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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2009−650023(T2009−650023/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「C−MAX」の文字からなり、2006年3月22日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づくパリ条約第4条による優先権を主張し、第1類、第7類、第9類及び第42類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品及び役務を指定商品及び指定役務として、2006年(平成18年)9月21日に国際商標登録出願されたものである。

そして、指定商品及び指定役務については、原審における平成20年5月12日付けの手続補正書、当審において通報があった、2008年(平成20年)12月15日付けで国際登録簿に記録されたCancellations及び2009年2月17日付けで国際登録簿に記録されたLimitationsにより、最終的に、第1類「Chemicals used in industry,namely catalysts,catalyst carriers and adsorbents.」とされたものである。

2 原査定の拒絶理由

本願商標は、次の登録商標と同一又は類似であって、その商標に係る指定商品又は指定役務と同一又は類似の商品又は役務について使用するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。

(1)登録第3087270号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲1のとおりの構成からなり、平成4年9月25日に登録出願、第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの役務を指定役務として、平成7年10月31日に設定登録されたものである。

(2)登録第4061504号商標(以下「引用商標2」という。)は、「シマックス」片仮名文字及び「SHIMAX」の欧文字を2段に書してなり、平成4年6月9日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年10月3日に設定登録されたものである。

(3)登録第4394058号商標(以下「引用商標3」という。)は、「SIEMAX」の欧文字を標準文字で表してなり、平成11年5月12日に登録出願、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年6月23日に設定登録されたものである。

(4)登録第5061556号商標(以下「引用商標4」という。)は、別掲2のとおりの構成からなり、平成18年2月3日に登録出願、第11類、「タール類及びピッチ類」を含む第19類、第20類、第35類、第37類及び第42類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成19年7月13日に設定登録されたものである。

そして、引用各商標は、現に有効に存続しているものである。

3 当審の判断

(1)本願商標の指定商品及び指定役務は、前記1のとおり限定された結果、引用商標1ないし3の指定商品及び指定役務と同一又は類似の商品及び指定役務はすべて削除されたと認められるものである。

(2)本願商標と、引用商標4(以下「引用商標」という。)の類否について検討する。

本願商標は、前記1のとおり、「C−MAX」の文字からなり、その構成文字に相応し「シーマックス」の称呼を生ずるものである。また、該文字は、特定の語義を有しない造語といえるものである。

他方、引用商標は、別掲2のとおり、図形と、デザイン化し黄色と赤の色彩を施した「S」の欧文字と、それに続いて濃い紫の色彩を施しやや小さく表した「HI」の欧文字及びやや大きく表した「MAX」の文字を一連に「SHIMAX」と、その下にやや小さく「SHIMAX Co,Ltd.」の文字を、それぞれ図形に重なるように表し、図形の下段に「シマックス」の片仮名文字を表してなるものである。

そして、引用商標のかかる構成にあっては、図形と、欧文字部分及び片仮名文字部分とが視覚的に分離して看取されるといえるものであって、これらを称呼及び観念する場合には、常に一体不可分のものとしてのみ看取し把握されなければならない特段の事情も見受けられない。

そうとすれば、引用商標は、その構成中、色彩を用いて顕著に表された「SHIMAX」の欧文字部分、若しくは「シマックス」の片仮名文字部分に着目し、これより生ずる「シマックス」の称呼をもって取引に当たる場合も少なくないといえるものであるから、単に「シマックス」の称呼をも生ずるものである。そして、該文字は、特定の語義を有しない造語といえるものである。

そこで、本願商標より生ずる「シーマックス」と引用商標から生ずる「シマックス」の各称呼とを比較するに、両称呼は、語頭における「シ」の長音の有無に差異を有するにすぎないものであり、かつ、その長音の有無の差異がその称呼全体に及ぼす影響は決して大きなものとはいえず、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調語感が近似し、互いに聞き誤るおそれがあるものと判断するのが相当である。

してみれば、本願商標と引用商標とは、外観においては相違し、観念については比較し得ないとしても、称呼において類似する商標であり、かつ、本願商標の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類似の商品である。

(3)なお、請求人は、審判請求書において、本願指定商品、第1類「Chemicals used in industry,namely catalysts,catalyst carriers and adsorbents.」(工業用化学品、すなわち触媒、触媒担体及び吸着剤)と、引用商標に係る指定商品中、第19類「タール類及びピッチ類」とは、その生産部門、販売部門、需要者等が相違するだけでなく、その用途や原材料、品質等も全く異なる商品である旨主張しているが、本願指定商品中の「触媒」は、「化学物質とともに少量用いて自分自身は反応の前後において量的、組成的に変化なく、しかもその化学反応の速度を変化させる物質をいう。・・(中略)・・触媒は化学工業においてきわめて重要である。」であり、「(触媒)担体」は、「物質中で電気を運ぶ粒子のこと。電子と正孔。」(ともに、三省堂化学小事典)、また、「吸着剤」は、「界面に他物質を吸着する物質。活性炭・活性アルミナ・シリカゲルの類。吸着媒。」(広辞苑第六版)であることから、それぞれ第1類「化学品」に属する商品である。

また、引用商標の指定商品中、第19類「タール類及びピッチ類」は、例えば、「コールタール」は、「石炭の高温乾留で得られるタール。(中略)染料・医薬・火薬・溶剤などの重要な原料となる。また、そのまま防腐塗料に用いる。」であり、「ピッチ」は、「タール・石油・油脂などの蒸留残渣(ざんさ)で、黒または黒かっ色の固体の総称。・・(中略)・・練炭や電極などの粘結剤、防水、塗料、乾留してピッチコークスなどの用途がある。」(ともに、三省堂化学小事典)であることから、たとえ、第19類に属し、「金属製でない建築材料」としての取引があるとしても、これらの商品は、第1類「化学品」に含まれる「溶剤」や「粘結剤」等としての性質を有する商品といわなければならない。

そうとすれば、本願指定商品「Chemicals used in industry,namely catalysts,catalyst carriers and adsorbents.」(工業用化学品、すなわち触媒、触媒担体及び吸着剤)と、引用商標の指定商品中、第19類「タール類及びピッチ類」とは、ともに「化学品」の範疇の属する類似の商品というのが相当である。

また、本願指定商品の「触媒(剤)」は「化学剤」、「吸着剤」は「界面活性剤」に含まれる商品であり、引用商標の指定商品中、第19類「タール類及びピッチ類」は「有機工業薬品」といえるところ、これらの商品については、インターネット等において、例えば、「【スミタニ】化学薬品の専門商社・株式会社 隅谷商店」のウェブページによれば、「化学工業薬品販売」、「メーカーに代わって用途や使用環境に応じた加工を行い、すぐにお使いいただける状態で薬品を調達します。」と記載し、「ソーダ工業薬品」、「無機工業薬品」、「有機工業薬品」、「洗浄用溶剤・薬剤・洗浄機」及び「その他」等、幅広く化学工業薬品を販売していることが窺えるほか、「広瀬化学薬品株式会社」のウェブページによれば、「電子・機械・化学・食品・医薬品などあらゆる産業分野で、産業用原料、副資材として幅広く活用されている工業薬品の数々。」の記載とともに、「有機工業薬品」や「界面活性剤」等と記載されているものである。さらに「ハヤシ化成株式会社」のウェブページによれば、「取扱商品」として、「化学工業薬品」に「無機工業薬品、有機工業薬品、・・(中略)・・界面活性剤、石油化学薬品、食品添加物用薬品、高圧ガス、その他工業薬品全般」等との記載も見受けられる。

(4)以上によれば、本願指定商品、第1類「Chemicals used in industry,namely catalysts,catalyst carriers and adsorbents.」(工業用化学品、すなわち触媒、触媒担体及び吸着剤)と、引用商標に係る指定商品中、第19類「タール類及びピッチ類」とは、ともに「化学品」の範疇に属する類似の商品であって、取引の実情によれば、商品の生産部門又は販売部門を共通にする場合があることからすれば、請求人の主張を採用することはできない。

(5)まとめ

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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