1 本願商標
本願商標は、「FORCE」及び「VECTOR」の欧文字を二段に書してなり、第3類に属する日本国を指定する国際登録において指定された商品を指定商品として、2008年2月28日にフランス共和国においてした商標登録出願に基づいてパリ条約第4条による優先権を主張し、同年7月31日に国際商標登録出願されたものである。
その後、指定商品については、原審における平成21年7月23日付けの手続補正書により、第3類「Shampoos;cosmetic gels,styling mousses,hair balms (other than for medical purpose),creams,hair wax,beauty serums for hair,lotions;haircare and styling products in the form of aerosols;hair sprays;hair dyes and bleaching products;hair waving and setting products;essential oils.」と補正された。
2 引用商標
原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4310954号商標(以下「引用商標」という。)は、「ベクトル」の片仮名と「vector」の欧文字を二段に書してなり、平成10年8月12日登録出願、第3類「せっけん類,香料類,化粧品,歯磨き」を指定商品として、同11年9月3日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、上記1のとおり、同じ書体、同じ大きさ、等間隔で表した「FORCE」と「VECTOR」の欧文字を、わずかなすき間をもって二段にまとまりよく一体的に表してなるものであり、構成文字全体から生ずる「フォースベクター」又は「フォースベクトル」の称呼も、よどみなく一連に称呼できるものである。
そして、その構成中の「FORCE」の文字部分が、本願商標の指定商品との関係においては、原審の説示のように商品の「効能」及び「品質」を表示するものとはいい難い。
そうとすると、これに接する取引者、需要者をして、殊更に本願商標から「FORCE」の文字部分を捨象し、構成中の「VECTOR」の文字部分のみに着目し、取引に資されるというよりは、むしろ、その構成全体をもって、特定の意味合いを有しない一体不可分の造語として認識されるとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、その構成文字全体に相応して、「フォースベクター」又は「フォースベクトル」の称呼のみを生じるものであって、単に「ベクター」又は「ベクトル」の称呼は生じないものである。
したがって、本願商標から「ベクトル」の称呼及び観念をも生じるとし、その上で、本願商標と引用商標とが同一又は類似の商標であるとして、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとした原査定は、妥当ではなく取消しを免れない。
その他、政令で定める期間内に本願について拒絶の理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。