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結論

勝訴(請求認容)

商標「大紅袍」の品質表示の識別力(第4条第1項第16号・第3条第1項第3号|審判平成11年審判第35258号)

審判番号
平成11年審判第35258号
審判種別
不服

本文で言及されている区分

事件のポイント・要約

対象商標
本件商標「大紅袍」
争点(論点)
品質表示の識別力
適用条文
第4条第1項第16号・第3条第1項第3号
指定商品・役務の区分
第30類
最終結論
登録無効(勝訴(請求認容))

この審決(審判平成11年審判第35258号・不服)は、本件商標「大紅袍」について、商標法第4条第1項第16号・第3条第1項第3号への該当性が争われた事例です。主な争点は「品質表示の識別力」です。指定商品・役務は第30類に属します。特許庁は「登録第4216472号商標の指定商品中「茶」についての登録を無効とする」と判断しました(登録無効)。商品の品質や用途を直接表す語は識別力が否定されやすいため、出願前に造語化や図形との組合せを検討することが有効です。

※ 上記は審決公報の本文から自動で整理した要約です。正確な内容は下記の公報原文をご確認ください。

結論テキスト

登録第4216472号商標の指定商品中「茶」についての登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4216472号商標(以下、「本件商標」という。)は、「大紅袍」の文字を横書きしてなり、第30類「コーヒー及びココア,茶」を指定商品として平成9年1月17日に登録出願され、同10年12月4日に設定の登録がなされたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求め、要旨次のとおり主張し、証拠方法として、甲第1号証乃至同第5号証(枝番を含む。)を提出しているものである。

(1) 本件商標は、指定商品「茶」において、商標法第3条第1項第3号もしくは、同法第4条第1項第16号に違反してなされたものであるから、同法第46条の規定により、その商標登録を無効にすべきものである。

(2) 本件商標「大紅袍」の指定商品のうち、「茶」において、本件商標「大紅袍」を使用したとすれば、鳥龍茶の最高級品「大紅袍」という原材料をそのまま表示したにすぎず、自他商品識別標識の機能を果たし得ず、恰も、その商品が鳥龍茶の最高級品「大紅袍」であるかの如く、商品の品質につき誤認を生じるおそれがある。

(3) 中国茶を作り方の違いにより、発酵させない緑茶、ほんの少し発酵させる白茶、半発酵の青茶、完全発酵の紅茶、そして後発酵の黒茶、やや後発酵の黄茶に分類される。青茶には烏龍茶や鉄観音茶、水仙茶などがある。

(4) すなわち、「大紅袍」は、日本でも有名な鳥龍茶や鉄観音茶などと同じく半発酵の青茶に分類され、その代表的な産地は、中国南部の海に臨む福建省で、特に、日本人にも大変馴染みの高い鳥龍茶は、福建省崇安(チュンアン)県の武夷(ブイ)山でわずかに生産される巌茶(ガンチャ)である。(甲第2号証の1乃至甲第2号証の3)

(5) その中に、抜きん出て優秀なお茶を生み出す木がわずかばかりであり、「名叢」(名木)として珍重されている。それらは「大紅梅」「不知春」「金鎖匙」「半天腰」「白瑞香」などと名付けられているが、なかでも、わずか3株しかない「大紅袍」をはじめとして、「白鶏冠」「鉄羅漢」「水金亀」の4種は、「四大名叢」として名高い。「大紅袍」の茶樹は、たった3本か4本の茶樹なので産出量も極めて少なく、1941年(当時4本の茶樹)の実際の産出量は、年間わずかに330gであったという。現在では、ほぼ1斤(500g)といわれているから、天然記念物的珍品名茶である。

3 被請求人の答弁

被請求人は、何ら答弁するところがない。

4 当審の判断

よって判断するに、本件商標は、「大紅袍」の文字を普通に用いられる方法で横書きしてなるところ、請求人提出に係る甲第2号証の4によれば、「大紅袍」とは、「中国産の烏龍茶としてもっとも有名なお茶。中国・福建省北部の標高300mあまりの武夷山で産し、奇岩が林立するごつごつした岩山のわずかな土地に茶が植えられている。武夷岩茶とひと口にいっても山裾の周辺の畑のものまで含めれ品質もさまざまだが、そのなかで最高級品が「大紅袍」という種類。「大紅袍」を摘む茶樹は、武夷山に3本しかなく、まさに伝説的な茶である。香りがすばらしく、ひとりでじっくりと味わいたい。」との記載が認められる。

以上の事実よりすれば、「大紅袍」なる文字は、本件商標登録出願の登録査定時において、「最高級品の鳥龍茶」なる商品の品質、原材料を表すものとして同業者間で一般に使用されていたものと判断するのが相当である。これに対して、被請求人は、何ら答弁するところがない。

してみれば、「大紅袍」の文字よりなる本件商標は、指定商品との関係では、「最高級品の鳥龍茶」の意味合いのあるものであるから、これをその指定商品に使用しても、単に商品の品質、原材料を表すにすぎないものであり、商標法第3条第1項第3号に該当し、鳥龍茶以外の商品に使用するときは、商品の品質に誤認を生じるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。

よって、結論のとおり審決する。

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