Trademark Appeal Case
著名商標と混同のおそれ
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2010−900161(T2010−900161/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本件商標
本件登録第5307635号商標(以下「本件商標」という。)は,別掲(1)のとおりの構成からなり,平成21年8月4日に登録出願,第8類「手動利器,手動工具,十能,火消しつぼ,火ばし,殺虫剤用噴霧器(手持ち工具に当たるものに限る。),くわ,鋤,レーキ(手持ち工具に当たるものに限る。),水中ナイフ,水中ナイフ保持具,ピッケル,パレットナイフ」を指定商品として,平成22年3月12日に設定登録されたものである。
第2 登録異議申立ての理由
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は,その理由(要点)を以下のように述べ,証拠方法として甲第1号証ないし同第14号証を提出した。
1 理由
本件商標は,下記2に記載した申立人所有の引用商標と,その外観,称呼及び観念において類似性を有し,これら引用商標は,我が国需要者間において広く知られた著名な商標であるため,本件商標をその指定商品について使用すると,申立人の業務に係る商品と混同を生ずるおそれがあるから,商標法第4条第1項第15号に該当する。
2 引用商標
(1)登録第134087号商標(以下,「引用商標1」という。)は,別掲(2)のとおりの構成からなり,大正10年5月2日に登録出願(明治35年3月5日登録 第16917号更新),第45類「乾海苔,味付海苔,缶詰,海苔」を指定商品として,同年8月26日に設定登録され,その後,指定商品については,平成16年7月14日に第29類「干しのりの缶詰,その他の干しのり,味付のり」及び第31類「缶詰のり(未加工のもの)」とする商品の書換登録がされたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
また,当該商標権には,昭和58年8月24日に防護標章登録及び平成17年7月6日にその防護標章の書換登録がなされ,防護標章登録第1号として,第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品についての防護標章の登録がされている。
(2)登録第182682号商標(以下,「引用商標2」という。)は,別掲(3)のとおりの構成からなり,大正14年8月3日に登録出願,第45類「海苔一切」を指定商品として,大正15年7月7日に設定登録され,その後,指定商品については,平成20年1月23日に第29類「焼きのり,干しのり,味付けのり,干し青のり,のりの缶詰,のりのつくだに,青のりのつくだに,お茶漬けのり,のりのふりかけ,のりを主原料とする棒状・ブロック状・錠剤状・粉末状・顆粒状・液状・カプセル状の加工食品,のりを主材とする惣菜,のりを主材とするスープのもと」及び第31類「のり,青のり」とする商品の書換登録がされたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
また,当該商標権には,昭和58年8月24日に防護標章登録及び平成17年7月6日にその防護標章の書換登録がなされ,防護標章登録第1号として,第29類ないし第32類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品について,防護標章の登録がされている。
(3)登録第5233057号商標は(以下,「引用商標3」という。),別掲(4)のとおりの構成からなり,平成19年5月1日に登録出願,第35類「飲食料品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,シャツ・その他の被服の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,かばん類及び袋物の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,ハンカチ・手ぬぐい・その他の身の回り品の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供,家庭用電気式海苔焼き器の小売又は卸売の業務において行われる顧客に対する便益の提供」を指定役務として,平成21年5月22日に設定登録されたものであり,その商標権は,現に有効に存続しているものである。
第3 当審の判断
1 使用商標の著名性について
申立人の主張及び提出した証拠によれば,申立人は,乾海苔及び乾海苔を原材とした加工食品を販売する事業者であって,1849年の創業時に円輪郭内に漢字「梅」を書した表示を店の暖簾に使用して以来,引用商標3の構成中の円輪郭内に漢字「梅」を書した表示とほぼ同一の表示(以下,「使用商標」という。)を現在に至るまで,店の暖簾や商品(乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品など)の包装紙やパンフレットなどに継続して使用していることが認められる。
そして,使用商標及びこれに類似する表示を構成の一部に含む標章は,前記第2のとおり,引用商標1ないし3として商標登録がなされ,また,甲第5号証及び同第6号証のとおり,第29類ないし第32類に属する商品について防護標章の登録がされている。
そうすると,使用商標は,申立人の業務に係る商品「乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品」について継続的に使用された結果,申立人の業務に係る商品を表示する商標として,当該乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品のみならず,食品の分野における需要者の間に広く認識されていたものということができる。
しかしながら,申立人の提出した証拠からは,使用商標が食品以外の分野における需要者の間にまで広く認識されていたとは認められない。
2 本件商標と使用商標の類否について
本件商標は,円輪郭内に漢字「梅」を書し,その下段に「まるうめ」の文字を配した構成からなるものであるから,その構成文字に相応し,「ウメ」又は「マルウメ」の称呼及び「梅」の観念を生ずるものである。
一方,使用商標は,円輪郭内に筆書き風の漢字「梅」を書した構成からなるものであるから,その構成文字に相応し,「ウメ」又は「マルウメ」の称呼及び「梅」の観念を生ずるものである。
してみれば,本件商標と使用商標とは,その称呼及び観念を共通にする類似する商標であるということができる。
3 商標法第4条1項第15号該当について
前記1及び2の認定のとおり,使用商標は,申立人の業務に係る商品「乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品」を表示するものとして,本件商標の登録出願前から,当該商品のみならず,食品の分野における需要者の間に広く認識されていたものであり,また,本件商標は,使用商標と類似する商標であることが認められる。
しかしながら,本件商標の指定商品は,「手動利器,手動工具」ほか,工具として使用する手動式の器具類であるところ,本件商標の指定商品と乾海苔及び乾海苔を原材料とした加工食品を含む食品の分野における商品とでは,商品の原材料,品質,用途等を異にするばかりでなく,生産者,販売場所,需要者等も異にする商品である。
してみれば,本件商標は,これをその指定商品について使用しても,該商品が申立人又は同人と経済的・組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかのごとく,その出所について混同を生ずるおそれがある商標ということはできない。
したがって,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に該当しない。
4 むすび
以上のとおり,本件商標は,商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものではないから,商標法第43条の3第4項の規定により,その登録を維持すべきものである。
よって,結論のとおり決定する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。