Trademark Appeal Case
図形商標の細部構成と類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900094(T2010−900094/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第5299730号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成からなり、2008年12月11日にアメリカ合衆国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、平成21年6月11日に登録出願、第1類「肥料,植物成長調整剤類,化学品」及び第5類「農業・林業・園芸・家庭において使用される燻蒸剤・除草剤・殺菌剤・殺虫剤・農薬(植物成長調整剤類を除く。)・害虫駆除剤,その他の薬剤」を指定商品として、同22年1月14日に登録査定、同年2月5日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要点)
(1)登録異議申立人の引用する商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)が本件商標の登録異議の申立ての理由に引用する国際登録第952635号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおりの構成からなり、2007年12月6日にスイス国においてした商標登録出願に基づきパリ条約第4条による優先権を主張して、2007年12月18日に国際商標登録出願、第1類、第5類、第31類及び第44類に属する別掲(3)に記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成21年7月3日に設定登録されたものである。
(2)商標法第4条第1項第11号について
本件商標及び引用商標は、共に円弧状の黒線の先の部分をその折り返し部分が対向するように折り返し、その線の折り返し箇所を尖らせてなり、かつ、折り返し部分も円弧状のものとし、その折り返し部分の先端が細くなるものである。
このように、本件商標と引用商標とは細部において相違はあるものの、モチーフ及び基本的な構成を共通にしている。そして、互いの抵触する商品は容器に入れて販売されることが一般的なものであり、現実の取引では、容器は縦・横いずれにもなり得るものであるから、本件商標が横方向に描かれ、引用商標が縦方向に描かれていることは両商標の類否に何ら影響を及ぼすものではない。
以上述べたことから、本件商標は引用商標に類似するものであり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品及び指定役務とは、同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標と引用商標とは別掲(1)あるいは別掲(2)に示したとおりの構成からなるところ、申立人が主張しているように、いずれも円弧状の黒線をその先端において折り返したかの如き構成からなるものであるとしても、両商標の構成には、以下のような差異のあることが認められる。
すなわち、まず、円弧状の黒線の表し方については、本件商標の場合は、上下に波打つような湾曲線をもって表されており、両端及び中間部分において黒線の太さが極めて細くなるように表されているのに対して、引用商標の場合は、全体が大きくカーブしているような湾曲線をもって表されており、上端部が水平にカットされた太めの黒線から始まり、その線が次第に細くなるように表されている。また、黒線の折り返し部分の表し方についても、本件商標の場合は、全体の円弧状図形の外側に折り返すように表されているのに対して、引用商標は、全体の円弧状図形の内側に折り返すように表されており、しかも、本件商標の場合は、折り返し前の曲線と折り返し後の曲線とが極めて近接しているため、その間の空間は極めて狭いのに対して、引用商標の場合は、折り返し前の曲線と折り返し後の曲線との間には広い空間が設けられている。
そうとすれば、両商標は、ともに円弧状の黒線をその先端において折り返したかの如き構成からなるものであるとしても、その構成態様において十分に区別し得る差異を有しており、この差異は、比較的簡潔な構成からなるこれら図形の外観に与える影響は大きく、図形全体から受ける視覚的印象も全く異にするものであるから、これらを時と処を異にして離隔的に観察するも、外観において紛れるおそれはないものといわなければならない。
そして、この両商標から受ける印象の差異は、両商標をどのような向きに回転させて観察したとしても変わらないものといえる。
また、両商標から特定の称呼、観念を生ずるものとは認められないから、本件商標と引用商標とは、称呼及び観念の点については比較すべくもないものである。
そうとすれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれの点においても紛れるおそれのない非類似の商標といわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第11号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきである。
よって、結論のとおり決定する。
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