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Trademark Appeal Case

商標の周知性と称呼の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900209(T2010−900209/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5316321号商標の商標登録を維持する。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第5316321号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成からなり、平成21年7月14日に登録出願、第16類「雑誌」を指定商品として、同22年4月16日に設定登録されたものである。

2 登録異議申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、その理由を以下のように述べ、証拠方法として、甲第1号証ないし甲第14号証を提出した。

本件商標は、申立人の業務に係る商品(雑誌)を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標である「ペリネイタル ケア」に類似するものであって、雑誌について使用するものであるから商標法第4条第1項第10号に該当し、また、申立人の業務に係る商品(雑誌)を表示するものとして日本国内の需要者の間に広く認識されている商標である「ペリネイタル ケア」と類似するものであって、不正の目的をもって使用するものであるから、同第19号に該当し、同法第43条の2第1号により取り消されるべきものである。

3 当審の判断

(1)当該雑誌の周知性について

申立人の提出した証拠によれば、申立人は、医学、看護などの医療系分野を専門とする出版社であって「PERiNATALCARE(語頭の『P』及び10文字目の『C』の文字は他の文字に比して大きく表示。以下同じ。)」の文字及びその下にオレンジ色で「ペリネイタルケア」の文字を配した標章(以下「使用商標」という。)を題号とする月刊雑誌を刊行していることが認められ、また、提出された2010年7月1日発行の雑誌から、当該雑誌は、その時点で第29巻7号(通巻380号)にあたり、1984年4月10日に第三種郵便物の認可がなされたことが認められる(甲第1号証及び甲第2号証)。

これに対し、申立人は、「当該雑誌は、1982年11月に創刊され、既に28年目を迎え、本年7月で通巻379号となり、5000部の発行部数がある。そして、当該雑誌の想定読者は、約4万人の周産期医療・看護分野に関わる関係者であり、当該雑誌は、周産期医療・看護分野関係者の間で確固たる評価を得ており、かつ、競合誌が存しないことから、その雑誌の題号として使用される使用商標は、周産期医療・看護分野に関わる関係者の間で広く認識され、周知性のある商標であることは明かである。」旨述べている。

しかしながら、上記の申立人の主張を裏付けるものは、申立人会社の編集局執行役員及び及び当該雑誌の定期購読者の2名による陳述書(甲第3号証、甲第12号証)のみであり、その陳述の内容(雑誌の読者層や数、発行部数の算出根拠など)を裏付ける証拠の提出はなく、また、その他、当該雑誌の売上高や広告宣伝の実績などを立証する証拠の提出もない。

してみれば、提出された証拠からは、使用商標が申立人の業務に係る商品(雑誌)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されている商標ということはできない。

(2)本件商標と当該題号の類否について

本件商標は別掲のとおり、「PERINATAL」、「PERINATAL NURSING(語頭の『P』及び『NURSING』の『N』の文字は他の文字に比して大きく表示。以下同じ。)」、「ペリネイタル」及び「ペリネイタルナーシング」の文字からなところ、「PERINATAL」及び「ペリネイタル」の文字は、「周産期の、分娩前後の」の意を、また、「NURSING」及び「ナーシング」の文字は、「看護」を意味する語であるから、本件商標は、その構成文字に相応し、「ペリネイタル」又は「ペリネイタルナーシング」の称呼を生ずるものであって、「周産期の看護、分娩前後の看護」程の意味合いを理解させるものといえる。

一方、使用商標は、上記と同様に「周産期の、分娩前後の」の意の「PERiNATAL」及び「ペリネイタル」と、「介護」の意味を有する「CARE」及び「ケア」の文字を結合し、「PERiNATALCARE」及び「ペリネイタルケア」と書してなるものであるから、その構成文字に相応し、「ペリネイタルケア」の称呼を生じ、「周産期の介護、分娩前後の介護」程の意味合いを理解させるものといえる。

そこで、本件商標から生ずる「ペリネイタル」又は「ペリネイタルナーシング」と、使用商標から生ずる「ペリネイタルケア」の称呼を比較すると、「ペリネイタル」と「ペリネイタルケア」においては、「ケア」の音の有無という明らかな差異があり、また、「ペリネイタルナーシング」と「ペリネイタルケア」においても、「ナーシング」と「ケア」の音の明らかな差異があることから、これらの差異が両称呼全体に及ぼす影響は大きく、それぞれの称呼を全体として称呼した場合においても、その語調、語感が相違したものとなり、互いに聞き誤るおそれはない。

さらに、上記認定のとおり、本件商標は、「PERINATAL」、「PERINATAL NURSING」、「ペリネイタル」及び「ペリネイタルナーシング」の文字を4段書きしてなるものであるのに対し、使用商標は、「PERiNATALCARE」の文字及びその下にオレンジ色で「ペリネイタルケア」の文字を配した構成からなるものであるから、両者は、外観上明らかに相違するものであり、また、両商標から認識される意味合いも相違するものである。

したがって、本件商標と使用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点においても相紛れるおそれのない非類似の商標というべきである。

(3)商標法第4条第1項第10号及び同第19号該当について

上記(1)及び(2)のとおり、使用商標は、申立人の業務に係る商品(雑誌)を表示するものとして、需要者の間に広く認識されているものとはいえず、また、本件商標と使用商標とは、相紛れるおそれのない非類似の商標であるから、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当しない。

また、そうである以上、たとえ、商標権者が雑誌について医療関連の文字からなる商標を多数登録し、また、申立人の差し出した申入書を受領しないなどの事情があるとしても、使用商標が需要者の間に広く認識されていること及び本件商標と使用商標との類似を前提に、本件商標が不正の目的をもって使用する商標であるとする申立人の主張は、その前提を欠き、理由がないものというべきである。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第19号にも該当しない。

(4)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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