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Trademark Appeal Case

称呼類似と語尾音の差

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2009−680004(T2009−680004/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

国際商標登録第932159号の登録を無効とする。
審判費用は被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件商標は、「AZUR」の文字を書してなり、2006年12月13日にGermanyにおいてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張し、2007年6月13日に国際登録出願されたものであり、国際登録簿に記載の第32類「Mineral and aerated waters and other non−alcoholic drinks;refreshing beverages made with mineral water;fruit juices,fruit drinks,fruit juice beverages made with sparkling mineral water;refreshments;soft drinks for energy supply and sports soft drinks (in all cases,except for goods which contain alcohol).」を指定商品として、平成21年3月6日に我が国において設定登録されたものである。

第2 請求人の主張の概要

請求人は、「結論同旨の審決を求める。」とし、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第3号証を提出した。

1 無効事由

本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同15号に該当し、同法第46条第1項第1号により無効にすべきものである。

2 無効原因

(1)本件商標は、本件商標は、甲第1号証から明らかなように「AZUR」の文字を書してなり、これより「アズール」の称呼を生ずる。

(2)請求人は、平成17年4月19日登録出願され、同年11月18日に登録された登録第4910021号商標(以下「引用商標」という。)に係る商標権を所有している(甲第3号証)。

(3)引用商標は、アルファベットの大文字からなる「AZZURRA」と、片仮名文字「アズーラ」とを一列に並置してなる商標であって、標準文字からなる商標であり、第32類「ビール,清涼飲料,炭酸飲料,炭酸水,ミネラルウォーター,スパークリングウォーター,天然水,鉱泉水,果実飲料,ビール製造用ホップエキス,乳清飲料,飲料用野菜ジュース」を指定商品とするものである。

(4)称呼類似について

商標審査基準中の第4条第1項第11号には、商標の称呼について類似判断を行う際に、相違する音の子音を共通にしているか、子音が近似している場合には、全体の音感が近似して聴覚されることが多いために、称呼上類似するとしている。

この基準に従うと、本件商標より生ずる「アズール」と引用商標より生ずる「アズーラ」とは、語尾の子音を共通にし、母音がウとアの差異がある。該母音のウとアは、何れも舌が下方に位置するために、口の開き方に多少差異があるだけであって近似することが明らかである。したがって、全体の音感が近似して聴覚される。

また、同基準中の第4条第1項第11号には、相異する音が共に中間または語尾に位置している場合には、これらの音は比較的弱く聴覚されることが多いとしている。

この基準に照らせば、「アズール」と「アズーラ」とは、語尾の音が相異するだけであるから、類似することになる。

また、同基準中の第4条第1項第11号には、同数音の称呼の比較判断に当たっては、相異する1音が50音図の同列に位置するときには、類似するとしている。

この基準に従うと、「アズール」と「アズーラ」とは、類似することが明白である。

以上から、本件商標と引用商標とは、称呼において明らかに類似する。

(5)観念類似について

本件商標と引用商標は、何れも日本においては、特別な観念を生じるものではなく、観念類似を論ずる余地はない。

なお、「AZUR」は、ドイツ語であって、青空、青等を意味する。これに対し「AZZURRA」は、イタリア語であって、青空、青等を意味する。仮にドイツ語及びイタリア語が我が国において理解されるのであれば両者は同じ観念を生じ、観念類似となる。

(6)外観類似について

本件商標と引用商標は、共にアルファベット文字の大文字から構成されると共に、構成文字数に若干の相違があるものの、構成文字が互いに共通しており、その配列も互いに似ている。したがって、外観上も互いに類似するものである。

(7)さらに、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、販売者並びに需要者が同一である蓋然性が極めて高く、同一あるいは類似する商品ということができる。したがって、本件商標をその指定商品に使用すると、請求人の商標を付した商品との間で誤認混同が生じる。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁をしていない。

第4 当審の判断

本件商標は、前記のとおり「AZUR」の文字を書してなるから、その構成文字全体に相応し「アズール」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

一方、引用商標は、前記のとおり「AZZURRA」と片仮名文字「アズーラ」とを一文字程度の間隔を開け、一列に並置してなる商標であり、片仮名文字「アズーラ」より「アズーラ」の称呼を生ずるものとみるのが相当である。

そこで、本件商標より生ずる「アズール」と引用商標より生ずる「アズーラ」の類否について判断するに、両称呼は、共に長音を含む3音よりなるところ、3音中長音を含む「アズー」の音を共通にし、語尾における「ル」と「ラ」の音の差異を有するに過ぎない。しかして、該差異音「ル」と「ラ」は、上歯茎と舌先との間で調音される有声子音「r」に母音「u」、「a」が結合した同行音に属する音であって、かつ、該差異音の前音「ズー」が濁音で長音を伴うことから強く発音されるから、該差異音「ル」と「ラ」は明確に聴取し難いものである。

そうとすると、両称呼をそれぞれ全体として称呼したときには、語感、語調が近似し、彼此聴別し難いものといわなければならない。

してみれば、本件商標と引用商標は、称呼上類似の商標といわなければならない。

また、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品は、取引者、需要者を共通にする同一または類似の商品といわなければならない。

したがって、本件商標は、他の条項について判断するまでもなく、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものというべきであるから、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきである。

よって、結論のとおり審決する。

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