Trademark Appeal Case
称呼の語尾差異と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2007−650097(T2007−650097/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「APOLLO」の欧文字を横書きにしてなり、日本国を指定する第42類「Scientific research for medical purposes in the field of mental illness.」を指定役務として、2005年(平成17年)1月18日に国際商標登録出願、その後、指定役務については、原審における平成18年1月27日付け手続補正書により、第42類「Clinical trial for and clinical research on pharmaceutical preparations in the field of mental illness.」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定において、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、引用した登録商標は以下のとおりである。
(1)登録第4432052号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲に示すとおりの構成からなり、平成11年4月21日に登録出願、第42類「美容,理容,写真の撮影,求人情報の提供,建築物の設計,測量,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,衣服の貸与」を指定役務として、同12年11月17日に設定登録、その後、同19年11月2日に商標権の一部取消し審判が請求され、同21年6月23日に不成立とする審決が確定し、現に有効に存続しているものである。
(2)登録第4437895号商標(以下「引用商標2」という。)は、「APOLLON」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年4月9日に登録出願、第42類「美容,理容,写真の撮影,求人情報の提供,建築物の設計,測量,医薬品・化粧品又は食品の試験・検査又は研究,衣服の貸与」を指定役務として、同12年12月8日に設定登録、その後、同19年11月2日に商標権の一部取消し審判が請求され、同21年7月1日に不成立とする審決が確定し、現に有効に存続しているものである。
(なお、これらをまとめていうときは、「引用各商標」という。)
3 当審の判断
本願商標は、「APOLLO」の文字からなり、その構成文字に応じて「アポロ」の称呼を生じ、かつ、「ギリシア神話の神アポロン」(広辞苑第6版)の観念を生ずるものである。
他方、引用商標1は、別掲のとおりの構成からなるところ、ややデザイン化してなるものの、欧文字を表したものと認識できる「Apollon」の(なお、「A」は、他の文字と同じ大きさで書されている。以下同じ。)とその構成中の最初の「l」の上部に、左側を左巻きに、右側を右巻きにカールさせたV字状の図形(以下「図形」という。)を配してなるものである。
しかして、「図形」と「Apollon」の文字は、上下に分離して配され、かつ、「Apollon」の文字は、図形の幅より、幅広に書されていることから、「図形」と「Apollon」の文字は、視覚上、分離して認識し、把握されるとみるのが自然である。
さらに、引用商標1が、構成全体として、なんらかの特定の意味合いを看取させる等、「図形」及び「Apollon」を常に不可分一体のものとしてのみ観察されなければならないとすべき特段の事情は見当たらない。
してみると、簡易迅速を尊ぶ取引の実際にあっては、引用商標1に接する取引者、需要者は、「Apollon」の文字部分に印象を留め、これより生ずる「アポロン」の称呼をもって取引に資する場合も決して少なくないというべきである。
そうとすれば、引用商標1は、「Apollon」の文字部分に相応した「アポロン」の称呼を生ずるものであり、かつ、「ギリシア神話の神アポロン」の観念を生ずるものである。
そして、引用商標2は、「APOLLON」の文字からなり、「アポロン」の称呼を生じ、かつ、「ギリシア神話の神アポロン」の観念を生ずるものである。
そこで、本願商標と引用各商標とを比較する。
本願商標から生ずる「アポロ」の称呼と引用各商標から生ずる「アポロン」の称呼の類否について検討するに、両者は、「アポロ」の音を共通にし、、異なるところは、比較的聴取し難い語尾における「ン」の音の有無にすぎず、それ自体の音の響きが弱いために、前音の「ロ」に吸収されやすく、語尾における「ン」の有無の差異が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえない。また、本願商標と引用各商標とは、「ギリシア神話の神アポロン」の観念を共通にするものであり、かつ、本願商標と引用商標2の外観においては、両者は、「APOLLO」の綴りを共通にし、その語尾において、欧文字「N」の有無を有するにすぎないことから、その外観も近似するものである。
そうすると、本願商標と引用各商標は、類似する商標と判断するのが相当である。
そして、引用各商標に係る指定役務は、本願商標の指定役務と同一または類似する役務を含むものである。
さらに、引用各商標は、請求人により、商標権の一部取消し審判が請求されたものであるが、前記2のとおり、当該審判は、不成立の審決が確定している。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとし本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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