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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2010−900051(T2010−900051/J7)
審判種別異議
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

登録第5282723号商標の指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」についての商標登録を取り消す。
本件登録異議の申立てに係るその余の指定商品についての商標登録を維持する。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第5282723号商標(以下「本件商標」という。)は、「とろ〜りのび〜る」の平仮名を標準文字で表してなり、平成21年3月30日に登録出願、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品として、同年9月30日に登録査定され、同年11月20日に設定登録されたものである。

第2 登録異議の申立ての理由

登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、申立ての理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第18号証(枝番を含む。)を提出した。

本件商標は、「とろ〜りのび〜る」の文字を標準文字で表してなるところ、これは「溶けて長くなる」、「滑らかに広がる」という程度の意味合いを容易に理解させるものと認められる。

本件指定商品中の商品についてみると、「溶けて長くなる」という性質を有するものやそれを原材料として使用したものが少なくなく、さらには、かかる性質を表現するに際し「とろ〜りのび〜る」、「とろ〜りのびる」等の文字が使用されることも少なくないということができる。

そうすると、本件商標を構成する「とろ〜りのび〜る」の文字はその指定商品中のたとえばチーズ、チーズを使用した食品、ヨーグルト等との関係においては、当該商品につき「溶けて長くなる」、「滑らかに広がる」等の性質を有することを理解させるにすぎないものと認められる。

したがって、本件商標は、これをその指定商品中、前記のような性質を有するチーズ、チーズを使用した食品、ヨーグルト等の商品に使用するときは、これに接する需要者、取引者等に当該商品の品質を認識するにとどまり、前記のような性質を有する商品以外の商品に使用するときは、当該商品があたかもかかる性質を有する商品であるかのように、その品質について誤認を生じさせるおそれがある。

よって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当する。

第3 本件商標の取消理由

商標権者に対して、平成22年8月17日付け取消理由通知書で通知した本件商標の取消理由は、要旨次のとおりである。

1 申立人から提出された証拠によれば、「とろ〜りのび〜る」、「とろ〜りのびる」等の語について次の事実が認められる。

(1)「雪印北海道100 とろり〜のび〜るモッツァレラ−食@新製品−『新製品』から食の...」を見出しとするウェブページの「雪印北海道100 とろり〜のび〜るモッツァレラ」の項の「商品分類」の欄に「チーズ」、「発売日」の欄に「2009年09月01日」、「商品概要」の欄に「北海道産の“芳醇ゴーダ”を配合し、コクとうまみをプラス。加熱すると、とろ〜りのびる糸ひきが楽しめる。」の記載とともに該商品の写真の掲載(甲第1号証)。

(2)「くじらまぐネット鈴鹿茶房(すずかちゃぼう)」を見出しとするウェブページの「トーマスさんからの情報」の項に、「投稿日:2003/02/24」、「・・・ピザのお薦めは、北海道ミックス(具だくさんにマヨネーズ・とろーりのびるチーズが最高)・・・」の記載(甲第2号証)。

(3)「かぼちゃとベーコンのミルフィーユbyでんいちろう[クックパッド]簡単おいしいみん・・・」を見出しとするウェブページの「かぼちゃとベーコンのミルフィーユ」の項に、「とろ〜りのびるチーズと三位一体のおいしさをぜひ味わってください」、「公開日:06/09/14」の記載(甲第4号証)。

(4)「VOCO凹ぼこ恵比寿店ピザ料理/ピザ料理/グルメ・クーポンのホットペーパーFooMoo」を見出しとするウェブページの「VOCO凹ぼこ恵比寿店ピザ料理」の項に、「PIZZA」、「マルゲリータ とろーりのびーるモッツァレラがたまらない!」、「(最終更新日:2009/01/19)」の記載(甲第5号証)。

(5)「もっと知りたい!クラシエ商品(2009/04)|クラシエ」を見出しとするウェブページの「『ポッピンクッキン』の巻」の項に、「・・・あっ、このピザ、チーズがとろ〜りのびる・・・。」、「掲載日:2009年04月01日」の記載(甲第7号証)。

(6)「株式会社ニチロ」の「Press Release」の「2005年秋季新商品・改良品リスト」に、「ホワイトソースのチーズピラフ」の欄に「とろ〜りのびるチーズピラフです。・・・」の記載(甲第8号証)。

(7)「日本たばこ産業株式会社」の2008年1月22日付け「News Release」の「チキンライス」の項に、「・・・モッツァレラの特性を活かした、とろりとのびるチーズがさらなるおいしさを演出してします。」の記載(甲第9号証)。

2 当審による職権調査によれば、「とろ〜りのび〜る」及び「トローリのびる」等の語について、例えば次の事実が認められる。

(1)「秋田ふるさと村ブログ>今日のランチ&イベント&お知らせ:とろとろチーズとミートソース−livedoor Blog(ブログ)」を見出しとするウェブページの「秋田ふるさと村ブログ>今日のランチ&イベント&お知らせ」の項に「2005年10月7日」、「とろとろチーズとミートソース」、「ミートソーススパゲティの上にチーズがのっかって、表面はアツアツで香ばしいちょっぴりパリパリなチーズ。で、なかはとろ〜り、のび〜るチーズ。」の記載。

(2)「つばめの武勇伝 デンマークチーズケーキ 観音屋」を見出しとするウェブページの「デンマークチーズケーキ 観音屋」の項に「January 12, 2008」「トロ〜リのびるチーズ!!」の記載。

(3)「料理写真:ダイニングバーダンデライオン[食べログ/公式]」を見出しとするウェブページの「料理写真」の項に、「トロ〜リ のび〜る特製ブレンドチーズを絡めてパクリ ('09/08/25 登録)」の記載。

(4)「にぎやかにスペインバル:BAR MARバル・マル[食べログ]」を見出しとするウェブページの「にぎやかにスペインバル」の項に、「'09/09/09('09/09訪問)」、「ネコルルさんの口コミ」として、「味」の項に「ライスコロッケ・・・ライスっぽさがなく中にとろ〜りのび〜るチーズ入り、サルサソースつきでおいしい」の記載。

3 以上の事実によれば、「とろ〜りのび〜る」の語は、本件商標の登録査定前(登録査定日は平成21年9月30日)から商品「チーズ又はピザ等のチーズを使用した商品について、チーズがとろけてのびる様子を表す語として普通に使用されているものと認められる。

そうすると、「とろ〜りのび〜る」の文字からなる本件商標は、その登録査定時において、これをその指定商品中、「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」に使用した場合、これに接する取引者、需要者は、当該文字をそれらの商品が「とろけてのびる商品」であるという商品の品質を表示したものと認識するにとどまり、自他商品の識別標識として認識し得ないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、本件異議申立てに係る指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」について使用しても、単に商品の品質を表示したにすぎないものといわざるを得ない。

したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」について、商標法第3条第1項第3号の規定に違反してされたものといわなければならない。

第4 商標権者の意見

商標権者は、上記第3の取消理由に対して、指定した期間を経過するも何ら意見を述べていない。

第5 当審の判断

上記第3の取消理由は、妥当なものと認められる。

したがって、本件商標は、その指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」については、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものである。

また、本件商標は、上記第1のとおり「とろ〜りのび〜る」の文字からなり、第29類に属する商標登録原簿記載のとおりの商品を指定商品とするところ、その指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」以外の商品について、「とろ〜りのび〜る」の文字が、それらの商品の品質等を表示したもの、または、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものと認め得るに足る証左は見いだせない。

したがって、本件商標は、その指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」以外の商品については、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとはいえない。

以上のとおり、本件商標の指定商品中「チーズスプレッド,一種またはそれ以上のナチュラルチーズあるいはプロセスチーズを原料としてプロセスチーズ風につくった乳製品(チーズフード),チーズ」についての登録は、商標法第3条第1項第3号に違反してされたものであるから、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものである。

また、その余の指定商品についての登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、維持すべきものである。

よって、結論のとおり決定する。

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