Trademark Appeal Case
称呼と外観の類否判断
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900080(T2010−900080/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5290687号商標(以下「本件商標」という。)は、「春のたより」の文字を標準文字で表してなり、平成21年6月9日に登録出願、同年12月10日に登録査定、第30類「菓子及びパン」を指定商品として、同年12月25日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立の理由(要旨)
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の(1)及び(2)の登録商標(以下「引用商標」という。)を引用し、本件商標は、引用商標と類似する商標であって、同一又は類似する商品について使用するものであるから、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第43条の2第1号によって、その登録は取り消されるべきである旨申し立て、証拠方法として甲第1号ないし第19号証を提出した。
(1)登録第1856360号商標は、「春便り」の文字を横書きしてなり、昭和59年3月6日に登録出願、第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同61年4月23日に設定登録、その後、商標権存続期間の更新登録がなされ、また、指定商品については、平成18年7月26日に書換登録があった結果、第30類「菓子,パン」とするものである。
(2)登録第4452003号商標は、「春便り」の文字を標準文字で表してなり、平成11年12月3日に登録出願、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,みそ,ウースターソース,ケチャップソース,しょうゆ,食酢,酢の素,そばつゆ,ドレッシング,ホワイトソース,マヨネーズソース,焼肉のたれ,角砂糖,果糖,氷砂糖,砂糖,麦芽糖,はちみつ,ぶどう糖,粉末あめ,水あめ,ごま塩,食塩,すりごま,セロリーソルト,化学調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,ホイップクリーム用安定剤,酒かす」を指定商品として、同13年2月9日に設定登録されたものである。
そして、引用商標は、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
(1)本件商標
本件商標は、「春のたより」の文字よりなるものであるところ、その構成中前半の「春」の文字部分は、「四季の最初の季節。正月。新春。」等を意味する語であり、後半の「たより」の文字部分は、「たよること。たのみとする人や物。よい機会。ついで。おとずれ。音信。使者。」等(いずれも広辞苑第六版)を意味することから、「春のたより」の文字よりは、「(四季の)春のおとずれ、春の使者」程の意味合いを認識させ、「ハルノタヨリ」の称呼を生ずるものである。
(2)引用商標
他方、引用商標は、「春便り」の文字を書してなるものであるところ、後半の「便り」の文字部分は、広辞苑第六版の「たより」の項によれば、「手紙・知らせの意では『便り』と書く。」の意味合いであり、また、「知らせ。通信。」等(角川国語辞典 角川書店)を意味することから、「春便り」の文字よりは、「春の知らせ、春通信」程の意味合いを認識させ、「ハルダヨリ」の称呼を生ずるものである。
(3)本件商標と引用商標との類否について
本件商標から生ずる「ハルノタヨリ」と、引用商標から生ずる「ハルダヨリ」の称呼は、語頭の「ハル」の称呼を共通にするものの、第3音目の「ノ」の音の有無と、これに続く「タ」の音の清音と濁音に相違を有するものであることから、比較的短い称呼において前記差異音は、聴者の両称呼に対する音感に与える影響は決して小さいものとはいい難く、それぞれを一連に称呼しても全体の語調、語感が異なり十分に聴別し得るものと認められる。
そして、本件商標と引用商標とは、全体の外観において差異を有しているものと認められ、観念については、本件商標が「春のおとずれ、春の使者」程の観念を生じさせるのに対し、引用商標は「春の知らせ、春通信」程の観念を生じさせるものであるから、近似した印象を与える場合があるといえるものである。
してみれば、本件商標と引用商標とは、観念において近似する場合があるとしても、称呼及び外観の相違点を考慮して総合的に考察した場合、両商標は、互いに類似する商標とはいえず、両商標を同一又は類似の商品に使用しても、その出所について誤認混同を生ずるおそれはないものというのが相当である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当しない。
(4) まとめ
以上のとおり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものとはいえないから、その登録は、商標法第43条の3第4項の規定により、維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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