定の語義を有するものではないから、一種の造語からなるものといえる。

他方、引用商標1は、前記2(1)のとおり、「RAPAK」の欧文字と「ラパック」の片仮名文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「ラパック」の称呼が生ずるものであり、また、これよりは特定の語義を有するものではないから、一種の造語からなるものといえる。

引用商標2は、別掲に表示するとおり、ややデザイン化された「RapaK」の欧文字を横書きしてなるところ、その構成文字に相応して、「ラパック」の称呼が生ずるものであり、また、引用商標1と同様、これよりは特定の語義を有するものではないから、一種の造語からなるものといえる。

そこで、本願商標から生ずる「ラパックス」の称呼と、引用商標1及び2から生ずる「ラパック」の称呼とを比較するに、両者は、語頭から続く「ラパック」の音を共通にし、語尾における「ス」の音の有無という差異を有するにすぎないものである。

そして、この差異音である「ス」は、舌端を前硬口蓋に寄せて発する無声摩擦子音「s」と母音「u」との結合した音節であって、比較的弱く響く音であり、明瞭に発音される破裂音「ク」に続いて発音されるときは、「ク」の音に吸収され、必ずしも明確に聴取されるとはいえず、しかも、明確に聴取し難い語尾に位置することから、当該差異音が両称呼の全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえないものである。

そうすると、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体として、その語調、語感が近似したものとなり、称呼上互いに相紛れるおそれがあるものといわざるを得ない。

してみれば、本願商標と引用商標1及び2とは、それぞれ前記のとおりの構成よりなるから、外観において相違し、観念についてはいずれも造語よりなるものであるから、比較することができないものであるとしても、称呼において相紛らわしいものであるから、全体として類似の商標である。

そして、本願に係る指定商品は、引用商標1及び引用商標2に係る指定商品と同一又は類似するものであり、また、本願に係る指定役務中「かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2に係る指定商品中「かばん類,袋物」と、本願に係る指定役務中「身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」は、引用商標2に係る指定商品中「携帯用化粧道具入れ」と、それぞれ商品の製造・販売と役務の提供が同一事業者によって行われていることが一般的であり、商品の販売場所と役務の提供場所を同一にし、さらに、需要者を共通にするものであるから、本願に係る指定役務中の前記役務と引用商標2に係る指定商品中の前記商品とは類似するものとみるのが相当である。

(2)請求人の主張について

請求人は、「X」の文字はもともと正確には「エック(キ)ス」と発音し、「ス」まで明確に発音する文字であることから、他の文字と組み合わされて語尾におかれて「クス」と発音される場合であっても、当然「クス」は不離一体に「ク・ス」と明確に二音で称呼される旨主張する。

しかしながら、本願商標と引用商標1及び2は、いずれも構成各文字が特定の語義を有しない造語であって、それぞれを一連に称呼する場合、特定の構成文字に着目したり、特に意識するものとも認められず、また、「X」の文字が他の文字と組み合わされて語尾におかれたからといって、常に「クス」と明確に称呼されるとは限らず、特に、語尾の無声の摩擦音「ス」の違いが聴者に強い印象を与えるものと認めることもできない。

また、請求人は、本願商標「ラパックス」を発音すると、自然に第2音である「パ」にアクセントが置かれ、「パ」が強烈な破裂音であることから強く耳に残り、全体称呼すると、あたかも「ラ・パックス」というように、2音節の如く響くのに対して、引用商標1及び2は自然に発音すると、特別アクセントがおかれる音がないため、抑揚のないやや平坦に流れたような印象を受け、全体を称呼した場合の印象が、本願商標にあっては躍動的な強い語感になるのに対し、引用商標はやや一本調子の平坦な語調となり、印象が全く異なって聴取される旨主張する。

しかしながら、一般的には、両称呼はともに第2音目の「パ」が強く発音されるものであり、発音上、特に両称呼に類否の判断に影響を及ぼすような差異を見出すことができない。そして、前記3(1)のとおり、差異音である「ス」は、無声の摩擦音で比較的弱く発音されるものであり、それが聴取上印象の弱い語尾にあることに加え、破裂音で明瞭に発音される「ク」に続いていることから、明瞭に聴取され難いものであり、「ラパックス」と「ラパック」とをそれぞれ一連に称呼したときは、全体から受ける語感は相当似通ったものとなり、その差異を明確に聴別されないおそれが十分にあるものいわなければならない。

さらに、請求人は、過去の審決例を挙げて、本願商標も引用商標1及び2とは非類似である旨主張しているが、請求人が挙げる過去の審決例は、対比する商標の構成態様等において本願とは異なるものであるばかりでなく、商標の類否の判断は、当該出願に係る商標と他人の登録商標との対比において、個別・具体的に判断すべきものであり、過去の審決例の判断に拘束されることなく検討されるべきものである。

したがって、これらの点についての請求人の主張は採用することができない。

(3)まとめ

以上のとおりであるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する。

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