Trademark Appeal Case
普通名称と品質表示の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2009−7055(T2009−7055/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「キムチ一番」の文字と「KIMCHI ICHIBAN」の文字を上下二段に表してなり、第29類「キムチ」を指定商品として、平成20年6月9日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『キムチ一番』の語を有している。そうすると、本願商標に接する取引者・需要者をして、『品質が一番のキムチ』程を認識するに止まり、これをその指定商品に使用するときは、単にその商品の品質(内容)を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「キムチ一番」の文字と「KIMCHI ICHIBAN」の文字を上下二段に表してなるものである。
そして、これを構成する「キムチ」とそのローマ字表記である「KIMCHI」の文字は、本願指定商品を表す商品の普通名称であり、同じく「一番」とそのローマ字表記である「ICHIBAN」の文字は、「同種のものの中で最もすぐれたもの。」(岩波書店 広辞苑第六版)の意味を有するものであり、これらは、いずれも広く知られている語である。
してみれば、本願商標は、全体として「キムチの中で最もすぐれたもの」の意味合いを理解、認識させるというべきである。
また、食品を取り扱う業界においては、食品名と「一番」の文字とを結合して、「○○一番」(○○は食品名)のように使用することが一般に行われていることは、例えば、以下のインターネットウェブサイト情報により、うかがい知ることができる。なお、下線は、審判の合議体で加えた。
食品名と「一番」の文字が結合されて使用されている事実
(1)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「創健社
合わせ味噌一番
750g」の記載がある。
また、「創健社
樽みそ一番
減塩 1kg」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/philanthropy/001-001/)
(2)「百選横町」のウェブサイトにおいて、「エンレイ大豆100%使用『
みそ一番
』」1kg×5個・トナミ醤油(株)富山県産コシヒカリ米」の記載がある。(http://www.hyakuyoko.com/shop/shopdetail.html?brandcode=044003000005search=%A4%DF%A4%BD%B0%EC%C8%D6sort=)
(3)「斉藤食品」のウェブサイトにおいて、「
たら子一番
のからしめんたい」の記載がある。(http://www.saitosyokuhin.com/)
(4)「黒崎商店街 くろさきナビ」のウェブサイトにおいて、「
たら子一番
海鮮屋」の記載がある。(http://www.kurosaki-navi.com/shop01.php?shid=sh0121)
(5)「
ハム一番
」のウェブサイトにおいて、大原ハム工房のハムが販売されている。(http://www.ham-1.com/abouts.html)
(6)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「
ぎょうざ一番
本格手作り餃子」の記載とともに、有限会社ぎょうざ一番の餃子が販売されている。(http://www.rakuten.co.jp/gyouza1ban/)
(7)苫小牧民報社の「WEBみんぽう」のウェブサイトにおいて、「2008年9月9日(千歳民報)」に、「千歳市幸町に、甘栗を専門に販売する『
甘栗一番
』がお目見えした。」の記載がある。(http://www.tomamin.co.jp/2008/cp080909.htm)
(8)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「
佃煮一番
」の見出しのもと、商品の説明として、「
佃煮一番
は、ご家庭で手軽に作れる佃煮の材料をすべてセットしてあります。容器を準備していただくだけで、その場でカンタンにカルシウム豊富で風味も満点な本格的佃煮が作れます。」の記載がある。(http://item.rakuten.co.jp/fujiyoneyama/c/0000000325)
(9)「Yahoo!ショッピング」のウェブサイトにおいて、「おいどん鹿児島ドットコム」の見出しのもと、漬けもの用の調味料として、「
朝漬け一番
500ml」の記載がある。(http://store.shopping.yahoo.co.jp/kagoshima-sanchoku/063.html)
(10)「射水ブランド情報総合サイト イミズムズムズ♪」のウェブサイトにおいて、「JAいみず野では、射水平野で収穫されたコシヒカリを、地域のブランド米として全国に発送しています。『越中いみず野
米一番
』と名付けられ、特徴はコシヒカリ一等米を100パーセント使用していることです。」の記載がある。(http://imizu-mzmz.jp/foods/post-20.aspx)
(11)「健康工房フィット」のウェブサイトにおいて、「(こだわり米3kg・ふるさと米便り5kg・
お米一番
10kg・ミネラルキヌヒカリ5kg)」の記載があり、また、「
お米一番
」の記載とともに、「
お米一番
」の文字が付された包装に入った商品(米)が掲載されている。(http://kenko-fit.com/kome%20.html)
(12)「業務用食品・冷凍食品・酒類・厨房備品の検索ポータルサイト「食材プロ.com」」のウェブサイトにおいて、「ツクバネ
キムチ一番
(朝鮮漬の素) 1kg×12」の記載がある。(http://www.shokuzai-pro.com/ItemSearchDetail.do?itemCd=ks08854)
(13)「株式会社まえさと」のウェブサイトにおいて、「
とうふ一番
」「地釜豆腐を使いやすいコンパクトサイズにしました。」の記載がある。(http://www.maesato.co.jp/tohu/index.html)
(14)「とよたネットショップ」のウェブサイトにおいて、「ところてん
天草一番
3人分」の記載とともに、「
天草一番
」の文字が付された包装に入った商品(ところてん)が掲載されている。(http://www.toyotapuresu.com/32_1.html)
(15)「INTERUSH」のウェブサイトにおいて、「健康食品株式会社」の見出しのもと、「健康食品の
天草一番
、
蒟蒻一番
、
青汁一番
、
納豆一番
で健康家族」の記載がある。(http://interush.net/mmb_detail.php?id=33167)
(16)「かたやま酒店」のウェブサイトにおいて、「泡盛梅酒
梅酒一番
」の記載がある。(http://www.japan-net.ne.jp/~katayama/link01/23sonota/umeshu.awa.html)
(17)「
酒一番
」のウェブサイトにおいて、「山形の地酒、蔵元秘蔵の酒
酒一番
www.sakeichi.com」の見出しのもと、日本酒が紹介されている。(http://www.sakeichi.com/)
(18)「人気の本格焼酎
焼酎一番
」のウェブサイトにおいて、焼酎が紹介されている。(http://shoutyuu.blog17.fc2.com/)
(19)「え〜菓子や お菓子問屋 坂口屋」と称するウェブサイトにおいて、「105g
えび一番
(オリゴ糖入) 20入」の記載がある。(http://www.e-kashi.jp/index.php?main_page=product_infoproducts_id=735)
(20)「あられ専門店 煎餅工房山形さがえ屋」と称するウェブサイトにおいて、「
チーズ一番
15袋入」の記載がある。(http://www.sagaeya.co.jp/SHOP/TI33.html)
(21)「楽天市場」のウェブサイトにおいて、「おせんべい・おかきの老舗 もち吉 楽天市場店」の見出しのもと、「懐かしい味・・・。
サラダ一番
サラダ味」の記載とともに、「
サラダ一番
サラダ味」のラベルを貼付した商品の写真が掲載されている。(http://www.mochikichi.co.jp/products/05231.php)
してみれば、前記(1)ないし(21)よりすれば、「○○一番」(○○は食品名)の文字は、食品を取り扱う業界において、広く一般に使用が認められるものであり、当該文字に接する取引者、需要者は、「○○(当該食品)のなかで、最も品質がすぐれたもの」等の意味合いを想起するというのが自然である。
以上よりすると、本願商標は、食品名である「キムチ」と「一番」の文字を一連で表し、その下段に「キムチ」と「一番」のローマ字表記である「KIMCHI」と「ICHIBAN」の文字を一連で表したものであるので、これを本願の指定商品である「キムチ」に使用しても、当該文字に接する取引者、需要者は、「キムチのなかで、最もすぐれたもの」程の意味合いを想起するものというのが相当である。
そうとすると、本願商標は、商品の品質を表示したものと認識するにとどまるものであって、自他商品の識別標識としては認識し得ないものというべきである。
なお、請求人は、辞典によれば、「一番」が「同種のものの中で最もすぐれたもの。」の意義で使用される場合は、「二つが一組となったもの。ひとつがい。」(第一義)、「最初。第一。」(第二義)に次いで第三の位置を占める意義にすぎないこと、及び「一番」の後に語を続けた用例について、そこから理解される「一番」の意味合いについてみると、第二義である「最初。第一。」の意味合いで使用されている場合が極めて多く、「同種のものの中で最もすぐれたもの。」といった第三の意味合いで使用されている用例は、「一番弟子」のみにすぎないことをもって、このような、「一番」について希有な第三の意義をもって、本願商標の意義を特定することは妥当でない旨、述べている。
さらに、請求人は、「今後のなり行きを左右する重大な局面。大きな山場。」を意味する語として「ここ一番」という用語があり、出願人が製造・販売する「キムチ」は、他の種類のおかずの中にあって、「こく」とピリッとした味わいが食事を引き締める効果があるところから、「このキムチが今後の食事の展開を左右する大きな局面を占め、食事の大きな山場となる。」という意が込められたものとして、「ここ一番」に似た用例として「キムチ一番」と表現されたものあるため、本願商標の指定商品「キムチ」の取引者、需要者は、このように理解するものと推認できるところであって、「一番」を「同種のものの中で最もすぐれたもの」と理解することはあり得ない旨、述べている。
しかしながら、複数の意味合いを有する語であっても、本願商標については、その商標の構成、取引の実状により、取引者、需要者は、前述のとおり、「品質が最もすぐれたキムチ」程の意味合いを理解、把握するにすぎないものである。また、請求人の商標採択の理由が請求人の述べているとおりであるとしても、取引者、需要者が、その理由のとおり、理解、認識するとは限らない。したがって、請求人の上記主張は採用することができない。
また、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨述べているが、請求人が主張する過去の登録例に係る商標は、本願商標とは、その構成態様や指定商品等が相違するものであって、本願とは事案を異にするものであり、登録出願に係る商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かは、当該商標の査定時又は審決時において、個別具体的に判断されるべきものであるから、それらの登録例に前記認定が左右されるものではない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3項に該当するものであるから、登録することができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。