結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2010−300280(T2010−300280/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4734298号商標(以下「本件商標」という。)は、「NORTON」の文字を標準文字で表してなり、平成14年8月2日に登録出願、第25類「被服」を指定商品として、同15年12月19日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として、甲第1号証及び甲第2号証を提出した。
本件商標は、その指定商品「被服」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。
被請求人が提出している書類からは、(a)商標権者、専用使用権者又は通常使用権者(以下「権利者」という。)によって、(b)その請求の登録前3年以内に、(c)本件商標を社会通念上同一の形態で、使用していることの証明はなされていない。
(1)乙第1号証について
乙第1号証は、被請求人についての履歴事項全部証明書である。これは単に被請求人の事業内容を証するにすぎず、ゆえに本件商標の使用の根拠となるものではない。
(2)乙第2号証について
被請求人が、乙第2号証として提出したエージェント契約書において、被請求人が株式会社イングラム(以下「イングラム社」という。)に、本件商標の使用権の再許諾権を与えている旨を述べている。被請求人は、株式会社ピート(以下「ピート社」という。)が本件商標の使用権者としてビジネスを開始した旨も述べている。
しかしながら、乙第2号証によっては、本件商標に係る再許諾権をイングラム社に与えている旨が述べられているにすぎず、本当にそうなのかの立証はなされていない。さらに、乙第5号証と合わせて考えると、イングラム社がピート社に使用権を再許諾したことも証明されていない。
乙第2号証は、エージェント契約書と題されているが、契約書の末尾に付されている印鑑は不鮮明であり、公証人による証明もないので、実際に被請求人とイングラム社の間で締結された正式な契約書であることは、この証拠からでは判断できない。
また、乙第2号証では、2008年4月1日付けで、被請求人とイングラム社の間でエージェント契約が締結されたことが記述されている。その一方で、乙第5号証において、被請求人は、「2008年5月10日発行のファッション雑誌『FINEBOYS』に、本件商標と社会通念上同一の商標を付したTシャツ、帽子等の商品の宣伝広告が掲載されている」と述べているが、エージェント契約締結から本件商標を使用した宣伝広告が掲載されるまでの期間が約1ヶ月と非常に短く、そのような短期間にイングラム社がピート社に対して、被請求人の事前の同意を得た上で、使用権をピート社に再許諾し、さらに、ピート社がその契約に基づいて製品を製造したとは考えられない。事実、ピート社がイングラム社から使用権の再許諾を受けたことを記した契約書などの書類が被請求人から提出されていないので、ピート社が実際に本件商標の使用権者であることは証明されていない。
したがって、被請求人提出の乙第2号証のエージェント契約書からは、被請求人とイングラム社の間における上記契約の存在は証明されない。同様に、イングラム社からピート社に対する使用権の再許諾の存在も、当然ながら証明されない。
よって、乙第2号証のエージェント契約書からは、本件商標が権利者によって使用されたことは証明されない。
(3)乙第3号証について
乙第3号証は、イングラム社のホームページの写真であり、7ページ目の「国内展開プロパティー」のブランド紹介の中に、「Norton」のマークが見られるが、これだけでは、本件商標が権利者によって取消対象商品「被服」について使用されたことの証明にはなっていない。
(4)乙第4号証の1について
乙第4号証の1において、ピート社のホームページの写真が提供されているが、その4ページ目には、標識として欧文字「Norton」の表示が見られるが、これは自他商品の識別商標としての使用ではない。さらに、当該ホームページ上で、上記欧文字「Norton」をクリックした時に現れる「Norton」ブランドの解説においては、欧文字「Norton」は、「N」の文字が左を向いた動物のような形に描かれており、同じ「N」の文字の右上部が右方に長く伸び、右端の文字である「n」の下に潜り込んだ形態で記載され、その他の欧文字もデザイン化されており、本件商標とはその外観において明白に異なっている。そのため、本件商標を社会通念上同一の形態で使用していると言うことはできない(甲第2号証)。そもそも、乙第4号証の1が示す商標は本件商標とは同一でも類似でもない。ゆえに、乙第4号証の1からでは、本件商標をその指定商品に対して使用しているとの証明にはならない。
よって、乙第4号証の1からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(5)乙第4号証の2について
被請求人は、乙第4号証の2について、「株式会社ピートのHPから、本件商標を付したTシャツ等が購入できること」を証していると述べているが、実際には、乙第4号証の1で示されたピート社のホームページのアドレスと乙第4号証の2で示されたアドレスは異なっており、前者のピート社のホームページからは、乙第4号証の2で紹介されている商品を購入することはできない。そのため、乙4号証の2は、ピート社が本件商標を使用した製品を、製造・販売していることは立証しておらず、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
その上、乙第4号証の2において、被請求人は、欧文字「Norton」などを付した被服の写真を何点か提出しているが、それらの写真からだけでは、被服の提供者についての情報は何も与えられていない。
よって、これらの写真は本件商標の使用者についていかなる情報も与えておらず、それらの商品が被請求人といかなる関係を持っているかについても立証していない。
(6)乙第5号証について
被請求人は、上記の雑誌に掲載されている商品に、「Master Licensee:a license programme of ingram Co.,Ltd」の付記がなされている旨を指摘しているが、このような記述は、イングラム社がピート社に使用権を再許諾したということの証明にはなっていない。なぜなら、「Master Licensee:a license programme of ingram Co.,Ltd」の記載は、イングラム社がライセンスプログラムに関係がある程の意味が読み取れるにすぎず、そのライセンスプログラムの実体は全く分からない。このような全く実体が不明な記載から、使用許諾があるということは導かれない。
また、乙第5号証に掲載されている商品が誰によって製造されたのかは、乙第5号証からは全く分からない。
さらに、イングラム社がピート社に使用権の再許諾を与えたことは、乙第5号証からは全く分からない。
乙第5号証においては、ウェアに関する問い合わせ先として、ピート社の電話番号とホームページのアドレスが記載されているが、これは単にピート社の連絡先が掲載されているということを示すにすぎず、ピート社が乙第5号証記載の製品の生産、譲渡等に関与したことを証明するものではない。
以上より、乙第5号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(7)乙第6号証について
乙第6号証の2ページ目において、欧文字「NORTON」が標準文字で書されたライダージャケットが紹介されているが、そのページ内には、そのライダージャケットの提供者についての情報がなく、「NORTONオフィシャルモバイルサイト」としてホームページのアドレスが表示されているのみで、当該被服が誰によって生産されたものかは、提出された資料には示されていない。
また、乙第6号証の3ページ目にも、乙第5号証と同様にピート社の電話番号とホームページのアドレスが記載されているが、上記「(6)乙第5号証について」で述べたとおり、この記載は全く無益な記載であり、ピート社が乙第6号証掲載の商品の生産、譲渡等に関与したことを証明するものではない。
よって、乙第6号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(8)乙第7号証について
乙第7号証において、被請求人は、雑誌の宣伝広告に、「a license programme of ingram Co.,Ltd」の記載があるが、上記「(6)乙第5号証について」で述べたとおり、同記載は使用許諾の存在を証明するものではない。
また、「ウェアに関するお問い合わせ先」としてピート社の名前が記載されているが、上記「(6)乙第5号証について」で述べたとおり、ピート社が乙第7号証記載の製品の生産、譲渡等に関与したことを証明するものではない。
よって、乙第7号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(9)乙第8号証について
乙第8号証は、ピート社の2010年春・夏用商品の顧客配布用カタログとして提供されており、被請求人は、「上記掲載商品がイングラム社の使用許諾に係る旨の付記がなされている」と述べているが、乙第7号証と同様に、「a license programme of ingram Co.,Ltd」の付記は、そのことの証明にはなっていない。
また、カタログに掲載されている商品の問い合わせ先として、ピート社の電話番号とホームページのアドレスが掲載されているが、上記「(6)乙第5号証について」で述べたとおり、ピート社が乙第8号証記載の製品の生産・譲渡等に関与したことを証明するものではない。
よって、乙第8号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(10)乙第9号証について
乙第9号証について、被請求人は、この写真の品は、ピート社より「イングラム社を介して被請求人の事前承認用に提出されたサンプル」であると述べているが、そのような陳述を裏付ける証拠は提出されておらず、この商品がいつ撮影され、誰によって製造されたのかについては少しも明らかにされていない。そのため、本件商標が審判請求の登録前3年以内に使用されたかどうか、また、権利者によって使用されたかどうかは明らかではない。
よって、乙第9号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(11)乙第10号証について
乙第10号証について、被請求人は、この写真の品は、ピート社より「被請求人に対して、事前承認用に提出されたものである」と述べているが、そのような陳述を裏付ける証拠は提出されておらず、この商品がいつ撮影され、誰によって製造されたのかについては明らかではない。そのため、本件商標は審判請求の登録前3年以内に使用されたかどうか、また、権利者によって使用されたかどうかは明らかではない。
よって、乙第10号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(12)乙第11号証について
乙第11号証において、欧文字「Norton」が書されたポロシャツ及びそのラベルの写真が提供されているが、そのような陳述を裏付ける証拠は提出されておらず、この商品がいつ撮影され、誰によって製造されたのかについては明らかではない。そのため、本件商標は審判請求の登録前3年以内に使用されたかどうか、また、権利者によって使用されたかどうかは明らかではない。
よって、乙第11号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(13)乙第12号証について
乙第12号証で示される商品がいつ撮影され、誰によって提供されたのかについての情報は提供されていない。そのため、本件商標は審判請求の登録前3年以内に使用されたかどうか、また、権利者によって使用されたかどうかは明らかではない。
よって、乙第12号証からは、本件商標が権利者により使用されたことの証明にはならない。
(14)その他
被請求人が提出する乙第4号証の2、乙第5号証、乙第8号証、乙第9号証、乙第11号証及び乙第12号証中に記載される使用商標は本件商標と社会通念上同一とは認められない。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証証ないし乙第12号証(枝番を含む。)を提出した。
本件商標は、本件審判の請求の登録前3年以内に、本件商標の使用権者であるピート社の製造・販売に係る、Tシャツ、ジャンバー、帽子等の「被服」に使用されている。
したがって、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により取消されるべきではない。
(1)被請求人と使用権者との関係
ア 被請求人である有限会社ブルーリボン(以下「ブルーリボン社」という。)は、乙第1号証記載のとおり、主として「キャラクター等の無体財産の企画及び著作権、商標権、意匠権の管理業務」を業とする会社である。本件商標は、当初有限会社アイピーコーポレーションが保有していたが、同社の経営が芳しくなくなったことから、被請求人が同社の他の営業資産の一部とともに譲り受けたものである(甲第1号証)。
イ 被請求人は、本件商標の活用を図るべくイングラム社との間で、「エージェント契約書」を締結した(乙第2号証)。イングラム社は、乙第3号証のとおり、いわゆるキャラクタ・ライセンス・ビジネスに永年の実績があり、被請求人とも人的・営業的に緊密な関係にあったことに加えて、イングラム社は、「被服」等の商品について、多数の取引先・取引ルートを有していたことが、「エージェント契約書」を締結した理由である。このため、イングラム社には、被請求人の事前の同意を条件に、第三者に対する本件商標の使用権の再許諾権も与えられており、かかる再許諾権に基づいて、ピート社がブルーリボン社の使用権者として、本件商標を使用したビジネスが開始された。
ウ ピート社は、以下のとおり、本件商標を使用したTシャツ、ズボン、ジャンバー、帽子等を現に製造・販売している。ピート社は、いわゆるアメリカンカジュアルといわれる商品の製造・販売を業とし、本件商標を含む「GOTCHA」、「KARL KANI」等6商標をメインブランドとして営業展開を行っている(乙第4号証の1)。乙第4号証の2は、現在、このHPから購入できる商品の一部である。
(2)ピート社による本件商標の使用実績
ア 乙第5号証は、2008年5月10日発行のファッション雑誌「FINEBOYS」である(株式会社日之出出版)。同誌には、本件商標と社会通念上同一の商標を付したTシャツ、帽子等の商品の宣伝広告がなされている。掲載されている商品は、ピート社のオリジナル商品であるが、「Master Licensee:a license programme of ingram Co.,Ltd(図形部分は省略)」の付記もなされている。
イ 乙第6号証は、2008年12月10日発行のファッション雑誌「FINEBOYS」である。同誌にも、本件商標と社会通念上同一の商標を付したライダージャケット、カットソー、デニムパンツ等の商品の宣伝広告がなされている。
ウ 乙第7号証は、2009年10月10日発売のファッション雑誌「ザ・カバー・フォー・スターズ」である(トランスメディア株式会社)。同誌にも、本件商標と社会通念上同一の商標を袖口に付したライダージャケット等の商品の宣伝広告がなされている。また、「a license programme of ingram Co.,Ltd(図形部分は省略)」の付記もなされている。
エ 乙第8号証は、ピート社が販売する、本件商標を使用した2010年春・夏用商品の顧客配布用カタログの抜粋である。ここでも、本件商標と社会通念上同一の商標を付した商品が掲載され、これらの商品がイングラム社の使用許諾に係る旨の付記もなされている。
(3)ピート社商品のタグ等
ア 乙第9号証は、乙第5号証に宣伝(掲載)されているTシャツ現品の写真である。同現品は、ピート社より、イングラム社を介して被請求人の事前承認用に提出されたサンプルであり、現在も被請求人が保管している。写真に明らかなとおり、本件商標は、Tシャツ前面や背面に表示されているのみならず、下げ札や襟ネームにも使用されている。
イ 乙第10号証は、乙第6号証に宣伝(掲載)されているTシャツと「同一デザインの現品の写真である。この商品も、ピート社より、被請求人に対して、事前承認用に提出され、被講求人において保管されている。本件商標は、Tシャツ背面に表示されているのみならず、下げ札にも使用されている。
ウ なお、2010年夏用のピート社から提出された承認用サンプルの一部を、参考までに提出する。乙第11号証は、いわゆるポロシャツであるが、同商品の胸位置、襟ネーム表・裏、及び、下げ札には、いずれも本件商標と社会通念上同一の商標が使用されている。また、乙第5号証及び乙第11号証に明らかなように、商品によっては、その袖に、本件商標と社会通念上同一のネームが縫い付けられている。さらに、乙第12号証も、2010年夏用のピート社から提出された帽子の承認用サンプルである。帽子については、乙第5号証にも広告が掲載されているが、いずれも、帽子前面に本件商標と社会通念上同一の商標が付されている。
(1)乙第1号証は、平成22年3月19日付けの被請求人(商標権者)であるブルーリボン社の「履歴事項全部証明書」であって、目的の欄に「1.キャラクター等の無体財産の企画及び著作権、商標権、意匠権の管理業務」の記載がある。
(2)乙第2号証は、平成2008年4月1日付けの被請求人(商標権者)と「イングラム社」との「エージェント契約書」であって、そこには、「有限会社ブルーリボン(以下、『甲』という。)と株式会社イングラム(以下、『乙』という。)とは、甲が保有する登録商標『Norton』(以下、『本件プロパティ』という。)の使用、及び、商品化権について以下の通り合意した。」の記載がある。
そして、「第1条(1)」には、甲の保有する登録商標として、「登録第4734298号」を含む8件の記載がある。さらに、「第1条(2)」には、「甲は、乙に対して、日本(以下、『テリトリー』という。)における本件プロパティの使用をすること、及び、本件プロパティを使用した商品化権のエージェント業務(代理店業務)を行うことを認める。」の記載がある。
また、「(有効期間)」の項には、「第6条 本契約の有効期間は2008年4月1日から2013年12月31日までとする。本契約満了の90日前までに甲又は乙が文書で契約終了の申出をしない場合には、本契約は自動的に1年間更新され、以降も同様とする。」の記載がある。
(3)乙第3号証は、イングラム社のホームページであって、パソコンの画面を印刷したものである。5枚目には、「会社の概要」が記載され、7枚目には、「国内展開プロパティー」の表題のもと、複数のブランドが表示されており、その中に、ややデザイン化された「Norton」の文字のロゴマークとその下に「Norton」の文字が表示されている。
(4)乙第4号証の1は、「株式会社ピート」のホームページであって、「2010/04/19」に印刷されたものである。2枚目、3枚目には、「企業理念」及び「会社の概要」の記載があり、4枚目には、ブランド名として上から四番目に「Norton」の文字の記載がある。
乙第4号証の2は、トレーナーとTシャツの写真3枚であって、1枚目の写真は、フード付トレーナーで左胸部分にややデザイン化された「Norton」の文字の表示がある。2枚目の写真は、同じくフード付トレーナーで胸中央部分に「NORTON」の文字の表示がある。3枚目の写真は、Tシャツで首もとのやや下中央部分に「NORTON」の文字の表示がある。
(5)乙第5号証は、雑誌「FINEBOYS」(2008年5月10日発行 株式会社日之出出版)である。その2枚目、3枚目には、ややデザイン化された「Norton」の文字の表示されているTシャツを着た男性モデルの写真が掲載され、「ロングスリーブTシャツ5985円」(2枚目)、「Tシャツ3990円」(3枚目)の記載がある。そして、3枚目の左下部分には、「Master Licensee:a license programme of(図形:省略)ingram Co.,Ltd」の記載がある。
また、4枚目にはTシャツ6枚と帽子2個が掲載されており、ややデザイン化された「Norton」の文字の表示されているTシャツ2枚が上部左右に掲載されている。そして、そのページの左下部分には、「ウエアに関する問い合わせ/PEET (電話番号)www.peet.co.jp」の記載がある。
(6)乙第6号証は、雑誌「FINEBOYS」(2008年12月10日発行 株式会社日之出出版)である。その2枚目には、右袖に「NORTON」の文字の表示されている皮のジャンバーを着た男性モデルの写真が掲載され、「ライダーズブルゾン1万5750円」の記載がある。3枚目には、ややデザイン化された「Norton」の文字や「NORTON」の文字が表示されたブルゾンやカットソーなどの写真が価格を含めた商品紹介とともに掲載されている。
(7)乙第7号証は、雑誌「ザ・カバー・フォー・スターズ」(2009年10月10日発売 トランスメディア株式会社発行)である。その2枚目には、左袖口に「Norton」の文字の表示されている皮のジャンバーを着た男性モデルの写真が掲載されている。そして、そのページの右下部分には、「ウエアに関するお問い合わせ先:PEET(電話番号)www.peet.co.jp」、「a license programme of(図形:省略)ingram Co.,Ltd」及び「フード付きライダーズジャケット(93N1603)¥18,900」の記載がある。
(8)乙第8号証は、2010年春・夏号のピート社発行のカタログとされるものである。その1枚目の上部中央には、ややデザイン化された「Norton」の文字と小さく表された「MOTORCYCLES」の文字によるロゴマークが表記されている。そして、中央部分には、胸の部分にややデザイン化された「NORTON」の文字の表示されているTシャツを着た男性モデルの写真が掲載されている。その下には、「2010 S/S COLLECTION」の記載がある。
2枚目には、胸の部分に「NORTON」の文字の表示されているTシャツを着た男性モデルの写真が掲載されており、「Tシャツ(02N1000L)¥3,990」の記載がある。3枚目には、「NORTON HISTORRY」のタイトルのもと、「・・・その鮮烈なイメージを基に、アパレルブランド『NORTON』は誕生した。」の記載があり、そのページの下部分には、「お問い合わせ先:PEET(電話番号)www.peet.co.jp」及び「a license programme of(図形:省略)ingram Co.,Ltd」の記載がある。
(9)乙第11号証は、ポロシャツの写真を印刷したものである。1枚目には、ポロシャツの襟ネーム、胸の部分及び下げ札にややデザイン化された「Norton」の文字の表示がある。2枚目には、その襟ネームの裏面の拡大写真であって、「NORTON」の文字の表示がある。
(1)本件商標の通常使用権者について
乙第2号証の「エージェント契約書」によれば、被請求人(商標権者)は、イングラム社と本件商標を使用すること、及び再許諾することについて合意していることが認められ、有効期間については、2008年4月1日から2013年12月31日までとされ、契約終了の申出をしない場合には、以降自動的に1年毎に更新されることが認められる。
したがって、イングラム社は、本件商標の通常使用権者と認められる者である。
また、本契約において、イングラム社の役割として、第2条(2)において、「本件プロパティが、テリトリーでイメージを損なうことなく商品化できるよう配慮しつつ、ライセンシー獲得等の営業活動を行うこと」、「ライセンシーが本件プロパティを甲の承諾の基づき、適正に商品化が行われるように指導・育成すること」及び「本契約に基づく、ライセンシーからの、本件プロパティの使用料、又は、商品化に関する使用料(以下、『ロイヤリティ』という)の徴収管理、及び、甲への送金管理を行うこと」などが定められている。
そして、提出された証拠によれば、ピート社は、本件商標を使用した「Tシャツ」などの被服の販売をしていることが認められるものである。また、本件商標を使用したピート社の商品が掲載された雑誌及びカタログには、問い合わせ先として「PEET」の記載の他に、「a license programme of(図形:省略)ingram Co.,Ltd」の記載がある。
そうとすれば、雑誌及びカタログへのこのような記載をみるに、両社は、本件商標のライセンスに関する関係を有していることが推測されるものであること、及び上記エージェント契約におけるイングラム社の役割からすると、ピート社は、イングラム社によって商標権者のライセンシーとなった者であることが推認できるものである。
したがって、ピート社は、本件商標の通常使用権者と推認できるものである。
(2)ピート社の商品及びその販売時期について
提出された乙各号証よりすると、ピート社が本件商標を使用している商品は、「Tシャツ、ポロシャツ、皮のジャンバー、帽子」であって、明らかに「被服」の範ちゅうに属する商品と認められるものである。
そして、提出された雑誌には、ピート社のこれらの商品が、同社を問い合わせ先とし、価格とともに掲載されているものであって、雑誌「FINEBOYS」の発行日が2008年5月10日及び同年12月10日であり、雑誌「ザ・カバー・フォー・スターズ」の発売日が2009年10月10日であることから、その当時にピート社によって上記商品に係る広告がなされていたことが認められるものであって、同社による販売が推認できるものである。
(3)ピート社の使用している商標について
ピート社の使用している商標に関しては、乙各号証を総合すると、その多くはややデサイン化された「Norton」の文字を表示しているものであるが、「Norton」及び「NORTON」の文字を表示しているものもある。いずれにしろ、ややデサイン化された「Norton」の文字も、「Norton」の文字を表したものと明らかに認識できるものであって、本件商標とは大文字と小文字を有する点において相違するものの、その綴り字は同じであって、かつ、その称呼も同一であるから、本件商標とピート社使用の商標とは、社会通念上同一の範囲内の商標というべきである。
そうとすれば、本件商標の通常使用権者であるピート社は、本件商標の指定商品「被服」の範ちゅうに属する「Tシャツ、ポロシャツ、皮のジャンバー、帽子」について、本件商標あるいはこれと社会通念上同一の範囲内の商標を付して、その商品に係る広告及び販売をしていたというべきである。
以上のとおり、被請求人が提出した証拠を総合勘案すれば、本件商標は、通常使用権者であるピート社により、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件請求に係る指定商品「被服」について使用されていたことが認められる。
したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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